もっとも専門演習は学生の方が主体なので、彼らに話してもらうことが多い授業です。
その締めくくりとして、本日は彼ら自身がこの2年半を振り返り、聞けそうで聞けなかったことを質問用紙として集め、それぞれがその質問に回答していくスタイルでした。
箱に入った質問用紙をひとり一枚づつ取り出し、そこにある質問に答えていきます。
楽しい時間となりました。
1時間ほどの質問コーナーの後、私からの最後の授業を行いました。
これまでの活動の意味であるとか、そういったことを話そうと思いましたが、
結局は、学校という人生2番目のステージを終えようとしている彼らに、
それぞれのステージの意味を伝えました。
保護者にすべてを預け1日の大半を過ごす幼児期の家庭というステージから
小学校に入ってから1日の大半を学校で過ごすことになります。
これまで学校という人生で2番目の大きなステージを過ごしてきたわけで、もう
すぐしたらそれが3番目のステージに移行します。
しばらくすると1日の大半を職場で仕事をするようになり、会社(仕事場ということ意味です)と
いうステージにこれから数十年間を身を預けることになります。
第1から第2のステージに移った時、保護者も自分も大きな価値の転換を迫られたはずです。
友だちできるかな、とか、勉強できるかな、とかですね。
もうずいぶん昔のことで記憶には残っていないでしょうが、生活のパターンを変えるわけで、大きな転換であったはずです。
友だちできるかなとか、勉強大丈夫かなとの不安は、学校というステージの持つ特徴から来るものです。
学校システムというのは社会移動を生みだすための社会装置であり、その効率を上げるために同じ年齢の人たちを教育していく。
そういったシステムです。
そのシステムが先の不安を生みだしているのでしょう。
大学を卒業すれば、この学校というステージを出なければなりません。
学校とは、恐ろしくヨコの関係を意識的にさせるシステムです。
ところが会社は明らかにタテの関係にあるシステムです。
この全く異なるシステムを移動する際には当然ながらある種の不安が生まれでしょう。
当然です。
そういったときにどういったことが必要になるかといったことをこの最後の授業では話しました。
社会で要求される能力は?と問いかけると、コミュニケーション力、協調性などが学生の口からはでていますが、それはヨコの関係のなかで実はある程度訓練されています。
実際にそれを持っているからこそ友だち関係を維持できている。
小学校に入るときの友だちできるかなといった不安を見事に払いのけ、コミュニケーション力、協調性を鍛えた結果、友だち関係を作り、それを維持してきたわけです。
余談ですが、現代のITの発達で今の学生たちは我々が学生のころに比べてるはるかに複雑なコミュニケーションと繊細な協調性を身につけていることがガリラボでの卒業研究や院の研究で分かっています。
意外でしょうが、事実そうなのです。
会社でもコミュニケーション力とか協調性とかはヨコの関係でのそれとは種類が違いますので、タテの関係内でのそれらの開発が必要となります。
が、それ以上に現在の学校というステージでは、学校が様変わりしてきた結果、あまり鍛えることができない状況になっているものがあります。
ちょっと考えればすぐにわかることですが、そういったことを含めた1時間ほどの講義でした。
都合で1名欠けていますが、最後に全員で記念撮影。
この後、全員で卒論を提出に行きました。
夜、都合のつくメンバーでコンパ。
3時間ほどの愉快な時間でした。
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