2018年11月27日火曜日

よかボス企業(モデル)との初顔合わせ

熊本県が昨年ぐらいから「よかボス宣言」という取り組みを始めています。
ブライト企業とはちょっとニュアンスは違いますが、目的は同じ方向で、職場環境の改善を狙ったものです。
知事をはじめ県内の自治体首長、そして企業のトップが続々と宣言をしているようです。

この取り組みを紹介するため、学生目線でその企業を見たPVを作ろうと県が計画をされてようで、その計画の手伝いをしてほしいとの依頼がガリラボにありました。
昨年から話を聞いていて(聞かされていて?)徐々に取り込まれていたのですが、時期的に玉名市で5ヶ月ほど進めた指揮棒紛失事件が一区切りつく時期でもあったので引き受けることにしました。

モデルとなる「よかボス」を選び、そこがよかボス宣言することでどう変わったか等を学生たちが取材し映像化する取り組みです。
最終的には県全体へのお披露目の会で小山薫堂さんからコメントをもらうような予定になっているとか、いないとかで、その辺りがちょっと(かなり)気が重いのですけど。

モデルのボスとして白羽の矢が立ち、その重い役(熊本のモデルとなるわけですから)を引き受けられたのが熊本市南区にある天寿園の米満理事長さんです。
昨日、取り組みのキックオフとして天寿園に行ってきました。
ここで全ての関係者の初顔合わせとなりました。



以下、映像作りのこともあるので、メモがわりに詳しく書いてます。

ガリラボからは私と「よかボス」チームとして指名した精鋭(?)
 4年(15)八並、3年(16)小島、松寺
で出かけたのですが、玄関口に次のウェルカムボードがあって一同驚きました。
その後、園の説明を聞き、また園内を案内をしてもらう中で、見学客等が多数来られる施設らしく、こうした歓迎は日常茶飯事のようで、だから天寿園としてはごく普通のことだったようです(午前中は、人吉だったかなそこから団体での見学が来てたようでした)。


国内の色々な団体が見学に訪れるだけでなく、海外からの見学団もやってくるようです。
次の写真は、「国際交流」として国外から視察に来られた団体が紹介されているコーナーを撮ったものです。
会議室から出て、すぐの場所だったので、園内の案内で一番最初にここを見たのですが、もうこの瞬間にカルチャーショックでした。
(思わず、我が大学には見学者が来ることが果たしてどれぐらいあるだろうかなと比較にもならない比較をついしてしまいました)
米満理事長のお話によると、医療・看護が多くの国で整ってきたとき、その次に来るのが介護であり、それで見学者が来られるのではないかとおっしゃってました。
見学を続ける中でその意味はよーくわかるようになりました。私たちが考えている狭い意味の介護とは違うんですね、少なくとも天寿園では。


園内を1時間半ほど案内していただきました。時間の関係で一部しか回れませんでしたが、本当にここは老人ホームなのかと驚きの連続でした。
老人ホームというそれまでの私の中のイメージは完全に壊れました。

廊下の壁には昭和の時代がずらりと描かれていて、それはそれは見事で、私も学生もそして県の担当者も絶句でした。赤いサンタの帽子をかぶっておられるので米満理事長さんです。

どれぐらいの長さの絵巻物だったでしょう、とにかく圧倒されるほどの量の壁画でした。
ほぼ全て昭和を描いたもの。ある方が毎日描き続け、1年半以上かかったそうです。
昭和である理由は、入居されている方々の会話を引き出すためだとお話しされていました。
理事長のお話はどれもが納得いくもので、介護ではなく全てはこの施設を総合支援事業として機能させるためのもののようでした。


ここは鯨の部屋。談話室です。鯨がいっぱい飾ってありました。


天寿園のキャラクターは鯨だそうです。どうして鯨かというと、この施設の立つ天明という地域は昔は鯨が取れてそれで生計を立てていたそうで、天明という地域を大事にしていきたいという意味を込めて、それで鯨をこの施設のキャラクターとされてのだそうです。
実際、この施設には「地域課」というのが事務局があって、地域の人たちの手助けを色々とここでやっているようですし、地域の方々は天寿園の施設を自由に利用されているようです。
隣の小学校がありますが、そこの子どもたちも学校帰りにここに立ち寄り、施設内の「おもちゃ図書館」で遊んでいくこともよくあるということでした。
地域への開かれた方が見事で、地域と共存している施設であることを強く感じました。

理事長さんは、前は法人の病院事務局に勤務されていて、ここ天寿園に転勤になったときは(大げさかもしれませんが)泣いたとおっしゃってました。
なんで老人ホームにということだったのでしょうか。
それを機に色々な本を読み、徐々に考えが変わったとおっしゃいました。ここに来て、入居者から本当に色々なことを教わり、その中でも
  特に市井の人から教わることが多く、人生を変える機会になった
と話されていました。
米満理事長さん(女性です)のお話のされ方、物腰、施設を案内されている時の職員さんとのやりとり、さらに職員さんを育成するために色々なことを考えられていて(例えば、「心が素直になる会」とかの企画・運営とか)、なんとも素晴らしい方にお会いできて、県からの依頼を引き受けて良かったと思いました。
素晴らしい人と話をさせていただく機会を得たことが良かった。
3人の学生たちも素晴らしい機会になるはず。
(遠い将来ですが)優れたモデルに間近に接することができるのですから。
余談ですが、理事長さん、熊本市現代美術館の評議員もされているようです。
だからでしょうか、園内は芸術の香りが充満してました。

施設を見学し、また歩きながら理事長のお話を1時間半ほど聞いていく中で、ここは
  創造力と工夫する力が活かせる職場
だと確信しました。クリエティブな人たちの力が活かせるところだと思います。

介護ではなく、総合的な人間支援事業に挑む施設の理事長さんとこれからしばらく付きあっていくことになります。
初顔合わせだし、1時間ぐらいかなと思っていたのですが、なんと3時間以上も滞在していました。
今後も非常にいい時間になりそうです。

帰りには全員に野菜のお土産も頂きました。
野菜(きゅうりとなす)を手に帰宅後、この日の感動を家内に熱く語ったのですが、家内が今度は私も一緒に連れて行けと話しておりました。^^;




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