2019年5月19日日曜日

西原村の児童書店の記事を読んで

昨日に引き続き、読書感想文みたいになりますが・・・
プレジデントオンラインの記事で、阿蘇の西原村にある児童書店のことを知りました。
阿蘇の山中にある"奇跡の児童書店"の物語 2019/4/27
https://president.jp/articles/print/28534

お店の名前は「竹とんぼ」。当初は熊本市内にあったようですが、広い空間を求め西原村に移転されたようです。
←記事から引用

記事からこのお店の素晴らしさが伝わってきました。
70代のご夫婦が始められた、児童書にこだわったお店です。
現在は息子さん夫婦が経営の主たる部分を担われているようで、センスのいいお店のホームページも継続的に情報発信されていて、ネットでのお客さんとのコミュニケーション回路も開かれています。

昨年(2018年)に、鶴瓶の「家族に乾杯」にも登場されたようです。
取材のあった日のお店のブログです。
https://komiyanao.exblog.jp/26830058/

放送後はお客さんが押し寄せ、大変なことになったとのこと。
ブームが発生するのはあり得そうな話ですが、このお店が素晴らしいのは、テレビ放送の効果が一過性に終わらなかったことでした。
ブームが終わっても根強い人気を継続していきます。
それは、このお店の膨大な児童書の中から良本を見抜く力が、お客さんの強い信頼を得ているからのようです。
そうした信頼が、テレビ放送でのバブル後も一定の人気を継続されているようです。

信頼が人気の継続の大きな役割を担ったことは間違いないでしょうが、それ以上に素晴らしいと思ったのが、このお店そのものが豊かな物語を持っていることでした。
何かを残していくには、優れた物語を持っていることが必要条件です。
(ひょっとすると、ライターさんが(あるいは家族に乾杯のディレクターも)、このお店の物語を描き出すのに一役買っておられるのかもしれません。よい表現というのはほんと大事だと思います。なので、ぜひ上のリンクから記事も読んでほしい)。
地域資源は、その土地に適合した資源でなければ、その土地に根付き、そしてそこで固有の価値を発揮していくものになっていくことはないでしょう。
建築家の隈研吾氏が「自然な建築」という概念で、建築物もそこで生産された材料でなければその土地に合うものはできないと語られていますが、これに通じるものありそうです。

昔、ガリラボでは「地元学」というのを学んでいました。
07ゼミ生の頃にそれを知って、それが水俣発でもあったので、水俣までみんなで足を運んだことがあります(ガリラボ通信2009/11/22)。
もう10年近く前のことです。
水俣で地元学を提唱し、実践をされてきた吉本さんと玉名市天水の地をゼミ生と一緒に歩きました(ガリラボ通信2012/7/15)。
玉名市の平野さんが仕掛け人でした。
これももう7年前のことです。
大雨の天水の地を歩きながら吉本さんの考えを聞くことができました。
少しだけの時間でしたが。
それを簡潔にまとめると、地域に固有のことでなければ資源にならないということだったように記憶しています。
 
「竹とんぼ」というお店の記事を読みながら、なぜか唐突に「地元学」のことを忘れてしまっていること自分に気づかされました。
初心を忘れてしてまっている。orz

今年もガリラボでは、タマにゃんと玉名、そして県北地域を歩く予定です。
地域に出かけるのに「地元学」のことが何も思い浮かぶこともなく・・・、ちょっと拙いかもしれません。
マンネリ化もしているのかもしれません。
だいたい、玉名市と連携して今年でもう10年になります。
10年。キリのよい長さです。
退職も近くなり、永遠に連携することはありえないわけで、そろそろ玉名から卒業して私自身の教員生活のゴールに向けた活動に切り替える時期であるかもしれないなと思っているところです。
ひょっとすると今年で最後となることもあり得るので、ガリラボの(「輝く知性は行動なしには生まれない」のスローガンから始めた)フィールドワークの出発点ともなった「地元学」をもう一度読み直し、活動を締めくくるぐらいのつもりでフィールドに出ていこうかと思います。

フィールドワークを始めた時の初心を思い出させてもらいました。
プレジデントオンラインのライターさんと竹とんぼというお店に感謝。
よい記事は、影響力がありますね。
表現していくことは大事だと改めて思います。
なので、私自身が、もう少しトレーニングして、論文とかよりも、こんな素晴らしい記事を発信していけるようになりたいものです。
合間を見て、とりあえず徐々にそうしたトレーニングをしていこうかなぁ。^^

 

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