2020年2月16日日曜日

ガクチカの変化

タイトルの「ガクチカ」って聞いたことがありますか?

学生時代に力を入れたことは?という問いを表す言葉のようです。
就職面接の場で聞かれることの多い問いかと思います。

さて、みなさんのガクチカは?
年代によって、また学生時代に何を志向していたか等で、随分と異なる答えが返ってきそうです。
近年では、大学でのことよりも「スターバックスでバイトしていた」と答える学生が増えているという話もあります。
真偽のほどは分かりませんが、とにかく大学というキャンパス内ということではなくて、大学生という身分を持っている時に何をやったのかが問われているようです。

採用形態も変わってきています。
ナビを使って希望する就職を探すという方式から、自分の経歴を提示して企業側が欲しい人を探すスカウト方式に徐々に変わってきているという話もあります。
リクナビが登場したのが1996年頃のようです。
ちょうど熊本女子大学から熊本県立大学に変わったころです。
その後、このナビは全盛期を迎え、就活のやり方を変えていくわけです。
時代が同じなので県立大学の歴史と重なってしまいます。

20年が経過して、リクナビ形式のやり方が疲弊し、現代は情報の提示の仕方が逆になってきているようです。
以前は、リクルートやマイナビが、企業を営業して回って、企業の情報をサイトのアップしてそれを学生が閲覧する方向だったのが逆になっている。
最近はリクルート等に代わる就職斡旋企業が、学生たちに営業して回って学生たちの情報をサイトのアップして、それを企業が閲覧する方向なってきているのだそうです。

日本全体で会社というのは100万以上あると思いますが、その極一部の1万以下の会社がリクナビ等に掲載され、それを学生たちは閲覧(あるいは検索を)していた。
それは、学生からみたらリクナビ等が全てですから、学生には日本には1万程度の会社しかない存在していない状況でした。
それが今度は逆になっている。
OfferBoxというサイトでは学生が20万人ほど登録しているそうです。
大学生は50万人x4学年=200万人ほどいるはずなのですが、企業からしたらこの一部の学生たちが学生の全てのように見えているのかもしれません。




私のゼミの卒業生も勤めている「エン・ジャパン」という会社のサービスへの学生の登録は5万人ほどだそうですが、その多くが偏差値上位大学で占められているとか。
なんと・・・。


今後、何かの条件が課され登録できる人に差がつくようになると、どういうことになっていくのでしょう。考えるとちょっと恐ろしい。
 
OfferBoxやirootsのようなサイトの誕生は、県立大学が誕生したころに産声を上げたリクナビのような就活スタイルが破壊され、動き方が従来と真逆になっていくということかと思います。
さらに就職協定も廃止されました。
就職協定の廃止、企業の採用形態の変化は、学生の就活を一新されることになり、今、その大きな変革の時期に入ったと考えては間違いなさそうです。

この変革に対応するため、大学とかは、何かしないといけないのでしょうが、どうせまた逆ブレするのだから、そのままにしておけばよいという考えもありえます。
ただ、そのままにしておくにしても、議論をした結果としてそうするべきでしょう。
何も考えないのが一番悪いはずです。

ガクチカという問いにどういった反応をする学生が多くなるとよいのか。
「スターバックスのバイト」がもしも横行するようだと大学は不要ということになります。
社会の動きが変化しているとき、やはり考えないといけないことだと思います。
ただ、その考えるためのデータを特に持ち合わせていません。
感覚的にはもちろんわかります。
社会の変化、そして学生の変化も。
そうした変化は、主観的にはなんとなくわかりますが(データを使わない評論家的なレベルであれば色々と主張できます。このガリラボ通信もそのひとつかもしれません)、客観的にどういったことが起きているのかをほとんど把握できていません。
論理的に明晰に考えることができても、前提が間違っているのであれば正しく間違った結果に辿り着きます。
そうした過ちは歴史上いくつもありました。

最近、主観頼りで、データに裏打ちされた深い議論をあまり聞かなくなっている気がしないでもありません。残念です。
 

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