2023年3月2日木曜日

DXはどういったところに影響するか

昨日に比べると気温が下がり寒かったですが、雨上がりの澄んだ快晴の空は大変気持ちのよいものでした。

そんな中、ひとり黙々と研究室で作業しておりました。随分と捗りました。
DXなるものが進行し、作業の多くを机の上でぱっぱっと済ませることができるようになったおかげなのかもしれません。

今日やっていた作業を昭和の時代にタイムスリップさせると、紙の上に手書きで清書し、それを封筒に入れて、糊を使って封をし、そしてその封筒は郵便ポストまで走って持っていくということをやっていたはずですが、そうした作業が一切なくなりました。

封筒を使う機会が激減。糊と鋏を使うことも激減しました。郵便ポストに走る機会も激減。

ついでながら・・・
今日は会議はありませんでしたが、今では自分の机の上で会議に参加出来ることも増えたので、別の建物まで散歩(移動)することも激減しました。意識しないと歩くことが減ってしまっています。
そのため私は、万歩計をチェックしつつ、一定程度の歩数を維持するよう、通勤はわざわざ遠回りして歩くとか、なんとも無駄なことをやっております。
ちなみに、2017年8月から計測を開始して5年半ほどとなりますが、日本の海岸線1万9千kmの半分を踏破しました。(もし生きていれば)後5年ほどで日本の海岸線を一回りする予定です。


話を戻します。

コンピュータ化の名で、検索が机の上でできるようになった結果、図書館にいくことがほぼなくなりました。昔だと、欲しい文献は、文献のタイトルが掲載されている紙媒体の冊子をじっくり眺め、必要なものがあれば図書館に複写依頼をするという流れでした。それらのほぼすべての工程で図書館での作業が不可欠でした。今はもうその工程がほぼ全てなくなりました。ネット検索とpdfのダウンロードがそれらを代替してくれており、ネット検索で出てこないものはもうこの世に存在しないのと同じような状況になっています。

ここ最近だと、世間を大いに賑わせいるChatGPTのようなAIを比較的容易に利用できるようになったので、これまで何度も検索していた作業が非常に楽になりました。検索そのものをAIに肩代わりさせることができるようになりましたので。

一昔前、レコードが登場したとき(明治期?)、学校の先生は不要になるのではないかという議論がありました(寺田寅彦がそんなことを書いていました)。またCDが登場した時、動画をコンピュータで視聴できるようになった時も似たような議論が起きました。

しかし、幸か不幸か、学校の先生という職業がなくなることはありませんでした。将来もそうかどうかは自信ありませんが、恐らく先生という職業がなくなることはなく、なくなる(変化する)のは、その職業を進めるのに必要であった事務処理といった「業務」です。

昔懐かしい、コピー取りという業務も消滅しました。特定の業務はコンピュータ化(DX)でなくなっていくでしょう。
DXというデジタル技術による変革は、日々の仕事の中の細かい部分(会議のため移動していたコストとか、はさみで切って糊付けしていた作業等々)を消滅させていくようです。

※ところで、ChatGPTなどの台頭で、(ガリラボ通信のような)ブログを直接閲覧する人たちは激減していくのかもしれません。直接的には多分そうなるでしょう。ただ、ブログはAIの学習リソースにはなるでしょうから、その意味では次の世代のため間接的には役立つことになるはずです(と思いたい)。今後、個人で情報発信している人たちへの影響は大きそうです。


DXは質的に新しい動きというよりも、昔からのコンピュータ化の延長線上にある動きと考えてよいだろうと思います。こうした過程で、仕事に関わる業務がどんどんと効率化されていきました。こうして、私たちの仕事の質はさらに強く問われていく時代になっていくことになるでしょう。
創造力の勝負になっていく可能性もあり、創造力は今まで以上に問われていくのではないかと思います。デジタル人材とは、実は、こうした人材なのかもしれません。


(検索をしたところ)4年ほど前にも、こうした変化について考えていたようです。
パソコン視点での昭和と令和の大学生比較とかガリラボ通信2019/6/22


DXやAIといった現在の流行(熱狂)からは一定程度距離を置いてその意味を考えることも必要でしょう。単純な熱狂は思考を停止させてしまう危険性がありますから。
熱狂しつつも、冷静にガリラボ通信2015/3/22


熱狂から距離を置いたいてやるべきひとつの方法は、歴史を学ぶことかもしれません。今、流行していることが、今後どういった影響を生み出すのか具体的なことはわからないまでも、歴史を学ぶことで、おおまなか方向性ぐらいは理解できるのではないかと思います。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
ガリラボ通信2015/6/11