
1938年に開始されてから75年もの長きにわかって継続してきた、気が遠くなるほど
根気のいる研究で明らかになったことは、驚くべきほど単純ですが、しかし同時に
驚くべきほど深い内容でもありました。
75年間追求してきた結果わかったことは、富や名声を手に入れることでもなく、
無我夢中に働くことでもない、質の良い人間関係を築くことが最も幸福につながるの
だということでした。
詳細は次のTEDでの講演をお聞きください。
人生を幸福にするのは何?最も長期にわたる幸福の研究から
家族、友だち、コミュニティとよく繋がっているひとほど、体も健康で、長生きをする
ことが75年の調査を通してわかったのだそうです。
ごく当たり前の結果ですが、ただ多くの人がそうでない生き方をしているのが現実。
特に現代は。
この研究によると、人生の最終段階である80代でどういった人たちが幸福に過ごして
いるかを調べてみると、それは50代の頃の人間関係の満足度で予測されることがわ
かったのだそうです。
50代の頃にもっとも幸せな人間関係にいた人が80代になっても一番健康でもあったとのこと。
特にパートナーと共に幸福だと感じていた人たちは、身体的苦痛があってもそれを乗り
越え、精神的な幸福を得ていたということでした。
「終わり良ければ全て良し」というくらいですから、人生の最終段階である80代で
幸せであったということは、全体として良い人生であったということでしょう。
私自身そろそろ50代の最後。考えさせられます。
研究結果で興味深かったのは、幼少期の母親との関係の重要性でした。
幼少期に母親と暖かな関係を築けていた男性は、そうでない男性よりも人生においては
一定の成功を収め、年収も高く、専門分野で成功した人が約3倍もいたということでした。
この点は、わが国でも教育社会学が一定程度同様の事実を明らかにしています。
母親と子どもの関係とはきわめて強い影響があって重要なことを、この気の遠くなるほど
根気のいる研究を通して改めて学びました。
ついでながら、父親との関係はほとんど影響がないということでした。父親の端くれである私としては、
ちょっとした衝撃でした。orz
ところで、幸福学からの知見を以前紹介したことがあります(ガリラボ通信2014/1/4)。
それによると人が「幸福だ」と感じる条件として3つ
(1)人との交わり
(2)親切心
(3)いまここにいること
が挙げられていました。
75年間の研究と相通じるものがあります。
人との良い関係を築くということの根底にあるのは「他者への思いやり」なのだろうと思います。
そうした思いやりが、結果的に、自分の幸福につながるわけです。
ここまで書いて思ったのが、昨日紹介した3年(13)飯沼の行動。
先日の思いやり溢れる飯沼のことを思い出しました。
ついでにもうひとつ。
幸福だと感じる条件の3つ目の「いまここにいること」について。
意外にこのことに無頓着な人が多いように思っていますが、どうでしょうか。
授業に出ていても上の空、何かを任せられてても集中していない。
今この瞬間やるべきことに誠心誠意向き合うこと、「いまここにいること」に
誠実に向き合うことが、自分の幸福感に直接つながるのだと、これまでの研究が
明らかにしてきた事実のようです。
昨晩のことですが、チームJob'sのメンバーが雇用環境整備協会の皆さんと
再会をしました。学生GPで一緒に活動させてもらった協会の方々との食事会でした。
チームJob'sのメンバー全員が卒業することになるので、M1(15)藤本が企画したものです。
おそらくこうした形では最後の会になるだろうと思います。
チームJob'sであることを一生懸命にやってきた人たちだったから、こうした会を
やろうということになったのでしょう。
昨晩の会は、「いまここにいること」を実践してきたことを示す出来事であったように
思いました。
努力目標ではありますが、自分で選んだこと、与えられたこと、理由は様々でしょうが、
今いるところで100%を全うしていくことが大切なのだろうと思います。
卒業する時期になるとよくこの通信に書いていますが、ゼミ生であれば今学生で
あることを全うする方が結果的に良いのではないかと思います。
<おまけ>
昨晩は土曜日(熊本城マラソン前夜!)。
ひょっとしてと思いながら、21:30頃、下通りを歩いていると、おられました!
しょせきかプロジェクトでお世話になった方です。
3年(13)飯沼が担当しました。
この方の「どりぃむ」を飯沼が原稿にし、読ませてもらいました。
「いまここにいること」を強烈に実践されている方だなと思いました。
※「どりぃむj」は数日後には納品される予定です。
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