2015年9月5日土曜日

就活が続いていますが、卒論も死に物狂いで。

今年は就職活動の解禁が3か月遅れ、3月開始でしたので、例年だとほぼ終息して
いるこの時期に、4年生はまだ多くが就職活動を行っています。
 
ところで、ガリラボでは3年生から非常に活発に動いていて、
  評価=実績/期待値
で、常に期待を上回る成果を期待し、そんな時にしょぼい結果をみると、
 まったく、おもしろくない。つまらない
と伝え、(やる気がありそうなゼミ生であれば)最初からやり直しを指示することが
多くあります。
4年生になると、活動が卒論になって、期待値のハードルはさらに上げております。

そういう状況で、今年から就活が遅れ、卒論と完全に重なってしまったのです。
昨年までのゼミ生と比べると、就活と重なり大変でしょう、きっと。
ただ、そう思う反面、講義がほとんどないわけで、きちん管理していれば、十分に
両立できるだろうとも本音では思っています。
だいたい、これぐらい両立できないで、社会で活躍できるとも思えませんので(もち
ろん、状況に応じてですけど)。
ガリラボのゼミ生には、卒業してからこそ活躍できる人材であってほしいと常々、
考えているところです。

なお、本日は久方ぶりに急ぎの仕事がなく、朝から情報収集に集中しており、その中
で、この通信でよく引用する中原さんのブログに目が留まりました(こちら)。

そこには、社会人になって<変われる>資質と、<変化しにくい>資質のことが
書いてありました。
仕事していく上で大事だけど、変化しにくい資質というのは、採用の際には非常に
重要で、企業でそれを育成しにくいわけですから、学生時代までにそれを身につけて
いる人を見極めておかないと活躍する人材を取れないことになります。

上記ブログには、社会人として必要な資質の分類として以下の項目が紹介されていました。
引用します。
--------------------------------------
■変わりやすいもの
 ・リスク志向性
 ・知識や技術
 ・教育の水準
 ・仕事経験
 ・自己に対する認識
 ・コミュニケーション
 ・第一印象
 ・顧客志向
 ・コーチング能力
 ・目標設定
 ・エンパワーメント
■変わることはかわるが、変わりにくいもの
 ・判断能力
 ・戦略的スキル
 ・ストレスマネジメント
 ・適応力
 ・傾聴
 ・チームプレー
 ・交渉スキル
 ・チームビルディング
 ・変革のリーダーシップ
 ・コンフリクトマネジメント
■変わりにくいもの
 ・知能
 ・創造性
 ・概念的能力
 ・部下の鼓舞
 ・エネルギー
 ・情熱
 ・野心
 ・粘り強さ
-------------------------------------

このリストから、中原さんも言及されていますが、コミュニケーション能力というのは
実は学生時代にあまり高くなくても問題ないと言えます。
この能力は、年齢と共に向上できるものであり(私が実際そうでした)、企業としても
あまりこの点を見ていない可能性もあります(良い企業ほど)。
もちろん、全くできないのは論外なので、ある程度はあることを想定してのことでしょうけど。
要するに、企業としては、採用した後、いくら教育してもなかなか変わらない資質に
焦点を当て、それを持ち合わせている人材を見抜くような採用活動をした方が高い
パフォーマンスを持つ人材を獲得できるはずで、実際にそうした視点で採用活動を
しているだろうと思います(もっとも、そうした教育ができる企業であるという限定
条件付きですが)
中原さんのブログには、人事をされている方の次の話も紹介されていました。
 ・「変わりにくいもの」は「ものごとを徹底する力」である、と考えておられ・・・
   だから採用の際には「これを見る」
 ・「採用後に何とかできるんで、うちでは、採用時には、コミュニケーション能力は
   見ません」
なかなか、考えさせられます。
私もそうしたことに薄々ですが気づいておりました(ホントです!笑)。
もっとも昔は、採用のためのスキルとしてのコミュニケーション能力などを
重視していて、ゼミ生にもその重要性を話していた時期がかなり昔はありました。
しかし、最近はそういった話をすることはあまりありません。

さらに、就活が重要であることは言うまでもないことですが、今はそれ以上に、
採用された後になって活躍し、そこで豊かな人生を送っていくことに関心が移って
きました(結果的にそういった人が内定も得やすいだろうとも思っています)。
ゼミ生、ひとり一人がそれぞれに固有の道があり、その道を自らの力で切り
開きながら(拡張による学習を自発的に行いながら)仕事をし、生活をしていく
わけで、そのことにきちんと向き合うならば、そのための資質を磨いていくことこそが
重要だろう、と。
普通の人たちであれば、そんなこと当たり前であり、とうの昔にわかっているレベルの
ことですが、キャリア教育に長く携ってきて、非常に遠回りをしてきましたが、普通の
人のレベルに、ようやくたどり着けた気がします。
(遠回りをしてきたので、その分、色々なものを見てきたので、それが分かっていた
普通の人が見ている景色とは随分と違った景色を見ているとは思いますが)
最近のゼミの活動や、さらには現在担当し、力を入れているもやいすとの授業でも
根底にはそうした思想があり、それが駆動力となって授業デザインしている気がします。

・・・・ 

夏休み中、土日を除くとほぼ毎日会っている4年(12)丸野から先日メールが届いて
いました。9月3日だったかな?
丸野は、ある企業の内定をあえて辞退し、背水の陣にして、第1志望の企業に挑み、
みごと内定を獲得しました。メールはその報告でした。
第1志望の会社の最終面接で、かなり厳しいやりとりがあって、うまく答えられず
どうも難しいかもしれませんと、私に話していたのですが、その報告を聞いて、
たぶん採用だろうと推測していました(ホントです笑)。
最後の最後、こいつを採用してわが企業は大丈夫だろうかと考えれば、当然ながら
厳しい問いになるのは当たり前です。
そのとき、企業側は、コミュニケーション能力とかそういうところを見ているわけ
でなく、上で示した変わりにくい資質である、本気度とか情熱とかそういったものを
見極めようとしていたのだろうと思います。
採用側が最終決断をする面接の時、当然ですが、上記変わらないものが勝負になる
ことは自明でしょう。

脱線してますが、要するに社会人になってからは厳しい、学生時代までに身に
つけるべき資質があるというのが、本日、書き留めておきたかった点です。
また、変わりにくい資質のリストを見て、気付くでしょうか。
その多くが、卒論でトレーニングできるものであることに。

そういうことも踏まえ、丸野へのメールの返信には、「これから、死に物狂いで卒論を
やりなさい」と書いておきました。(もちろん、それだけでなく、白亜祭も、全国公立
大学生大会など、任せていることすべてを死に物狂いでやるように、と伝えました。)
それに対し、丸野からは、
  卒論や全国公立大学学生大会、白亜祭など、後期からどころか夏休みのうちから
  とっても楽しそうなプログラムです。
  みんなの負担を少しでも減らすことができるように全力を尽くします。
  応援よろしくお願いいたします。
と返事がありました。「みんなの負担を減らす」というのがいいですね。

3年生までは断片的な活動が主でしたが、卒論という長時間かけて体系をまとめていく
活動を使って、それを死に物狂いでやっていく、そうした日々の行動の中でしか、変わり
にくい資質は向上していかないと思うからです。
働き始めた後に大事になっていく能力を学生時代は集中的にトレーニングしていきましょう。
ガリラボにおいては、私はそうした行動を積極的に応援しているつもりです。
ただし、ただ楽しいだけでやっている活動には、私には興味ありません。
なので、そうした活動の場合、ゼミ生の活動であっても私が積極的に応援することは
ないでしょう。
成長しようとしているときにだけ、応援の手を差し伸べる。
人の成長には他者が必要ですが、その他者は、成長しようとしている人に優先的に
手を差し伸べる(人が育つということガリラボ通信2012/11/4)のです。

 
時間が少しあったので、だらだらと思いついたことを、脈絡なく書いてきたら、
えらく長くなりました。
読みにくいでしょうね、きっと。

4年生は、死に物狂いで卒論のような知的営みを頑張り、変化しにくい資質を磨いて
いってほしい。3年生はその準備段階ですね。


余談
午後、久しぶりにオフとして、高森に田楽料理を食べに出かけました。
夏は火を使う食事は熱いですね。まったく経験学習できていませんでした。orz
(火を使うお店だということを知らずに出かけたのがいけなかったのでしょうけど)
予備調査が必要ですね、やっぱり。^^;




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