2023年1月19日木曜日

ある女性数学者の記事

昨日の賑わいから打って変わり、非常に静かなガリラボです。

一人黙々と作業していたら、SNS上に「専業主婦になる覚悟がなかった」という記事が流れてきて、ついクリック。

https://dot.asahi.com/dot/2023011100066.html?page=1

東大名誉教授の数学者石井志保子さんについてのインタビュー記事でした。

主婦となり、その後、お子さんを生み、そしてご主人は途中から政治家(県知事)となるという状況の中で、数学という非常に集中力の必要なところで仕事をしてかなり優れた成果を出しておられ、驚きました。
子育てしつつ、そして政治家の妻という立場も無視できなかったでしょうから、それで数学の道で最高レベルにまで行かれていて、記事を読みながら、人間にそんなことができるのだろうと思ったほどです。

専業主婦になるにも確かにそれなりの覚悟が必要だとは思いますが、ただ数学の道で成果を出すのはそれ以上に覚悟が必要だと思います。
世の中にはほんとすごい人がいるものだと思います。

ところで、石井さんが研究されていたのは特異点だそうです。特異点というのは研究者にとっては非常に魅力的な対象です。私も、むかーーーし、数値解析の研究をやっていた頃、特異点には随分と苦しめられ、そのために魅力を感じたものです。
20代から30代の頃の愛読雑誌はなんと「数学セミナー(月刊誌)」でした。今の私を知る人からすると想像もできないでしょうけど、その頃の私の机の上にあるのはほとんど数学書ばかりでした。

つい先日(1月9日)亡くなった佐藤幹夫という数学者は、この特異点を上手に使って超関数についての理論を展開した方ですが、ほとんど理解できませんでしたが、基本の部分だけでも素晴らしいアイデアで、魅了された記憶あります。
ただし、魅力されただけで、モノにはできなかったですが・・・(orz)。今思うと、もっとのめり込むべきだったかなとも思いますが、どうにも私にはのめり込む力がそこまで強くなかったようです。

今でも興味はあり、超関数についてはある本は捨てずにおり、いつか読みたいと思っていますが、ただもう数学に戻ることはないでしょう。
別の興味を見つけてしまいましたので。
ただし、果たして、のめり込む力がまだあるかどうかが問題です。