津曲研究室では、現在いくつかの研究テーマが走っていますが、そのひとつとして、
大学生は他者とどう関わりながら成長していくのかに関する研究を行っています。
そうした知見は「もやいすと」などの授業デザインに応用していくものです。
その研究を主に担っているのがM1(14)吉村です。
先日、そのための予備調査として、研究室の在学生・卒業生向けにWebアンケートを
急きょ行わせていただきました。
わずか2日間の短期間に関わらず多くの方に協力していただきました。
吉村が、その結果を整理しましたので、お礼を兼ねて、この場で報告させていただきます。
++++++++大学時代の他者からの影響調査(予備調査結果まとめ)++++++++++
2014年9月21日
津曲研究室M1(14) 吉村
先日は、大学生活に関するアンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。
調査結果を簡単にご報告させていただきます。
1.調査目的
大学生が、大学生活で他者からどのような影響を受けながら成長しているかを
明らかにすること
2.調査対象者
津曲研究室所属の学生および研究室出身の社会人の皆さん29名
(2年生7名、3年生6名、4年生7名、大学院生1名、社会人8名)
3.調査時期と方法
2014年9月5日~9月6日の期間、Webアンケートにて調査
4.調査結果
調査の結果、主に次の6つのことが分かりました。
(1) 大学生は、大学教員から、成長する機会をもらっていた。
(2) 大学生は、友人(同期)から、他者との関わり方やチーム活動の楽しさを学んでいた。
(3) 大学生は、先輩を、ロールモデル(お手本)としていた。
(4) 大学生は、後輩と関わることで、良い刺激を受けたり、リーダーとしてのあり方を
考えていた。
(5) 大学生は、地域の人から、社会のルールを教わっていた。
(6) 大学生は、大学職員と関わることで、事務的な支援を受けていた。また、仕事に
取り組む姿勢を学んでいた。
⇒大学生は、これらの6つのことを通して成長している可能性がうかがえました。
※補足資料
上記レーダーチャートの項目名で代表した回答内容(標準化したもの)。
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以下、吉村からの調査結果をもらっての私の感想です。
人はどういった社会関係にある他者と関わるかで、担う役割が変わります。
(参考:ガリラボ通信2014/8/31)
役割期待を通して、様々な能力を獲得し、成長していくのだと思います。
すなわち、他者とのかかわりの中で、期待される役割を演じることを通して人は
成長していく。
インプロ的世界です。
役割期待については、パーソンズとかゴフマンとか社会学者が扱ってきた概念です。
人とは無人島で単独に過ごす存在ではなく、社会関係の中で成長していきます。
この当たり前が、教育の分野で意外に無視されてきました。
教育の研究をしている人たちが、社会学について無知であったからかもしれません。
教育社会学というのはあります。
これは教育というものを社会の中でどう意味づけるかを考えていくものです。
そうではなくて社会学の知見と教育とを融合させていく必要性を、吉村の調査
結果は示している。
小中学校での勉強が出来る出来ないは、本人内部の能力というよりも、先生との
相性(関係)が大きな影響を及ぼしていることは誰でも認めるところでしょう。
そういう観点で、吉村がまとめた結果とは、大学生は、教員、先輩、後輩、同期と
いった他者からどういった役割期待を担っているのかを示すデータでもあると
感じた次第です。
興味深いですね。
成長へと促していく要因はひとつでありません。
その要因をひとつづつきちんと明らかにし、そのことを踏まえてそれらを総合的に
意図的に調合した環境をデザインすることがバランスの良い成長へと大学生を
促すことに繋がるはずです。
吉村の今後の研究に期待していきたいと思います。
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