(問)ある男がその息子を乗せて車で運転していた。すると、車はダンプカーと激突して大破した。
救急車で搬送中に、運転していた父親は死亡し、息子は意識不明の重体。
救急病院の手術室で、運び込まれてきた後者の顔を見た外科医は息を呑んで、つぎのような意味のことを口にした。
「自分はこの手術はできない、なぜならこの怪我人は自分の息子だから」
これはいったいどういうことか。
上記の問いは、読了した物語の関する新書「人はなぜ物語を求めるのか」からのものです。
わかりますでしょうか。
このクイズから、人は、その人に対し問いとして立ち現れることがない、その人にとって何の関係もない未知のことを自動的に当てはめ、そしてそうしたことに全く気付かずに物事を見ていることを実感しました。
人は自分が何を知らないかということを無自覚に生きているようです。
認知心理学的にはよく知られた事実なのでしょうが、ちょっとショックです。
また、自分の感情の赴くままに生きる人は「感情の奴隷」であり、何ら自由を持たない生き方をしているのだとのこと。よくわかりまし。お腹がすけばコンビニに向かい、時間ができると自動的にゲームか動画に向かい・・・というのはまったく自由な生活とは思えませんので。
今日は次の本を読了しました。デザイン思考という言葉はよく聞きますが「アート思考」というのは聞きなれない言葉です。中学・高校の美術の先生が書かれた本です。
冒頭、次のモネを絵を鑑賞してくださいというところから始まります。
https://bijutsutecho.com/artists/226
ある美術館で、4歳の子どもがこの絵をみて「かえるがいる」と言ったそうです。
さて、本当に蛙がいるでしょうか?
19世紀以前の絵とは写実的なものが中心でした。
その理由は●●や■■ということでした。
それが20世紀になって▲▲が出てきて、絵画の意味が問い直されることになり、それに挑戦したアーティストの考え方を実践を交えながら学んでいくのがこの本の特徴です。
▲▲とはアートの世界にそんな本質的な影響を与えることになったのかと思って、すごく刺激を受け、それからの類推で今起きているオンライン革命は教育に意味を問いなおすことになるのだろうと思い、その点でもかなりの刺激を受けました(その意味を深く理解していく大学が今後発展していくのだろうと思います)。
ともかく、20世紀のアートがどういうことをやってきたのかよく理解できました。
(●●、■■、▲▲の部分は実際に本で確かめてください)
同時に、アートは視覚偏重のものでないことも理解できました。
Artractには視覚障がい者向けに色々なことを考えてみようと話をしていました。
昨年からそのことを考えていた、ただ深く考えた上で話していたわけではありませんでした。
しかし、この本を読み、そうした行動は20世紀のアーティストが世界のリアルを表現しようと挑戦してきたひとつの方向だったことを知りました。
こんな美術の授業であれば、私などもずいぶんと喰いついて受講したのではないかと思いました。
文章は中学生向けに平易に書かれていて楽に読めます。
非常に知的な刺激を受けました。
なお、この本に出てくるアウトプット鑑賞は、Artractにはひとつのやり方として取り入れてもらいたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿