2018年10月10日水曜日

就活ルール:65年間継続したルールの消滅(崩壊?)

本日の朝刊の1面トップはどの新聞も経団連の「就活ルール」廃止のこと
だったのではないでしょうか。
経団連の会長さんが前からほのめかしておられたので、ひっくり返るほど
驚くまでには至りませんでした。
会長さんもそういう衝撃が起きないように、これまでちょこちょこと手の内を
明かしてこられたのかもしれません。



最近は毎年のようにこのルールは変わり、それで周囲(企業・大学、そしてそれに
関連した方々とか)は対応に追われました。
最近のルール変更は、大学生の勉強機会の確保のためという理由で政府から経団連に
申し入れがあり、そういった経緯があったように思います。
(どこかそれがうまくいったのかどこか検証をしているのでしょうか?)

今回のルール変更・・ではなく廃止は、そうした大学生の学習という問題とは
関係ないところにあるようです。
新聞記事を斜め読みしただけですが、大学への影響の中に「大学生の勉強時間確保」と
いう文言はなかったように思います。
1953年から65年ほど継続してきたルールが廃止ということは、この60年で産業界は
ずいぶんと変化が起きているということでしょう。
まあ、そんことは言わずもがなことです。

就職協定があるときも守らない企業は守らず採用活動をやっていました。
経団連のルールだし、紳士協定だから罰則があるわけではないですから。
中小企業などそのころから通年採用でした。
だけど、昔はそうしたルール破りは、そこまで問題になって(して)なかった。

これに関し、ちきりんさんという方が興味深いツイートをされていました。

  30年前なら他社がいくら内定を早く出しても、学生は後から内定を
  出す経団連企業を選んでた。問題の本質は経団連企業の凋落

なるほど、30年前といえば私などその時期に該当する世代ですが、確かに
そのころはそうだったですね。
現在、野心的・挑戦的な学生たちにとって経団連企業はどの程度魅力的に映って
いるのでしょうか? 聞いてみたいものです。

今回のルール廃止は、65年間もの間、私が生きてきた以上に長い間継続してきた
日本のカタチが変わるわけで、本日、2018年10月10日に新聞で一斉に報じられた
この出来事は将来歴史の中に刻まれているのかもしれません。
例えば、企業や大学の歴史的転換点となった記念日として。

ルール廃止が決まった以上、今の大学2年生から就活の様子は激変することになります。
(といっても、もうすでに変わっていますけれど。インターンシップのという名の採用
活動が激増していますから。再来年になると、こうしたインターンシップはインターン
シップと呼ばれなくなるのでしょう、おそらく)

今後、政府主導でルールを決めていくということですが、企業に対してどの程度拘束力を
持つものになるのでしょう。
民間企業が採用に関して政府のルールを守ることはないでしょう。
随時採用を行っている今の中小企業のように。
ほとんどの企業が採用活動を随時行うことになれば、学生たちには当然ながらそれに
追従した動きをしていくことでしょう。
新たなルールとやらが法的拘束力がなければそうなることは目に見えてます。
仮に法的拘束力のようなものができたとしたら、それはそれで大変です。
企業は外国人の採用を加速させる方向に動くかもしれません。
それと、随時採用が始まると、これまで4月に採用し、それから一括して新入社員を
研修で教育していたことができなくなるので、そうなったときに企業が採用する人材は
今とは変わるのかもしれません。

大学から見たら産業界は大口の顧客。
その顧客の様子が大きく変わっていってるわけですから、大学も随分と変化を余儀
なくされるでしょう。
朝刊を見て、大学は今後、そうした荒波に翻弄されていくことになりそうだなと、
以上のことをぼんやりと考えてしまいました。
大学が体質を変えないといけない事態になっていくとかなり難儀なことになりそうです。
  
・・・とまあ他人事のよう妄想をしていたら時計ですぐに現実に戻されました。
論文の締め切りがもうすぐなのです。
現実に戻り、それから執筆に没頭。
論文の予定があったので「ガリラボはよろしく」と昨日の時点で4年(15)八並に
連絡しておりました。
すぐにOKの返事をもらいました。
おかげで、今日は論文だけに集中でき、なんとか最後まで書き終えることができました。

次は来週に迫った玉名高校での出張講義の準備。
高校の先生とやりとりをするなかで「タマにゃん指揮棒事件」のことが気になっていますとのこと。
このキャンペーンのことをしっかりと授業でも伝えてきたいと思います。

 

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