2014年8月9日土曜日

時間泥棒に抗い、主体的に生きる

先日のF大学です。本日のオープンキャンパスの準備が行われていました。
正門にはゲートが出来てました。

キャンパス内には大きな案内板が設置されてます。

メニューも豊富。
高校生が興味を持ちそうなメニューがたくさん用意されてます。

遊覧バスというのには驚愕しました。アンケートに対しても手厚い。


テーマパークにいるのではないかと錯覚させられるぐらい力が入っていて、
私大のオープンキャンパスに対する意気込みは凄いものだと圧倒されながら
F大を後にしました。

何の脈絡なくいきなり話題を変えますが・・・
昨日、4年生が卒論新聞3号を発行したので、そのことを在学生に伝えています。
ちょうど夏休みが始まったところであったので、次の内容のメールを送りました。
  夏休みに入り講義という制約がなくなります。
  この有り余る時間をどう使うかはかなり重要で、それが次の活躍の
  ステージに導かれていくでしょう。
  この意味をよく考え、夏の時間を設計してください。
  ・夏を自分の意志でデザインする
   http://garylabnews.blogspot.jp/2012/08/blog-post_5.html
  ・海を見る自由
   http://garylabnews.blogspot.jp/2012/10/blog-post_7.html
  ずる賢い時間泥棒にくれぐれも時間を奪われないように!
時間泥棒とはミヒャエル・エンデのモモに出て来る人たちで、今では、情報産業など
が該当するでしょう。
情報産業は、われわれの空いた意識を虎視眈々と狙っております。
時間泥棒たちの手にかかると、意識をコントロールされ、他律的な楽しさの中に入って
いきます。
受動的になるメディアは楽しい。
上記メールは、夏休みという自由な時間に、その状況に陥らないようにとの警告を
出したつもりです。

F大のオープンキャンパスも、全てとは言いませんが、高校生たちの意識を入手する
ための多様な手段が組み込まれているように感じました。
大学というところは本来自律的に行動していく精神を育むための社会的ツールだろうと思います。
実際、多くの人がその通りだと思っているはずです。
だけど、そうした考え方を押し通し、派手なオープンキャンパスで意識をコントロール
してことを仕掛け、他律的な状況にしないと高校生には見向きもされなくなり、大学が
成り立たなくなるという大きな矛盾の中にあります。

現在、大学は(大学だけでないかもしれませんが)ダブルバインド状態に置かれていいます。
圧倒されたと上で書きましたが、それは、F大の盛大なオープンキャンパスの大きな
案内板などが大学に突きつけられているダブルバインドを表現しているように感じたからです。
多くの高校生が(時間泥棒の巣窟の)テーマパークと大学とを同一視して、自分たちに
どんな楽しさを提供してくれるのだろうかという勘違いしながら、遊覧バスで回って
いるのかもしれません。
遊覧バスではなく、自分の足で必要な情報を探し求める自由を持っていることが
若い世代の特権であったはずですが、時間泥棒たちは、そういった時間を人間に節約
させ、余った時間を盗んでいく。
 
ということを福岡からの帰りに考えていたこともあって、上のメールをガリラボの
ゼミ生に送ったのでした。
ひとり2年生(13)から、返信がありました。そこに、
  定期的にメールを下さりありがとうございます!
  四年生の方々の卒論新聞のすごさに毎回驚きと楽しさを感じながら拝見させて頂いております。
  テストが終わってやっと一段落した、と安心してしまいがちですが、自由に動ける長期休みだから
  こそ出来ることがたくさんあると改めて思いました。
と書いてありました(メールの一部です)。
自律への気づき、そして主体的に自分の時間を生きていくことの大事さに気づいて
くれたのかもしれません。
一斉BCC送信に関わらず、よく返信をくれるゼミ生です。まだ2年生!
非常に嬉しい返信でした。
情報産業社会が発達した現代では他律的な楽しさがふんだんに配置されており、
それを抵抗して主体に生きる力を身につけていくのはなかなか難しい。
そんな中で、このゼミ生は主体的に自分の未来をデザインしていくことが出来ている
学生なのかもしれません。
大変嬉しくて、何度も読み返してしまいました。笑
 
卒論新聞を毎週発行するようになって、毎週、私からゼミ生向けにメールを書くことに
なりました。
毎週、何を伝えようかと発行日の金曜日になると(一応)頭を悩まします。
昨年から始まったわけですが、この新しい強制力(道具)は、4年生に対して拡張に
よる学習を促すと同時に私にもそれを求めてきたわけです。
そのおかげで、普段はガリラボにやってくる学生だけに伝えていたようなことも、この
新しい強制力によって、2年生にも(少しだけですが)伝えることができるようになり
ました。
良いツールを与えられたものだと思います。
卒論新聞を考えだした10ゼミ生には感謝、そして今年もそれを継続してくれた
11ゼミ生に感謝です。m(_ _)m
そしてまた問いかけに応えたくれた2年生にはさらに感謝しています。

最後に、ガリラボのゼミ生諸君へ。
この夏は、主体的に、過ごしていきしょう。
(なお、どういうことが主体的なのか、を考えることも大切です。)
そうして、後期には大人へと成長した姿を見せてほしい。
  
参考文献:自分と未来のつくり方


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