2020年3月1日日曜日

不屈の人々、再び

新型コロナウィルスが人類に襲いかかってきています。
パンデミックとしてよく知られるスペイン風から100年になるようです。
ゼミ生などよりは遥かに長く生きてるわけですが、こうした戦いを間近に感じるのは初めての経験です。

金曜日(2/28)のガリラボの公式LINEで、通信の発行状況に添えて次にメッセージを送りました。
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火曜日の専門家会議の「今後1、2週間が瀬戸際」との見解に緊張が走り、昨晩の全国一斉の小中高休校依頼と非常事態宣言に近い状況になっています。
4年前、深夜襲ったの地震から大学は1カ月近く休校。小中高も同様の状況に追い込まれました。
その時の相手は「地震」。今度は「ウィルス」です。戦い方が異なりますが同じ非常事態。
個々に色々な問題が降りかかっているかと思います。
しかし、東日本という未曽有の震災の時でさえ困難に立ち向かった「不屈の人々」なわけですから、知恵を絞りつつ困難に立ち向かいましょう。
そうした事態に対応するためにこそ頭と体とを鍛えてきたはず。
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日本だけでなく世界が、この見えない「ウィルス」との戦いに挑まねばならない状況は、まるでSF映画の設定のようですが、現実に起きていることです。
ウィルスとの戦いは、グローバル化した社会が引き起こしてしまうグローバルな戦いでもあります。
グローバル社会がどう戦っていくのか、関係者は必死の頭を体を使って作戦を展開しておられるのだと思います。
同時にまた、世界中のジャーナリストは、近年ではあまり経験したことないの世界的パンデミックについて、必至で取材し続けているのに違いありません。

関係者の必死の努力が実を結ぶためには個々人の行動が重要になりそうです。
この目に見えない相手への対応として、私たちひとりひとりができることは、実は簡単です(だと思っています)。
手洗いと咳エチケット
これを徹底することです。というか、個々人での対策は、究極的にはそれ以外にやるべきことはないのかもしれません。
私たちにできる対策として、NHKの特設サイトで、次のように解説されていました。
基本的な対策はインフルエンザなどと同じで、「手を洗うこと」と、「せきエチケット」です。
手洗いについては、せっけんを手首までしっかりとつけ、流水で少なくとも20秒間は洗うことが効果的だとされています。
指の間や爪の隙間までしっかりと洗います。頻繁に手洗いをしてください。
すぐに手が洗えない場合は、アルコール消毒薬で手をふくのも有効です。
この場合は、たっぷりとアルコール消毒薬を手につけ、ふき残しが無いように注意してください。
また、ウイルスは目や口、それに鼻などから入ってきます。手をきれいにするまでは顔を触らないようにしてください。
次にせきエチケットの徹底です。
せきエチケットとは、せきやくしゃみをする時には口を覆うことです。このとき、手のひらで口を覆うのではなく、ティッシュやひじを使って抑えることが重要です。
もし手のひらを使ってしまうと手にウイルスがついてしまい、ドアノブを触るなどして感染を広げてしまうおそれがあります。
また、正しくマスクをつけることもせきエチケットになります。
感染を広げない対策は、周囲の人を守るためだけではなく、流行が広がって医療機関が混乱してしまうのを避けるという意味で、自分自身を守ることにもつながります。
このほかの対策としては、人混みを避けること、せきやくしゃみをしている人からは1メートル以上距離をとること、持病があるなど感染症のリスクが高い人は念のためにマスクを正しくつけることなどがあります。
新型のウイルスに対しては、わかっていないことだけに目を向けるのではなく、わかっていることをしっかりと実践し、冷静に対応することが重要です。
(2020年2月12日時点)

小学生でも習う基本的なことばかりです。
ウィルスが付着した手で顔を触るから、目、鼻、口を通した感染経路が発生するわけで、それを遮断するためには手洗いは非常に重要な対策です。
これまでは市販の薬で治ることも多く、それがダメな時は病院に行けば治ってしまうので、こうした誰もが知っていることを、わかってはいるけれど行動として怠ってきたのではないでしょうか。
ウィルス自らが動き回って私たちを襲ってきているわけでありません。
私たち自らがウィルスの移動に手を貸していることを自覚しておくことが大事なのだと思います。
国内での感染が出始めてから、私は随分とハンドソープで手をこまめに洗うようになりました。ウィルスは石鹸でも洗い流せるということですから。
また外に出ているときはできるだけで手で顔を触らないよう意識するようにもなりました。

多く人がそうした基本的行動を徹底していくことが不屈の人としての重要な行動ではないかと思います。
東日本震災後の5月に「不屈の人々を見て」というガリラボ通信を書きました。
ガリラボ通信2011/5/8
そこで内田樹さんのブログを引用しています。そのブログは阪神淡路大震災の話題ですが、そこで描かれている不屈の人々とは、単純なことを徹底した人々でした。
東日本大震災の時も、人間にとってはどうしようもない自然災害である「地震」という圧倒的な脅威に対して、人々がやった行動はひとつひとつの課題にきちんと向き合うことでした。
震災という非常事においても、実は、やるべきことはある意味単純だったわけです。

もうひとつ思い出すのがーー話がかなり飛びますが--「アラブの春」です。
あの革命はひとつの熱狂が生み出したことでした。
そのことについての教訓がある新聞のコラムに掲載され、5年前のガリラボ通信で紹介しています。
熱狂しつつも、冷静に~アラブの春のその後からの教訓ガリラボ通信2015/3/22
新型コロナウィルスで列島全体が熱狂状態にある今、この通信の内容、そして特にこの通信で紹介したコラムに一度目を通しておいて自分の行動を見直しておく必要があるかと思います。
「熱狂しつつも、冷静に」・・・不屈の人であるには、極めて重要な態度でないかと思いますので。

余談ですが、3月6日から映画「Fukushima 50」が封切られるようです。
福島第一原発の事故が描かれているのだと思いますが、新型コロナウィルスに向き合っているちょうどこの時期に封切られるとは・・・。
偶然とは言え、驚かされます。

 
さて、話を戻しますすと、先日の熊日に冷静な態度についての具体例が江川紹子さんのコラムが掲載されていました。
これも興味深い内容です。ぜひ読んでほしいと思います。


冷静に状況を観察しておられ、すごいものだと思いました。
その冷静なコラムの最後は、次の文章で終わられています。

私たちが確実に実行できるウィルスとの戦いは、最後の段落にあることしかないわけで、この誰でもできることを徹底していくことが、この難局を乗りきるために必要なことだと思います。
そうした多くの不屈の人々がいて、東日本大震災も、そして私などにとっても非常に身近な熊本地震という難局も乗り切ってきました。

冷静になり、ウィルス感染はどうして起きるのかを理解し、ウィルスの行動パターン(=自分の感染リスク、そして他者に感染させるリスク)を知った上で、日々淡々と手洗い、咳エチケットに気を付け、可能限り平静に行動していくことが大事ではないかと思います。


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