2019年1月13日日曜日

自治体は3.0へ。大学は今どのステージ?

いつも通り、ネットで情報を拾い読みしていたら、ダイヤモンドオンラインで
  市民と行政がともに汗をかかない自治体は崩壊する
という記事をみかけました。
著者は、あの生駒市長さんでした。以前のガリラボ通信で、
 「公務員面接を勝ち抜く力」という書籍(ガリラボ通信2018/10/28
として取り上げたことのある市長さんです。
この市長さんもよく目にしますが、生駒市自体がよく目にすることの多い自治体です。

さて、記事によれば、自治体は第3のステージ「自治体3.0」に進んでいかないといけないのだと主張されています。
自治体3.0とは、
市⺠を単なる「お客様」にせず、市⺠や事業者とともに汗をかきながら まちづくりを進めることができている街を「⾃治体3.0」と呼び、地⽅創⽣時代の⾃治体が⽬指す理想的な⽅向性と位置づけています

といった自治体だとのこと。
当然ではないかと思いますが、しかしそうなるのはそう簡単なものでありません。
 
ところで、「3.0」という言葉はここ数年で色々と聞くようになりました。
例えば、「Web3.0」とか、「マーケティング3.0」とかですね。
ちょうど10年前頃には、「2.0」という言葉をよく聞いていました。
卒論テーマで学生が「Web2.0」についてよく取り上げていましたから(いま、そのWeb2.0は日常に溶け込んでいます)。
また、20年前に多かった卒論テーマは電子マネーだった気がします(これも今は完全な日常ですね)
10年単位で何か大きく変化しているいうことでしょう。
生駒市長の書籍のタイトルに「10年で激変する」とありますが、まさにそうかなと思います。
 
時代に応じて何事も変化していってるということでしょう。
自治体3.0の詳細は生駒市長の記事をご覧ください。
生駒市長さんがまとまられていた自治体の各ステージについての表だけ紹介しておきます。


それにしても市役所や役場の窓口に来られる住民を職員が「お客様」と呼ぶようになったのはいつぐらいからなのでしょう。そう言えば、病院とかでも今は「患者様」と呼んでますね。
これを最初聞いたとき、違和感を覚えました。
こうした「言葉の変化」は、それぞれの職場が1.0から2.0時代へと変化していったことを示すひとつの証拠のようなものかもしれません。
記事の中で生駒市長は
  市民を『お客様』にしてしまう自治体に未来はない
と主張されています。
生駒市長の言う。
  市民を単なるお客様扱いせず、まちづくりに汗をかいてもらう
スタイルの自治体3.0が当たり前になっていくとき、職員は住民を何と呼ぶようになるのでしょう。
呼び方が(言葉)が定着していったとき、新しい3.0という新しいステージも定着をしていくのに違いありません。
3.0時代の自治体職員にはそれまではまったく異なる主体性そして自分事の感を持つ必要がありそうです。
自治体3.0の記事を読み、先日取ったアンケートで私が持った印象の意味がわかりました。
一部の職員さんですが、指揮棒紛失事件のキャンペーンについて評論家的に語っておられて、どこか他人事のような印象を受けたのです。
自治体2.0的にはセーフでも、それは自治体3.0的にはアウトなのかもしれません。

なお、私はこの記事を、「自治体」を「大学」に置き換えながら読んでいました。
今の大学はどのステージにあるのだろうか、と。
「学生様」と呼んでいる大学が果たしているあるのだろうか、とか。
さすがにはそんな呼び方をしているところはまだないとは思いますが、扱いがそうした状態になりつつある大学はあるのでは?
生駒市長が記事の中で、自治体2.0自体は
⾃治体2.0とは、⾃治体1.0に対する市⺠やメディアからの批判が集まる中、 「改⾰派」といわれる⾸⻑が登場し、⺠間企業のスピード感やコスト意識を持って、財政再 建・⾏政改⾰などに取り組む⾃治体です。⾸⻑のトップダウンの下、「市⺠はお客様」という 意識での接遇改善を進め、スピード感を持って市⺠ニーズに応え、⼀定の成果を出している

として一定の評価はされています。しかし、その弊害として
⾃治体2.0では、改⾰派⾸⻑のトップダウンが強く、⾸⻑や⾏政が何とかしてくれる という「お上に頼る」市⺠意識を助⻑してしまうことが最⼤の問題です。まちづくりは⾃分た ちでやった⽅が楽しい、より良い街にできる、ということに市⺠が気づく機会を⾏政が奪って しまうことになりかねません。

といったことを危惧されています。

大学がどのレベルにあるかは私にはよく理解できていませんが、「自治体2.0」を目指しているかの如く、全国的に、強いマネジメントをよしとする流れにあるのではないかと感じます。
大学は今「大学2.0」を洗練させ、完成させようとしているということでしょうか。
強いマネジメントは教職員に対し考える幅を狭くさせてしまう可能性もあり得るわけで・・・。
もっとも、学生の自主性だけに任せていた大学1.0の頃ではどうしようもありませんが、上記の意味で大学2.0というのもどうもなあ・・と感じるのは私だけでもないでしょう。
学生と教職員の関係が自治体3.0的なものへと発展していくことが大事なのかもしれません。
さらには4.0ですね(笑)。4.0がどんなものか全くイメージできませんけど。

ところで、私には、ガリラボは、3.0的に思えるのですが、どうでしょう。
私が強く指示して何かやっているわけではありません。
そして、私ももちろん汗を流しますが、学生たちがたくさん汗を流している。
全体として3.0的に動いているように思うのです。
ゼミのみんなはどう感じているかな?
 
 
  

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