2017年3月8日水曜日

もやいすと育成プログラムの大学における意味付け

昨日ようやく出来上がったパワポで、本日、午前中に学内の先生方向けに「もやい
すと」育成プログラムでどういったことを実践しているのかを説明しました。
ただ、事前に指定されていた50分の時間を超過し、60分ほど話した上に、ビデオの
調整をしてなかったので動画を流させなかったりと準備の悪さを露呈してしまいました
が(結果的に動画を流さなくて正解でした。もっと時間を超過するところでした)。


(以下、ガリラボとは直接関係なく、ガリラボ通信としては相応しくないかも
 しれませんが、ご容赦を)
 
250人とか、500人といった大人数の学生たちにアクティブラーニングを実現
するために、学習論や組織論の知見を利用して行ってきた私たちの授業デザインの
工夫を紹介しました。
こうした授業で一定の能力向上を促すことは定量調査で明らかにしてきていて、
それについては期待通りのことで驚くものではありませんでした。
驚いたのが追跡調査の結果でした。
2014年の授業を受講した学生たちに対し、追跡調査を行ったのです。
もやいすとの授業がどういった変化を学生たちにもたらすのかを明らかにするため
でした。
今年度の秋(2016年11月)、受講した2年後に行った調査で、定量的にいくつかの
知見も得ましたが、その中の自由意見が注目すべきものでした。
2年経った後の調査で、「受講後の学生生活の変化」を聞いてみたのです。任意回答の
自由意見であったのにも関わらず、受講したほとんどの学生が意見が書いてくれ、
「他学部の学生とのつながりできたこと」を挙げている学生がたくさんいたのです。


他学部の学生たちとグループを組んでやってきたことだから、そうなるのは
当たり前ではないかと思われるかもしれませんが、しかしそれだけの見方では
単純でしょう。このことの意味は、大変大きいと私は思いました。
このたくさんの学生が2年後に書いた自由意見の意味は、もやいすと育成プロ
グラムとは、色々な専門の色に染まっていく全学の学生たちを結びつける「弱い
紐帯」の役割を担っているということではないかと思うのです。


本学は非常にたくさんの卒業生を熊本県内に送り出します。全国の公立大学の
中でも特徴的なぐらいに地産地消をしている大学かと思います。
その大学で、その色々な専門を持つ人たちを弱い紐帯によってつながる状況を
もやいすと育成プログラムがつくだしているのわけです。
弱い紐帯は、社会学で発見されたもので、人々のつながりを考える上で非常に重要な
ものです。弱い紐帯は、スモールワールドを作り出すのです。
すなわち、もやいすとは、スモールワールド化した地域社会において散らばっている
異なる分野・領域で働く多様な卒業生に共通言語を与え、それらをつなげていくプラッ
トフォームの役割を果たすのではないかと思うわけです。
この意味で、大学の10年、20年先を見据えた非常に大事な戦略プログラムではない
と思うわけです。
大学のというより、これはひいては、熊本県にとっては非常に重要な意味を持ち始める
のではないかとも思うわけです。
(県内の地方銀行には、毎年2桁の数の卒業生は送り出し、現在はかなりの人数になって定期的に集まっ
ているらしいのですが、これらがもやいすとの手法でつながっていくと大きな力になる可能性もでてくる
ように思います)


そんなことを思いながら、次の「結論」の内容で、今やっている1年生必修の
もやいすと育成プログラムを捉えてはどうだろうかというのが、今日の話の
ポイントでした。
まだ思い付きの段階なので洗練したものではありませんが、このアイデアを
出発点にして考えを深め、きちんと理論化していけるといいな、という地点に
達することができました。それは今回のFDの準備をしたおかげでした。
これまでの実践の整理と振り返りのための良い時間となりました。




ガリラボの話題に戻ります。

今日の仕事で、とりあえず差し迫ったものはほぼ終わったので、夕方からは腰を
据えてM1(16)大野と山口と共に、エスノメソドロジーの勉強会を行いました。
今日は3時間のゼミ。いつも通り、あちこちに脱線をしながらでしたが、濃厚な
時間を過ごせたように思います。
知的な深い議論(熟議)を行っていくのは非常に楽しい限りです。

その横で、3人が並んで黙々と作業をしているようでした。
手前は4年(13)塚田。久々の大学。もちろん、遅れに遅れている卒業文集に取り
組んでおります(間に合うのでしょうか・・不安)。
奥の2人は3年(14)児玉と秋山。秘密の作業をしているということでした。
塚田にはもちろん隠していましたが、秘密なので、私にも教えてくれませんでした。
何をやっているのでしょう。笑


今日のお土産
最近、毎日お土産が届きますが、左は3年(14)岩崎の東京土産、右は4年(13)塚田の
大阪土産です。春休み、みんなあちこちに行ってます。




0 件のコメント:

コメントを投稿