2023年2月17日金曜日

H3ロケット試験機1号機/真のAIブーム?

三菱の国産ジェット旅客機MRJの初飛行は2015年11月11日のことでした。
私は、当時のライブ放送ツールUstreamでの放送をドキドキしながら見ていました。
フライト前、エンジニアが集まって円陣を組んでいる光景は今でも強く印象に残っています(ガリラボ通信2015/11/11)。
初飛行から7年半。このジェット旅客機は実用化に至らず、10日前の今月2月7日に開発中止の会見が開かれたのでした。ショッキングなニュースでした。

しかし、それから10日後の本日、H3ロケット初号機に打ち上げということで、国産ジェット機は失敗しましたが、新しい国産ロケットの誕生ということで期待が膨らみました。
本日午前10:37が打ち上げ予定時刻。
JAXAのライブ中継は9:45からでした。

種子島地方はよく晴れ、風は8m/sと、打ち上げ対し絶好のコンディションのようでした。

打ち上げ1分前。ライブ中継の視聴者は8万人を超えています。

カウントダウンがゼロとなる少し前にメインエンジンが点火したようでものすごい噴煙があがり、リフトオフとなる予定のカウントゼロになり、数秒後に噴煙が収まってしまいました。
何が起きているかまるでわからず、しばらく画面を凝視していました。
その後何も起きらず、ロケットの周囲は静かな状態になり、打ち上げがうまくいかなったことを理解しました。
補助エンジンが点火しなかったそうです。
爆発とかが起きず、幸いでした。
どういったシーケンスなのかよくわかりませんが、トラブルによりメインエンジンが自動停止したのだとするとフェイルセーフとしては見事なものです。
機体や衛星は無傷で残ったので、原因究明後に早い段階で再度打ち上げに挑戦できるのではないかと思いました。

ただ、MRJ改めスペースジェット失敗が直近のことだったので、やはりショックを覚えました。
試験機という段階なので当然失敗ということも多少は想定されてはいたんでしょうが、それもで、現場のみなさんのショックはかなりものでしょう。
ですが、ここからが本番。多くの人がさらに注視するでしょうから。持っている技術力のすべてを出して再挑戦してほしいと思いました。そして、無傷で残った機体を使って再挑戦し、「だいち3号」をみごと軌道に乗せてほしい。


H3ロケット試験機の状況を横目で見ながら、合間に、最近のチャットAIの動向について情報収集しておりました。
特にMicrosoftのBingに絡む動向をみて、Googleが非常に焦るのはわかります。
インターネットの黎明期。ブラウザはNetscapeが主流でした。シリコンバレーでNetscape社は輝いている企業でした。1994年に設立され、その後1998年に買収され姿を消しました。一世を風靡した企業ですが、今のゼミ生でこの会社のことを知っているゼミ生はいないのではないでしょうか。
Netscapeが姿を消すきっかけとなったのは、Windows95の登場でした。洗練されたこのOSは爆発的な人気となり、発売日には店頭は長蛇の列、花火まで打ちあがるほどでした。このOSに標準搭載されていたのがIE(インターネットエクスプローラー)。このときから、NetscapeはIEに駆逐されていったのでした。また、Windows95と一緒に発売されたOffice95は驚異的で、これにより日本でワープロの一太郎がシェアを激減させ、また表計算ソフトでは当時シェア1位だったLOTUS 1-2-3(県大でも初期の授業ではExcelでなく、LOTUSを使ってました)がExcelに駆逐されていくのでした。
この時の変革で重要だったのはOSのWindowsでした。ここ最近、特にChatGPTが登場していからの強烈なAIブーム(これまでも色々と言われてましたがその時はそこまでの価値を感じていませんでしたが、2023年になってから真のAIブームが到来した感じています)はWindows95の頃の熱いブームが蘇ります。今、Microsoftが仕掛けているのがBing+AIです(利用は現在登録制。私も登録しており現在順番待ち)。これがまた48時間で100万人が順番待ちになっているそうで、凄まじい人気です。
Googleが焦る気持ちもわかります。Nesscapeの二の舞は避けたいでしょう。

こうした動きをみていると、さまざまな変化が起きることは間違いなさそうです。
で、どういう動きが起きるのか。歴史に学ぶのが手っ取り早い気がします。
それか、ChatGPTに直接聞いてみるのが早いのかもしれませんけど。笑
いずれにせよ、Windows95の頃に起きたように(この頃、黒板を使わず、パワポで授業するのが普通になっている現在の状況を想像する教員は皆無だったと思います)、教育面での変革も起きるでしょうから、賢い人を揃えていて小回りの利く小さな大学ほど大きな転換を果たしていく可能性があるだろうと感じます。
鉄砲という武器が戦国時代の様相を一変させたように、AIというツールが時代に大きな動きを生み出していくことなるのかもしれません。
私は残り1年で現場から離れることになり傍観者となりますが、面白い時代がやってきそうです。