2019年3月2日土曜日

朝ドラの話題から~せっかくの特許を公開する意味

最近、朝7:30からBSで放送される朝の連続テレビ小説を見てから出勤しています。
定期試験が終わり時間に余裕ができてからなので、見始めたのはここ最近。
たいへん面白い。
ヒロインのご主人のモデルはインスタントラーメンの開発者。
面白いというのは、ドラマそのものよりも、インタスントラーメンの開発に惹かれているのかもしれません。
今週は、モノを作り出すというのは、その当のモノを作り出すだけでは不十分で、そのモノが存在しえる環境全体を作り出す必要があることが描かれていました。
画期的な発明ほどそのようです。


昨日の放送で、ヒロインのご主人が、インスタントラーメン製法の特許を、自分だけにしておくのではなく、みんなに公開すると言い始めて周囲が慌てるというシーンがありました。
開発されたインスタントラーメンを真似して粗悪品が出回っているのを見て、誰でもが安心して食べられるようにするには、特許公開が必要だとの判断でした。
しかも無償で!!
自分の利益だけ考えるのであれば、特許公開はないのでしょうが、社会全体の利益、この当時の食生活のことを考えた場合、特許を公開し誰でもが美味しいインタスントラーメンを食べられるようにした方がいいと考えられたようです。
人としての器の大きい方です。

ドラマを見たあと、たまたま、立教大学の中原先生の先月のブログを読みました。
なんという偶然というかなんというか・・・
ブログのテーマは、
  日本人が「グローバルリーダー」になりきれない、
  たったひとつの「理由」とは何か(参照
というものでした。
英語力は大事ですよ、だけども、それは決定的なものではないのだ、と。
なれない理由は、自分は「社会をどうしたい」と考えたことがないからだというのです。
詳しくは中原先生のブログを読んでください。

朝ドラのまんぷくで描かれているインスタントラーメンの開発者は、ラーメン自体というよりも、誰もが安全にかつ簡単に食べられる食生活が得られる社会を思い描いていたわけで、朝ドラと中原さんのブログとをつなぎ合わせると、インスタントラーメンの開発者(モデルは日清食品の創業者の安藤さん)はまさにグローバルリーダーだったのだと思いました。
多くの人たちの食生活についての夢を描いて人だったからこそ、インスタントラーメンを世界中に広めることができたのでしょう。
カップヌードルが開発されてからは爆発的に広がったようです。

「陽はまた昇る」のタイトルで映画化され、またNHKのProject Xでも放送され、大きな反響を呼んだVHSの開発リーダー(高野さん)も同じような行動をされていました。
どの家庭でもビデオ録画して、大事な番組を見逃すがことがないようにと、そんな世の中を描き、自分たちが開発した技術を、他の企業に公開しました。
技術を広く公開して、多くの企業の技術者の協力を得て、ビデオ技術の完成度を高めていき、その結果、VHSは世界標準になったのでした。
この方もまたグローバルリーダーであったと言えるのではないかと思います。

こうした行動は、世界規模という大きなレベルだけでなくても良いのかもしれません。
何でもそうなのでしょうが、自分のことだけに目を奪われていると、結果的に自分の成長は難しいのかもしれません。
周囲の人たちが良くなるようにと考えて行動していくと良いのかもしれません。

大学などもそうかもしれないと思いました。
自分の大学だけが何とかなればとか、狭小な考えでいると、最終的な結果は・・・・。
大学が存在することで、地域社会を、あるいは社会をどうしていきたいという視点がないと、自分がやるべきことも独りよがりなものになってしまうのかもしれません。
公器という言葉があります。ドラッカーが企業について使った言葉です。
朝ドラを見て、そういう存在として、自分たちをいつも見ていくべきなのだと思いました。
難しいことですけど。。。

話は飛びますが、12月から取材をさせてもらっていた天寿園の皆さんは自分の園のことだけでなく、取材でお話を聞くたびに、地域社会のことを見据えておられることがひしひしと伝わってきて、大変勉強になりました。
来週、その天寿園の理事長さんが挨拶に研究室に来られます。


追記
今日、家内の買い物に久々についていったら、チキンラーメンがおいてあり、ドラマの影響からでしょうが、食べたくなりました。
家内にそれを伝えたら、却下。
随分高くで販売されているようです。
私と同じような人がおおいんでしょう、きっと。
朝ドラの効果は絶大だと思いました。


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