2014年8月28日木曜日

グローバル人材ともやいすと

本日はグローバル人材育成をテーマにしたフォーラムに参加してきました。
卒論やそれぞれのテーマなどゼミ生の進捗状況が気になり、後ろ髪を引かれ
ながらの福岡への出張でした。
熊本に戻る車中で、これを書いてます。
ちなみに、今日1日、ネットとはオフラインだったので、戻ったらどれほど
連絡が来ているのでしょう。恐怖!
なので、ひとつでもやることを片付けておこうと(?)、これを書いている次第です。
(ワープロで下書きして、熊本に戻ってアップです)

さて、ガリラボについて書くべきことがないので、フォーラムのことをいくつか
紹介したいと思います。
基調講演は日本コカコーラ社副社長の後藤さん。女性です。


大学卒業後、キャビンアテンダントとして就職し、数年勤務後、退社。
小さい頃からの夢だったという英語の勉強、そして外国に住みたいという2つの
ため退社し(26歳のときだったそうです)、米国シアトルへ。
(なんだか、OG(04)井口(現・平野)みたいです)
渡米後は、法務関係のアシスタントされていたとか。
2年後(だったかな?)、ビザの関係で帰国。
勉強したいということで、再度渡米し、大学院へ。
そこで、MBAを取得。その後、色々な企業で仕事されながら(そこでは日本人は
後藤さん1人というのが多かったそうです)、数年前に日本コカコーラ社入社。
しばらくして、副社長に就任されたようです。

話を聞いてて、グローバル人材とはこんな人のことを言うのだろうと思いました。
ご本人もそのことを伝えようと、ご自分の経歴を詳しく紹介されたようでした。
副社長さんから見たグローバル人材とは次の能力を備えた人だそうです。
(1)コミュニケーション能力、異文化適応能力
(2)人、組織、世界に影響力を与えるリーダーシップ
(3)グローバル経済の動向をマクロに考えられる
(4)問題解決するための能力
副社長さんの講演を思い出しながら、以下、この(1)〜(4)を解説します。
(1)は英語でのコミュニケーション能力のことで、まあ当たり前の話で、不可欠
の能力でしょうが、実はそれはそこまで重要ではないとおっしゃいます。
むしろ、異なる文化の人たちと一緒に、多様性の中で、新しい価値を生み出していけ
る能力が大事だと話されていました。
基調講演後、パネルディスカッションの際に立命館大学の学長さんが同様のことを
話されていました。その中で、TOEICなどで高い得点をとっていても、多様な国から
かかってくるクレームの電話にでることが出来ない人が多い話の中には、異文化適応
能力が端的に現れているなと思いました。OB(10)保坂は海外勤務を希望していると先日も
話していました。英語は全くダメでしょうが(現在)、異文化適応能力はたぶん図抜け
ているように思います。星野村という異なる文化圏をしっかりと生き抜いてきたわけ
ですから。その意味でグローバル人材になる資質を持っているのかもしれません。
とりあえず、副社長さんは、コミュニケーションとは英語とかそういうことではなく、
もっと根源的な部分の大事さをお話しされていました。
(2)のリーダーシップについては、私も良くガリラボで話していることですが、「私に
ついてきなさい」的リーダーシップではなく、部下に権限を与え、それらの人とが同じ
方向を向いて一緒に問題解決に向かっていくようなそんなリーダーシップをグローバル
人材となるべき人は持ち合わせていないといけないとのことでした。
(3)については、成功の鍵は3つの目にあるとのことでした。
3つとは、「鳥の目」、「虫の目」、そして「魚の目」です。
鳥の目は、上空に上がって物事を俯瞰的に見る力のことですね。
一方、虫の目は目の前の課題をしっかりと見て、それに向き合っていくような目のことです。
要するに、この2つはThink Globally, Act Locallyを表現していると思ってよいでしょう。
グローバル人材には、その上に、もうひとつ「魚の目」が必要らしいです。
初めて聞きました、魚の目とか。
魚は、我々の目には見えない水が流れているのが見えるのだそうです。
ほんとかどうか知りませんが、要するにこの目は、直接的には可視化されていない
トレンドを見る力であり、それが不可欠だということでした。
俯瞰的に見て、考え、目の前のことをしっかりとやりながら、全体的動向(トレンド)を
見ておくことが必要なのです。当然でしょうね。
最後に(4)について、この力は分析力、論理性、行動力、創造力からなるものです。
英語ができて、いい目を持っていても、結局は、これが無いと仕事はできないわけです。
最後の最後はこの力がモノを言いいます。非常に大切なものです。

グローバル人材を英語力だけで捉えている素朴な人はもう今の時代いないとは思います。
そんなこと当然ですよね。
ところで、副社長さんのお話を聞きながら、グローバルに仕事をしていく際、英語力
以外に必要な力の多くは、身近なところ、日常において鍛えられるものであり、意識
していけばどこででも開発していけるものではないかと思いました。
さらに、現在、ガリラボのゼミ生に手伝ってもらっている「もやいいすと」の集中
講義の方法とこの講義で与える課題などは、グローバル人材育成に向けたものでは
ないかとさえ思いました。
なぜなら、この講義は、OECDの定義する21世紀型スキル「キーコンピテンシー」の
能力開発を意図して設計し始めたものですから。
この意味で、もやいすと講義は、本学のスローガンである
  地域に生き、世界に伸びる
を志向したものになっております(たぶん)。
本日のタイトルは一見して対比される別ものに見えるかもしれませんが、どちらも
同じ方向を向いているではないかと思います。


長くなりました。最後のもうひとつだけ。
パネルディスカッションで、九州経済連合会会長の麻生さんが、
 煮詰まる日本、伸びゆくアジア
という言葉を使われました。
徐々にこの認識が広がっているのだとか。
由々しき問題です。
そして、これは、18歳人口の減少によって、上記は経済の問題だけでなく、大学にも
当然降り掛かって来きます。
麻生さんは、大変だろうが、この事実は、いいことにつながる可能性もある、と。
例えば、煮詰まっていくことで、大学間の競争が当然始まる。
その競争の過程で、優れた大学が生まれていく可能性があるのだと・・・。
確かに。
これまで、大学はほぼ競争を経験したことがありません。
これからは、これまでとは比べものにならないほど真剣に考えないといけないのだろう
なと気持ちを引き締め、フォーラム会場(ホテル日航福岡)を後にしました。

ということで、まずは、虫の目で、もやいすとの講義にしっかりと向き合いたいと
思います。
で、明日、ガリラボに行ったら、M1(14)吉村に検討状況を聞くことから始めます。^^;

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