2019年5月3日金曜日

社会の変化~高校までの教育の見直しが始まる

今年は連休は長く、そして諸事情でどこに出かけることもなく、おかげで時間がたくさんあり、気づいたらこれまでに持ち越していた仕事のほとんどは片づいてしまいました。
なので、さらに時間ができ、その時間を使って色々と勉強をしていますが、その中で、4月17日に中央教育審議会に
  新しい時代の初等中等教育の在り方について
という諮問が行われていることを知りました。
概要版を読むと「Society5.0時代の到来を見据え」て、義務教育と高校教育の在り方を検討するよう審議会に求められているようです。

高校までの教育がトータルとして見直されることになります。
大学に入ってくる学生たちは、小中高を経て入学してくるわけですから、こうした改革にこれからの大学は当然ですが注目しておく必要があるでしょう。
諮問の中で特に文系・理系に分かれることの問題、大学との連携などが挙げられており、こうした問いについてどういった答えがでてくるのか注目されます。
初等中等教育が変わると、大学に入ってくる学生たちが変化することはもちろんですが、社会を構成していく人たちの質が随分と変わっていくだろうと思います。
そうすると、当然ですが、社会そのものが変化していくことになります。




これまでの人たち(旧人類?)は、そうした新しい考え方をする人たち(新人類?)と付き合っていくことになります。
そうすることで旧人類も変化をしていくことになる。
実践の共同体理論によれば、古さは、新しさからの影響を受けて、別の古さに変質していきます。
そうした化学反応がいい感じで起きていくと、刺激的な社会になっていくことでしょう。
古さは、新しさを拒絶するのでなく、積極的にそれを自分の中に取り込み化学反応を起こさせていかないといけません。

さて、本日ようやく、世界的ベストセラーになった「ホモ・デウス(上下)」を読み終えました。
壮大な歴史の中で人間のあり方の変化が描かれ、現代に起きていること、未来の”可能性”について議論されている本です。
世の中が、収集されたデータを基礎にしてアルゴリムによって駆動されるようになる今後の社会、これによって何が起きているのか、またどういった影響が社会に生まれる可能性があるのか、そういったことを知るのに、そしてまた考えるのに良い本だと思います。

日本では昨年6月に「未来投資戦略2018」が発表されましたが、その戦略のサブタイトルは
 「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革
でした。まるで、ホモ・デウスでの議論が前提になっているかのようです。
今後は各省庁がこの方向で動いていくはずなので、日本の姿は徐々に変化していくことになりそうです。
上の中央教育審議会への諮問などもそうした動きのひとつではないかと思います。

日本だけでなく、ホモ・デウスで描かれていることは世界中のあちこちで行われているのではないかと思います。
新たな変革が始まっている現代。
次は未来投資戦略(案)の一部です。変革の共通インフラとしての人材育成に焦点が当てられていることがわかります。


大学も、そして大学生も、これまで同じような形でいることはあり得ないでしょう。
あちこちで、そのための取り組みが始まろうとしていて、それについてのアンテナを張っておく必要がありそうです。
 


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