2019年10月20日日曜日

日本の現在の立ち位置を巡る話題

元伊藤忠商事会長の丹羽さんの本を読んでいましたら、今の自分たちを理解する意味で、世界の中での日本に順位データが記載されていました。例えば、以下のようなデータです。
・人口→10位
・国土面積→61位
・一人当たりの名目GDP→20位(2000年は世界2位)
・食料自給率→39%(先進国で最低)
・エネルギー自給率→8%
・国の借金のGDP比→212%(世界最悪レベル)
・国際競争力→9位(2017年)

1980年代頃の日本の隆盛を知っている人たちからすると驚愕するような数値が並んでいます。
競争力については、別のデータのようですが、
・国際競争力→30位(2019年)
という結果もあって、これは次の記事で
紹介されていました。この記事によれば、日本の競争力のランキング推移は次のようになっています。

20世紀の終わり頃に急落していて、そこから上がり下がりを伴いながら、順次低下しているように見えます。
日本が下がったのか、それでも他の国が上がってきているのか不明ですが、こうした変化には何らかの原因があるんでしょう。

そのひとつの要因として教育が挙げてあり、どうも普通の人の教育を失敗しているのではないかというのです。
天才的な人材が必要なことは当然でしょう。知識基盤社会であれば当然ながらそうでしょう。
しかし、だからといって、日本人のボリュームゾーンを形成する層に対する教育が劣化してしまうと悲惨な状況を招く可能性もあります。

記事によれば、今、東京では大人塾というのがあり、そこで次のような問題に挑戦している人たちがいるのだとか。

小学生の問題です。
夜間中学での問題かと思ったら、そうではなく、通常の社会人が通っているらしい塾での問題だそうです。
実際に仕事をされている方々であるようです。
また、驚くべきことに、大手銀行で、新入社員200人に消費税の計算をさせたところ半分ぐらいができなかったとか。
銀行幹部からしたら笑えない状況かと思います。
昨年まで、データ分析という授業を担当していて、その冒頭、絶対参照の復習の意味で、Excelで消費税込みの価格を計算させたことがありますが、参照以前に、確かに消費税計算が怪しい学生がいたように思います。

そうした現実に前にすると、今のままではまずいのではないかと思うのですが、どうにも、意識改革はかなり難しいものです。
今でも、過去を生きる状態にあることを感じることがあります。

上記記事の最後は、
「普通の人材になるための基本スキル」を国民に身に付けさせるはずの日本型教育の劣化があるのはおそらく間違いない。「社会に出てから引き算を習う大人たち」は、その兆候の1つでしかない。

とありました。
日本型教育の劣化!とあります。
今何が起きているのか、きちんと調査して分析をして立ち位置を理解し、その上で次のステップを考えるべきでしょうが、なぜか感覚的に考えることが多い気がします。
ユニバーサル化した大学は、日本のボリュームゾーンを受け入れている機関でもあります。
昔、隆盛を誇っていた日本を知っていて、それを享受してきた人たち(私など)の意識は変わっていきべきでしょうけど。




0 件のコメント:

コメントを投稿