2013年10月23日水曜日

ガリラボという集団の特徴


今、M1(13)坂口との院ゼミで「アクション・リサーチ」というテキストを二人で
読んでいます。
水曜9時がゼミですが、本日の内容は興味深いものでした。
その理論のレンズによってガリラボという集団を眺めてみると、その特徴が
ある程度クリアになります。
 
研究者とは、研究したい対象が変化しないようにそっと観察し、その性質を探って
いくことを生業にする人たちです。
ところが、アクション・リサーチに従事する研究者はそれとはまるで異なります。
対象を変化させていくことを研究としている人たちです。
対象をありのままに分析(アナリシス)することをドグマ(教義)としていて、
そしてそのことを素直に信じて疑わない生真面目な研究者からみたら非常識
極まりない人たちです。
一方で、アクション・リサーチに従事する研究者とは、対象(コミュニティなど)を
変化させることがセントラルドグマとする人たちであり、エンゲストロームなども
その代表的選手でしょう、きっと。
 
さて、ガリラボのメンバーとはどっちのタイプの研究者でしょうか。
対象を冷静に観察し分析し、対象の理解を目指している人たちでないことは
明らかでしょう。
対象とは、分析ではなく変化を促していくものと考えている。
まるで社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)のような集団に思えます。
だから、他の研究室とは少々違っているわけです、ガリラボは。
大学の大半の研究室は分析することをドグマとする集団ですから。
ガリラボは、分析というセントラルドグマだけに捕われず、変化を生み出そうと
アクション・リサーチを実践している集団です。

普通の研究者は、分析対象のことを調べ、それが一体のどういうものか理解できたら、
それを研究者仲間に向けて、仲間に通じるコトバで分析結果を公表していきます。
たとえば論文とかにです。
卒業論文もその一種です。
でも、アクション・リサーチの場合は、それだけでは拙いことはすぐにわかります。
変化させたい対象には、当然ながら人が関わっています。
そういった人たちは研究者の仲間内ではありません。
論文というオタクたちの同人誌など読むはずがない。
論文とか、研究者仲間内だけに通じるジャーゴンであり、それは通常の人は全く
脳裏にもなく書かれたものです。
酷いことに、研究者はそのことに往々にして無意識であり、成果は論文として
公表することで良しとします。
だけどそれでは何も変わらない。
理解ができただけで、そこから動きが生まれることはない。
変革の対象となる人たちに何かを伝えなないと変革のムーブメントなど起こる
ことはないでしょう。
坂口と読んでいるテキストでは、その辺りをことを、次のように指摘しています
(うろ覚えですが・・・)。
文字に固執するのではなく、音声、映像で表現してもいい、あるいは舞台を用意
して、そこで演劇などで表現してもいいのだ、と。
あまり詳しく書けませんが(覚えていない涙)、そういった指摘を読んでいると、
これってガリラボでやっていることだなと思ったのです。
昨日のガリラボ通信2013/10/22で、きくりん人に求めたこともそういうことであり、
またチームJob'sが白亜祭で演劇に挑戦することなどもアクションリサーチとして
見ることが可能でしょう。
そもそも白亜祭にガリラボが参加することが自体が、白亜祭という対象の変革を
(多少なりとも)意図しているわけで、ガリラボ全体でそのための表現に立ち向
かっていると考えても良いのではないかと思います。

ガリラボはそれぞれの対象を分析するのに飽き足らず、それに変革を加えようと
アクションリサーチを実践している集団と考えていいかもしれません。
午前中のテキストを読みながら、そんなことを思っていましたが、現在、福岡から
熊本に戻るバスの中でこれを書いているため、テキストもなく深く考えられません。
いつかまた改めてこのことは考えてみようと思います。

ガリラボは単なるリサーチャー(研究者)ではなく、アクション・リサーチャー
(行動する研究者)です。
座して考えているだけで、動かないのは似合わない。
輝く知性は行動無しには生まれません。
行動しながら、その経験を反省的に捉えていくことを心がけましょう。

最後に、そのことに関して昨日のエピソードをひとつ。
未来の郵便チームが座して考えているだけで進もうとしないので、
「なんで具体的に動かないのだ、やれ!」と優しく背中を押しておきました。
(あまり好きじゃないんですよね、そういうのが。何とかして先に進もうと、もがかないのが。
 内面の本質的なところに行こうとせず、表面的にとりつくって済まそうとするのが。)
4年(10)清原が、Photoshop CS6 Extentedにようやく挑戦を始めました。
今日はPhotoshopというまだ一般には使われていないもので、未来の表現に挑戦して
いるはずです。
強く押してあげたので、ネットを参考にしながらきっと必死で前に進んでいるはず。
(ネットは知らないことをググるためにあるんです。そのことの本当の大事さに
 ゼミ生の多くは気づいていない。残念です)
Photoshopに向き合っているとき、プレイフルな状態になったと確信しています
(だって、真正性、制約、足場掛け、ハード環境などが揃っているので
 発達の最近接領域が生まれたのではないかと思いますから)。
プレイフルな状態ゆえ、学習がかなり進行しただろうと予測しています。
明日、結果を見るのが楽しみです。



これは4年(10)丸山の京都土産とのこと。内定先企業の研修(?)が京都で
あったようです。


こうした情報は4年(10)吉村が送ってくれます。
出張した後のガリラボの様子をまとめてメールで知らせてくれます。
いつから送ってくれるようになったかは定かではありませんが、
ガリラボの様子がよくわかって有り難い限りです。



 

0 件のコメント:

コメントを投稿