明日はたまNaviとたまrismの発表練習を行う予定です。
様々な人々が交差しコミュニケートする場としてのガリラボ。その日常を描写してきた記録です。
昨日の賑わいから打って変わり、非常に静かなガリラボです。
一人黙々と作業していたら、SNS上に「専業主婦になる覚悟がなかった」という記事が流れてきて、ついクリック。
https://dot.asahi.com/dot/2023011100066.html?page=1
東大名誉教授の数学者石井志保子さんについてのインタビュー記事でした。
主婦となり、その後、お子さんを生み、そしてご主人は途中から政治家(県知事)となるという状況の中で、数学という非常に集中力の必要なところで仕事をしてかなり優れた成果を出しておられ、驚きました。
子育てしつつ、そして政治家の妻という立場も無視できなかったでしょうから、それで数学の道で最高レベルにまで行かれていて、記事を読みながら、人間にそんなことができるのだろうと思ったほどです。
専業主婦になるにも確かにそれなりの覚悟が必要だとは思いますが、ただ数学の道で成果を出すのはそれ以上に覚悟が必要だと思います。
世の中にはほんとすごい人がいるものだと思います。
ところで、石井さんが研究されていたのは特異点だそうです。特異点というのは研究者にとっては非常に魅力的な対象です。私も、むかーーーし、数値解析の研究をやっていた頃、特異点には随分と苦しめられ、そのために魅力を感じたものです。
20代から30代の頃の愛読雑誌はなんと「数学セミナー(月刊誌)」でした。今の私を知る人からすると想像もできないでしょうけど、その頃の私の机の上にあるのはほとんど数学書ばかりでした。
つい先日(1月9日)亡くなった佐藤幹夫という数学者は、この特異点を上手に使って超関数についての理論を展開した方ですが、ほとんど理解できませんでしたが、基本の部分だけでも素晴らしいアイデアで、魅了された記憶あります。
ただし、魅力されただけで、モノにはできなかったですが・・・(orz)。今思うと、もっとのめり込むべきだったかなとも思いますが、どうにも私にはのめり込む力がそこまで強くなかったようです。
今でも興味はあり、超関数についてはある本は捨てずにおり、いつか読みたいと思っていますが、ただもう数学に戻ることはないでしょう。
別の興味を見つけてしまいましたので。
ただし、果たして、のめり込む力がまだあるかどうかが問題です。
土曜・日曜と大学共通テストでした。フル稼働な上に、今まで経験したことないもない刺激的な出来事に遭遇し、気持ちをハイテンションにしてくれた共通テストでした。
何事もなく終わってほっとし、その後は燃え尽き症候群。
帰宅後は、いつ寝たのか記憶もあまりなく、気づいたら朝でした。なんだか健康的です。orz
ところで、今、「人生100年時代」と言われます。高齢化社会という言葉に含まれるマイナスイメージをプラスに変えるためにどなたかが作り出した言葉だと思います。
最近、リンダ・グラットンさんのLIFE SHIFTを2冊読む機会があったので、気になっていた言葉なのですが、みなさんは、「人生100年時代」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
そのイメージについては調査した人たちがいて、結果がNHKのニュースで取り上げられていました。
調査結果の概要は、
人生100年時代 マインド調査
https://lifeshiftjapan.jp/info/9421/
に掲載されています。
人生100年時代と聞いて、4割は「ワクワク」するイメージを持ち、残りの6割は「どんより」したイメージを持っていたのだそうです。
そして、この調査結果を眺めていると、イメージには、今現在が充実しているかどうかが強く影響しているように思いました。
今現在、生活全般について「とても生き生きしている」と回答した人の実に4分の3は人生100年時代にワクワクを感じている結果となっています。
そしてそして、将来に向けて貯金しているとか、健康・体力づくりをしているよりも、自己探求とか、リ・スキリング(Reskilling:次に向けた新しいスキルを身につけること)といった「学び」に向き合っている人たちがどうもワクワク度が高くなっているという結果が出ています。
NHKのニュースに登場したLIFE SHIFTの著者リンダ・グラットンさんによれば、これからは「マルチステージ型」が重要だということでした。
社会人の場合だと、昭和の時代の主流だった「学校→会社→地域社会」という単純な3ステージパターンでなく、会社に強く依存せずに、無形資産を手に入れていく生き方がよいのではないかということです。
気になる人は、調査結果やLIFE SHIFTなどを参照すると良いでしょう。
なお学生であれば、将来役立つからという狭い意味での知識習得に向かうのではなく、そうした知識を習得する中で、新しい知識を自ら学んでいく力を身につけるように意識しておくと良いではないかと思います。
もっとも、これは昔から言われてきたことで、何も新しいことではありません。
すぐ役立つことはすぐに役立たなくなります(ガリラボ通信2011/2/27)。
すぐ役立つ流行の嵐に翻弄されている傾向にある大学ですが、基本に立ち返ると、大学で学生が学ぶべきことは昔から変わらず単純なことであるはずです。
国も人生100年時代と喧伝しているわけですから、なおさらではないかと思うのですが。^^;
(周回遅れした大学はしばらくするとトップを走るようになるのしれません。もっともそれまで生き残っていればですが。)
とりあえず私は、身につけた学ぶ力でもって、今後はせっせとリ・スキリングにやっていくつもりです。勉強道具は、本とYoutube、そして現場での具体的実践(実験)です。^^;
<補足>
昨日、録画していた校正者を取材したNHKの仕事の流儀を見ました。まあびっくりでした。校正者の道具は、図書館にある本はもちろんですが、Googleでの検索はもちろん、Goolgeマップ、そしてストリートビューなどに表示される現地の画像など、あらゆる手段を使って現行の情報が正しいのかチェックしておられ、衝撃でした。複数の情報を使って裏を取る作業をしておられ、そのためにネットという新たな動画を使っておられるようでした。
大事なのはそうしたツールを使う能力であることをしっかりと教えてもらいました。
<追記>
昨年末に卒業生に対しガリラボの活動で役立ったことについて尋ねてみました。まだほとんど内容を確認できていないのですが、23歳から40歳までの卒業生150名からの回答によれば、役立っているのは3年次にやったゼミ課題(基本課題ですね)と卒業論文(自分で探求する活動です)を多くが挙げていました(回答者が全員がそれを経験しているので多くなるのは当然なのですが)。
ただ、その役立っている理由は興味深いものです。(まだちゃんと見ていないのですが・・・)基本について言及している卒業生が多くいる気がしています。
人生100年時代の話題と少し関連するのかもしれません。よくわかりませんが、詳しいまとめは今後ゆっくりとやっていく予定です。
昨日、たまrismのパンフレットを中綴じするための便利が文房具が届きました。部品の一部が回転するホッチキスとかです。便利なものがあるものです。