2015年3月31日火曜日

3000回目の投稿〜新しい道へ進む11ゼミへ、そして社会人となったゼミ生へ

いよいよ平成26年度も最終日となりました。
今朝はいつもの通勤経路を変更し、大学テニスコート傍の公園横を歩いてきました。
竣工平成2年とあります。女子大から県立大へと移行する4年前、四半世紀ほどの
歴史があるわけで、公園名からその歴史を見てとれます。
「健軍水洗」とは、当時、この辺りは月出ではなく、熊本市健軍町字水洗(みずあらい)という
地名であったからです。その後、この地域は熊本市月出へと変わり、さらに政令市への
移行と共に熊本市東区月出となったわけで、わずか四半世紀でも、様々な変化があった
ことを公園名は気づかせてくれます。

その公園内の桜は満開でした。

テニスコート横の通用門から入るとご覧の通り。図書館前の桜も満開です。

図書館前の桜です。


桜が満開となった平成26年度末。
明日からは色々な変化がガリラボの関係者にも起き、それぞれの道を進むことに
なるかと思います。
ところで、年度末のこの日、このガリラボ通信にはもひとつの転機が訪れました。
今回で3,000回目となります。
ひとつの節目の日となりました。
 
Googleのサービス「Google Group」には、昔、コメントを書く機能があったので、
そこにガリラボの日常を記録する数行日記をつけていました。
徐々に数行で済まなくなり、またGoogleがそのサービスを停止するということも
あったので、思い切って、ブログを開設しました。
それがこのガリラボ通信で、2009年9月10日のことでした。
ガリラボ通信(研究室ダイアリー)開設ガリラボ通信2009/9/10
開設してから2年後、通信の発行は1000回となりました。
1000回〜ひとつの変革の時を迎えてガリラボ通信2011/9/18
1,000回目の通信には、ガリラボの運命を変えるべく、これからも毎日継続して
発信していきますとの決意表明を書いています。
その宣言通り、どうにか、それから毎日欠かさずガリラボの様子やコラムを発信し、
開設から3年半後には2,000回に達しました。
2000回目の投稿〜10、11ゼミ生への期待と次の方向についてガリラボ通信2013/5/5
そして、今回、年度末の2015/3/31に3,000回目の投稿を迎えました。
2,000回目から約2年弱。開設から数えると5年半ほど継続してきた結果です。

3,000エントリーと書いてしまえば何ということもないわけですが、そこには5年半の
間のガリラボの日常が毎日綴ってあるわけで、ガリラボにとっては貴重な資料になって
いると思います。
今は古株のようにしているM1(14)吉村が大学に入学する前からガリラボ通信は存在して
いるわけです。
そう考えると、その長さについてリアリティを多少は感じないでもありません。

ところで、野球のイチロー選手は2013年に日米通算で4,000本安打を記録し、現在も
記録を塗り替え続けています。
密かにですが、イチロー選手の安打数は越えたいと、ひとつの目標にしております。
おこがましいと思うので、私個人の「密か」な目標としています。
4,000回に達するには、今後少なくとも2年は継続しないといけないわけで、さらに、
イチロー選手は今後も安打を続けていくわけですので、本当に目標を達成できるのか
不安でありますが、とりあえずイチロー選手を目標にしようと思っています。
ガリラボが存続し、ゼミ生たちが活動している限り、日々のその様子を発信していく
つもりです。ガリラボ関係者のみなさん、通信を媒体にガリラボの今を知ってもらえると
幸いです(最近、閲覧数が減少しているのが少し気になってますが・・・)

さて、3月末のこの時期、ちょうど11ゼミ生が巣立つ時でもありますので、3,000回
という記念すべき時でもありますので、これからについて、私自身がこの年齢になって
思うところを書いておこうと思います。
要するに、社会人となってからこそ、(本当に難しいことですけど)着実に力を蓄えて
いくべきだということを以下書こうと思います。

なお、このことは、今年1月にも書いたことがです(ガリラボ通信2015/1/11)、また
「明日の広告」で著名な、そしてガリラボでもよく引用する佐藤尚之さんもご自身の
ブログでそういったことを最近書かれていました(こちら)。
空海の空白の3年間の話(ガリラボ通信2012/2/4)を持ち出すまでもなく、若い時期とは
充電をするべき時期であろうと思います。
もちろん活躍をする(放電する)こともダメというわけでもありませんが、それ以上に、
若い時期とは充電をする時期であって、将来活躍するタイプの社会人としての自分自身の
人格を形成していく時期だと捉えておくと良いでしょう。
(ちなみに活躍する社会人とはどういった社会人なのでしょう? さっと思いつく条件は、リテラシー的には頭が
 キレる、多様な視点を持っているような人、コンピテンシー的には企画を確実に実行できる人、そして人間的
 ひねくれておらず周囲に優しく配慮ができるような人が理想です。
 ただ、そんな人がいるかどうかよくわかりませんけど・・・^^; 
佐藤さんは、そのことをブログで、ある特定の若い人(たぶん、ある特定のひとりの方)に向けて、
  それなりに成功してネット上で勇ましいことを書いてるキミの同年代たち(ちょっ
  と上の先輩たちも含めて)は、みんな「早熟なタイプの人」なんだよね。スタート
  ダッシュの先行逃げ切り型。
  でも、キミはきっと後半に追い込むタイプじゃないか?
と書かれています(特定のひとりの方向けの言葉ですが、特殊なひとつの事例であっても
深く入っていけば、それは普遍へとつながるものです)。
同年代で、成功している人たちを見ると、人は焦りを感じるものです。
私もそうでした。
同年代で、企業に入った研究室メンバーがその分野でかなり活躍している姿を見ると、
進む道を間違ったかなと思ったこともありました。
佐藤さんは続けてこう書かれています。
  先頭集団の成功と勢いを見ると焦るかもしれないけど、彼らも20年30年と先頭を
  走り続けられるわけじゃない。その多くが若いときの成功体験と成功手法に縛ら
  れてだんだん時代に合わなくなり、息切れしていく。ずっと時代の先頭なんて無
  理なんだよ。
  世の中には後からゆっくり行く遅咲きというか大器晩成というタイプがちゃんと
  いて、40代50代でぐいぐい伸びてくる。
どうでしょうか。私も、今になると、そう思うのですよね。若い時の成功も意味がない
わけでないでしょうが、しかしそれはせっかくの貴重な学ぶ機会を失うことにつながり
かねません。
大学の教員になることも、若い世代からすると成功事例のひとつでしょうが、しかし、
それはその人の生き方によっては、長い目で見たときにあまり素晴らしいことではない
のではないかと思うこともあります。
ちなみに私は最初10年を高専の教員として過ごしました。あの経験は、ほんとに大変で
したが、振り返ると貴重でした。
あの経験は、研究者、そして狭い領域に限定していくことを良しとしていた、視野の狭い
人格からアンラーンされ、男子学生ばかりの高専での寮生の指導や学生指導の経験を
通して教師としての貴重なトレーニングを随分とさせてもらったと思っています。
(たぶん、こうした外部刺激なかったら、あのまま狭い蛸壺から抜け出せずにいたかもしれません)
逆説的ですが、教師としてのトレーニングを続ける中で研究していくことの情熱も湧き、
そしてその中で、私のような立場の人間が研究をしていくというのはどういうことなの
かを考えることにもつながり、それが現在の私の基礎を作ることになった(気がしてます笑)。
佐藤さんはさらに続いてこう言われています。
  若いときにひとつの分野で成功してない分、成功体験にも成功手法にも縛られず、
  自己模倣もせず、さまざまな分野で経験を積むことができる。じっくり育つといい
  なと温かい目で見てくれている人生の先輩たちから素直に学ぶことができる(早熟
  な人って先輩たちをバカにしがちなんだよね。もったいない)。
謙虚さを忘れた人が伸びるはずがありません。知識社会と言われる現代、以前の知識など
あまり役に立ちません。
前の知識や地位などさっさと捨て、それらをunlearn(学びほぐ)していく力こそが要求
されるわけで、そのためには謙虚さが不可欠です。
MITのメディアラボの副所長の石井さんが「いつもまでも最高の生徒でありたい」という
ことを話されています。(昨日、吉村、藤本との勉強会で出てきたタンジブルという独創的インター
フェースの開発に関わられた方です)
そのことを聞いて、納得できました。
だから、石井さんはあそこまでのレベルに到達されているのだな、と。
学びにおける先生とは、年上の方とは限りません。
年下の人からも学ぶべきことは多くあります。
私の立場で言えば、ゼミ生からたくさん学んでいます(さらに言えば、親となると子どもからも
学ぶことが多い)。
実際、私自身の成長は学生によるところが非常に大きいと思ってます。
思い通りにならないのが学生たちなので(ひとつの人格を持つ個人ですから当たり前です)、
そのことが非常に大切でした。
そうした他者(学生)たちと関わっていなかったら、今の私の存在は多分ないです。
そういうことなので、佐藤さんが言われるように、
  人生は意外と長いので、先行して突っ走った挙げ句に息切れして落ちていくよりも、
  後半にぐぐっと伸びた方が楽しいよ、きっと。
  だから、無駄に焦んないように。
  同年代の先頭集団をあまり意識せず(いっそ彼らの成功談なんて読まない方がいい。
  それはスタートダッシュ型の知見だから)、ものごとを長期的に考えて、様々な分野
  で経験値を貯めたほうがいいとボクは思うな。
といったスタンスで若い時はいくといいと思います。
着実に、間口を広げながら、次のステージに上げていくことだけ考えていればいい。
イチロー選手が、こう言ってます。
  小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと
  思っています。
誰でもがわかっている簡単なことなのですが、でもそれが本当にできる人は少ない。
イチロー選手だからできたわけで、そしてまたそれができたから今のイチロー選手があるのでしょう。
誰でも真似できるわけでもありませんが、しかし多少なりとも真似したいものです。
焦らず、力を蓄えていければ、それを見ている人は見てくれているだろうと思います。
力があれば、何かの機会に、その力を発揮させてくれる他人に出会えるでしょう。
この意味で、チャンスとは偶然ではなく、必然だと思っていい。
チャンスになる人にだけ、チャンスはやってきます。
  
以上、卒業していくゼミ生、そしてすでに社会人となって頑張っているゼミ生に向けて
書きました。
(同時に、このガリラボ通信を読んでいるはずの私の子どもたちにも向けて書きました)
今現在のことに手を抜くことなく、周囲を見ても焦らずとりあえず我慢し、何が本質
的なのかそこを見極めながら、自分のことではなく周囲(世の中)を良くしていく
方向に向かって、日々をたくさんの学びを実践していってほしい。
先日のジョブズのメッセージのごとく(ガリラボ通信2015//24)、自分は何のために
それをやっているのか、その本質を考えながら、日々の行動に向きあっていってほしい。
 
明日から社会人、そして大学院生となる11ゼミ生諸君。
(先は長いですが)20年後の未来で、大いに活躍していることを期待しています。
  
 
ガリラボ下のツマガリザクラです。 

周囲の桜は次々と満開となっていく中で、ひとり動じることなく、自分の力を蓄積して
いってるかのようです。^^
周囲が散った後、大器晩成型のツマガリザクラをゆっくりと鑑賞しようと思っています。
スズメが休憩してました。

 
 


0 件のコメント:

コメントを投稿