2020年1月4日土曜日

卒論に取り組む7つの意義

ただいま、卒論の添削をしています。
卒論について、立教大学の中原さんが、その意義を次の7つにまとめておられました。

1.学問の「入口」を垣間見ることができる
2.自ら課題を設定する経験をもつことができる
3.文章を書く能力を鍛えることができる
4.研究方法論を知的武器として携え、ロジックをつくる能力を鍛える経験をもつことができる
5.著作権や引用作法などのルールを知ることができる
6.持久力を鍛えることができる
7.大学生活で「記憶に残るもの」をもつことができる

まったくその通りだと思います。

大学に多額の寄付をしていただいたご高齢の卒業生がおられます。
それまでは見ず知らずの方でしたが、大阪で開催された大学の同窓会にゲストとして参加させてもらった際、私の母と同じ年齢であったこと、さらに私のテニスの師匠(文学部の名誉教授)と高校時代同級生だったことなどで話が合い、しばしプライベートなやりとりもさせてもらっていました。
その方と話をしていて、どうして大学に多額の寄付をされたのか聞いたことがあります。
そうしたら、大学の時、特に卒論で厳しい指導を受けた、その時の大変さが社会人になって自分の新しい道を切り拓く決定的な力になったとのことでした。
社会人になって、結婚をされてから、学部の時とは全く異なる道を目指し、そのための資格取得の際に、卒論に取り組んだときの経験が生きたということでした。
その道で一定の成果を上げられてから、その恩返しの意味での寄付だったそうです。

苦労したことは、長い人生において、どこでどう花開くのか、わからないものです。

長丁場で非常に大変な作業ですが、その大変さに精いっぱい向き合い、優れた卒業論文を仕上げるという体験をしていってほしいと思っています。
これは学生の時でないとなかなか体験できないことではないでしょうか。
もっとも学生っぽいことであろうと思います。
 
7つの意義について、詳しくは次のブログにあります。ゼミ生には一読してほしい。
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/10989



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