日経ビジネスONLINEに、最近(2015/5/20)
制約こそがイノベーションを生み出す
というサブタイトルの記事が出ていました(こちら)。
制約の大切さはガリラボ通信でもよく取り上げてきました。特に建築家の隈研吾氏の
制約は母である。制約からすべてが生まれる。
は、私にとって体の奥底にまで浸みこんでいる言葉で、行動における前提条件の
ひとつになっているように思います。
日経ビジネスに取り上げられている星野さんの話は、簡単に言うと、強豪校の数分の
1ほどの短い練習時間60分間すべてを練習の時間にするということです。
ピンと来ないかもしれませんが、要するに60分間の中で無駄なことをしないよう
な工夫がなされているのです。
1秒も無駄な時間を作らない工夫がなされている。
生徒はそのことで、60分間集中していく訓練にしていくことになります。
スマホとかですぐに自分の時間を盗まれて、集中力を継続させることが難しくなった
現代人にとって重要な訓練かと思います。
そしてもうひとつ大事なポイントが、生徒に経験学習のプロセスをしっかりと回させて
いることです。
ここが素晴らしい。
水を飲む時間は休憩ではなく、それをミーティング(リフレクション)の時間にしている。
おしゃべりとかではなく、精神論でもない、具体的な、次の行動につなげるための
<具体的な振り返り>を行っている。
その例として、
トライを取った後も喜び合うのではなく、「トライは取れたけどこんなに長く攻撃に
時間をかけるべきじゃなかった」「ラックちゃんとオーバーしている?
じゃあ、次はちゃんと越えるところまで行こうぜ」というように。前回のプレーを
どうすれば上回れるか、結論を出してから、次のプレーに臨みます。
それが成功しても失敗しても、どちらでもいいんです。
意図を持って、狙いを持ってやったかどうかが大切です。
が挙げられていました。
これってコルプの経験学習そのものです(ガリラボ通信2012/9/17)。
それを徹底してやっているから急速に成長していくわけです。
やはり結果を残すところというのは、見事な工夫がなされているものです。
ところで、ガリラボでは、議事録を書く、そして活動の後には必ずリフレクション(振り返り)を
行うというのが常識になってきています。
ガリラボでも、実はゼミ生たちは常に経験学習のサイクルを回しています。
昨日も玉名でのフィールドワーク後、疲れているにも関わらず、資料の整理をやって、
それから自律的に振り返りを行っていました。
見事なものです。
(私の方が疲れてしまって、20時ぐらいになって、今日は帰ろうと促したぐらいです)
こうしたことは、非常に地味なことなので2年生とかのゼミ紹介で話してもなかなか
伝わらないでしょうけど、実はこれがガリラボを発展させている原動力だし、そして個々の
ゼミ生が優秀になっていく秘密のひとつだろうと思っています。
ところで、ガリラボのゼミ生は優秀だと周囲からよく言われます。
他学部からもです。
でもそれは最初からそうだったわけではないでしょう、おそらく。
経験学習も回すという文化が存在し、その文化を身につけたことで優秀になっていった
のだと思います。
ガリラボには入ってきたら、みんなこの経験学習を動かす力強いスキルを確実に身につけて
卒業していってほしい。
就職することは大事ですが、それ以上に、就職後に有意義な仕事人生を過ごしていくことは
もっと大事です。
そのための大事なスキルのひとつが経験学習のスキルだと思うのです、私は。
<補足>
制約に関して検索すると次のガリラボ通信がありました。ゼミ生は目を通しておいて
もらえる嬉しい。
・ガリラボとは関係ないことですが(ガリラボ通信2009/10/7)
・逆転の発想は逆境の中から(ガリラボ通信2012/1/8)
・機械との競争は回避しよう(ガリラボ通信2013/6/4)
0 件のコメント:
コメントを投稿