2017年6月27日火曜日

昨日のニュースで印象的だった「運と実力」

昨日、大いに賑わったニュースは、中学生プロ棋士・藤井4段の連勝記録更新の
話題ではなかったでしょうか。
今朝の新聞では1面トップ記事でした。
中学生にしてプロ棋士、そして連勝記録が歴代1位ということで、マスコミの
フィーバーぶりは凄かった。フィーバーは、次の写真で一目瞭然です。驚きます。
(出典)

歴代1位となった29連勝に対し、色々な方のコメントが出ていました(参照)。
その中で私が最も印象に残ったのが、それまで記録を持っていた神谷8段が、記録を
破られたことを受けての
  凡人がほぼ運だけで作った記録を天才が実力で抜いたというのは
  将棋界にとってとてもいいことだと思います。
というコメントでした。中学生棋士の29連勝そのことよりも強く心に残りました。
何かに秀でている人たちは、言葉の使い方が本当にうまい。
ご本人はご自分を「凡人」と話されていますが、とてもそうは思えないですね。
神谷8段のコメントを読み、素晴らしい方だと思いました。その神谷8段のコメントの
全文は以下の通りです。
  28という完全数はいちばん好きな数字ですので、それが一位でなくなる
  ことは個人的に少々さみしいのですが、凡人がほぼ運だけで作った記録を
  天才が実力で抜いたというのは将棋界にとってとてもいいことだと思いま
  す。藤井さんがこれからの数十年でどんな世界を見せてくれるのかファン
  の皆様とともに寿命の限り見続けていきたいです。
ほんと素晴らしい人だなと思います。
年齢を重ねてきて、ただ慌ただしく、平々凡々に過ごしてきているわけですが、私も
こういう境地に自分を高めたいと思いました。


今日は実は、気になって目が覚め、午前3時過ぎから14時のチームHope+との打ち
合わせまで、ある仕事にひたすら向き合っていました。
途中、やってくるメールへの返信を適宜やりながらでしたが、14時まではアポ不可に
していたのでその仕事に集中できて、お昼を過ぎた頃にはその仕事の方向性を定める
ことができました。
方向性が定まれば、後は隙間の時間でもなんとかやっていけます。

何か新しいことをやるときには、目の前に何らかの障壁が必ず現れます。
未知ゆえの障壁を乗り越えるのは、片手間な時間でクリアするのは無理。
自分の持つ全精力を注ぎ込む覚悟が必要となります。
しかし、先が見えない中で、全精力を注ぎ込むことは意外に難しいもの。

覚悟を持ってそうしたことに取り組もうという一種の勇気は、生まれつき持っている
ものではなく、トレーニングによって身につけていくもののようです。
私も、いつ頃からかはよく覚えていませんが、いつの頃からか曲がりなりにも、障壁を
乗り越えていくコツのようなものを身につけ、なんとか出来るようになりました(もち
ろん全くダメな時もありますが)。

繰り返しですが、目の前の障壁をクリアしていくという能力(問題解決力)は、先天的
なものでなく、訓練によって身につけていくもの。
そうした能力を持っていれば、社会人になって難しい仕事を担当するようになっても、
どうにかやり遂げていくことができるでしょう。
よくわかりませんが、今、壁にぶつかっている卒業生もいるかもしれません。
それは、将来、さらに高い壁に遭遇したときにそれを乗り越えるための訓練になって
いるはずです。未知の壁であっても、自分は「できる」と信じて必死で取り組み、
ただし、自分を壊さないギリギリのところでというのが条件になるけれど、その条件の
範囲で頑張っていくこと。

中学生棋士・藤井4段の強さの秘密の一つは、目の前の高い障壁を乗り越える、そう
した能力がずば抜けているのでしょう、おそらく。
 
そうした能力を身につけるためには、食事をすることも忘れるぐらいに何事かに打ち
込むことを繰り返すことです。
この部分が、ゼミ生を見ていると(平均的に)不足しているように感じています。
自分に少し甘いのかなかと。。。
「少し休んだら」と思わず声をかけるほどに必死で取り組んでくれると私も応援の
しがいがあるのであるけど。^^;

大学生というのは、そのための海を見る自由(←懐かしい)を持っています。
その自由を、そうした時間に使ってほしい。
特に4年生。中途半端は良くない。学生であることを最後に最大限に活用してほしいと
思っています(「今」を必死で頑張り、ここ県立大学に来て良かったと思って卒業して
いってほしい)。
  
以前、ガリラボでの講義(夜の哲学談義)で、ゼミ生によく話していたのが、
 妥協しない。
 120%の力を出してやる。
 ただ、やるのではなく、やりきる。
といったことでした。
だけでなく、実でも自分の未来を切り拓いていくための必要条件だと私は思うのです。



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