卒業生2名((11)藤本、(16)岡林)がコメントをくれていました。どうもありがとう。
小さなコミュニケーションデザインでしたが、コメントが届いているのを見たとき、双方向のコミュニケーションができて大変嬉しいものでした。
在学生からは(17)松原でした。どうもありがとう。
さて、匿名さんも含め11名の方の回答をグラフにしたのが次図です。
結果は「両方が同じ」が圧倒的でした。
多数決でいくならば、もう決まりですね。
両方同じは正しいのでしょうか?
どうすれば答えがわかるのでしょう。
簡単なのは実際に行動してみること。
頭だけでなく、手を動かしてみることです。
頭は動かしたでしょうが、手を動かした人は皆無だったのでは?
答えを知るために手を動かしてみました(いわゆる実験というやつです)。
オンライン授業が始まり、オンデマンドでの映像づくりに慣れてきたので、検証実験を映像で記録したのでご覧ください。
といういうことで、多数決は間違っていることがわかりました。
さて、今回出したクイズの意図は、長さを比べることでは実はありませんでした。
さらに、心理学の実験として、人間の錯覚を理解してもらうことでもありませんでした。
実は、成功体験は、自分の判断を誤らせる可能性があるのだということを理解するための実験でした。
「同じ長さ」だと回答した人は、実は、この問題を前に見たことがあり、人間の目の錯覚というものを経験しているのではないでしょうか。
有名なクイズなので、おそらく多くの人が経験しているだろうと思って、実はこのクイズは出してみました。
そして意地悪なことに、下の棒をわざとすこし長くしてですけど。^^
私の家内にもこのクイズを出してみました。家内の答えはもちろん「両方同じ」でした。上のことを説明したあと家内曰く「どうしてそんな意地悪ことを考えられるの!」とあきれてました。笑
今回の実験は、クイズを経験し、人間の錯覚現象というものを理解した人たちは、同じ(ような)問題をみて、無自覚に前の経験を当てはめてしまうのですね。
錯覚同様にそれが人間の心理なのでしょうが、意外にそうした行動は大人が陥りやすいのだとか。
もし横棒が紙にでも書いてあれば、子どもたちなどはまず行動に移すことが多いようです。定規をあてるとか、線をひくとか、紙を曲げてみるとか、そうした実験によって確認する行動を取ることがあるのだとか。
さて、今回のクイズでそうした「行動」をとった人がどれぐらいいるものでしょう。
もちろん、重要な決定の場合であれば、安易な判断はしないでしょうから、測定することを考えるだろうと思いますので、今回みたいな判断ミスは激減するでしょう。
このクイズが伝える重要な教訓は、人は前の体験を当てはめがちだとういうこと。そして、それは行動する(という厄介な)ことを回避しようとしているからだと考えられます。
このクイズは実は8年ほど前のガリラボ通信に掲載したものです(ガリラボ通信2012/1/15)。
8年間の通信にふと目の留まり、改めて紹介したくなって今回、通信の再利用をしてみました。
ただ、ひょっとして8年前の通信を見ている人がいるかなと、少し期待をしていましたが、それはどうもなかったようです(残念)。
8年前の通信の中に、
人と言うのは、こんな感じで、机上の空論的な行為をすることが意外に多いのです。
実験と言う作業を避ける傾向にあります。
理由はたぶん簡単です。
実験と言うのは行動です。
行動する、一歩踏み出すと言うのは意外に人は億劫がるのです。
机上の空論が多くなるのは、この億劫さ、面倒くさがる人間の性質のようなものの
影響かと思います。
といったことを書いていました。行動を意外に億劫がるのは可能な限り避けた方がいい。フットワークは軽くが上のようなミスを回避するためにも必要になるでしょう。
それ以外にも大事なことを8年前の私が書ているので良かったら目を通してみてください。
横棒の長さ比較クイズの解答
http://garylabnews.blogspot.com/2012/01/blog-post_15.html
これを読み、思ったのが、8年後の今の私は、この時からあまり成長していないのだということでした。
まだ少しだけ先があるので、精進しなければと思います。
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