2016年2月11日木曜日

ディテールにこだわる

今日はいい天気ですね。
午前中、仕事しながら、窓に外の日差しを眩しく感じています。
途中、サボってネットを見ていたら、電通が出している記事で「前例を創ろう」と
いうのがあるのを見かけました。次の著名な方々の鼎談です(こちら)。

 
この中で惹きつけられたのがディテールの話題。

 中途半端なディテールは命取りになる
 国見:先ほど述べた例のように、日本人の素晴らしさはディテールへの
 こだわりに顕著に表現されます。ただ、最近はコンセプトを偏重し過ぎて、
 実際に動けていないケースも多い気がします。私たちは、もっとディテール
 を重視すべきなのではないでしょうか。
 隈:建築の基本は「コンセプトから考える」でした。でも僕はディテールから
 考えるんです。コンセプトに時間をかけると、納期や費用の問題で最終段階の
 ディテールがおろそかになるから。ディテールからやればそこに力を入れられ
 るし、そうすると、たとえコンセプトが普通でも、しっかりしたものができま
 す。それに気付いて手順を逆転したのは、自分の大きな転機でした。

隈研吾さんは、東京オリンピック 2020に向けた新国立競技場問題で話題に
なった新しいコンペで、採用された設計案を手掛けられた方です。
隈さんの言葉は、このガリラボ通信でもよく利用させてもらっています。
初期の頃だと例えばこちら→ガリラボ通信2009/10/7
 
ディテールには拘るのは本当に重要で「神は細部に宿る」という言葉があるほどです。
ステーィブ・ジョブズとかもディテールに徹底的にこだわった方であったようです。
細部が気にならない人に、良いものを作れるとは思えません。
また、細部にこだわるとは、自分の時間を惜しみなくそれに捧げられるということでも
あって、そうしたことのできる人間でないと細部にこだわることは不可能です。
つまり、熱中できる人でないとディテールにこだわるということは無理です。

ただ、ディテールにこだわると枝葉に終始しまうこともあるわけですが、それは
中途半端なやり方だからでしょう。
だからそういうやり方は、上の引用の見出しにあるように、
 中途半端なディテールは命取りになる
のです。そうでなくて、本腰を入れて(狂ったように)ディテールにこだわると、
それは本質の部分にまで迫れるようになる。
隈さんの話はそうしたことに通じているのだと思います。

しょせきかプロジェクトで編集と校正を担当した3年(13)ゼミ幹部はそのことが
痛いほどわかったのではないでしょうか。
良いものを、人が感動するようなものを創り出すには、ディテールにこだわらないと
ダメなんだということを、ですね。
このプロジェクトを通して、ディテールの重要性を理解し、それに向き合うことの
意味を体の芯で修得できたのであれば、何かの知識を得ること以上に、自分にとって
重要な財産となるはずです。
だって数年後にはやることに仕事の多くは、ディテールと向き合うことであって、
仕事とは細かい部分を緻密に詰めていく作業に他ならないのですから。
 
本日私がやっている仕事も、ディテールにこだわる作業でした。
1年半近く時間をかけてやってきた仕事をまとめた2万字ほどの報告書について、
細かな文言を、(少し大げさに表現すれば)1文字づつチェックしながらの校正
作業でした。
ただ私にはそろそろ限界で、これ以上のディテールに向き合うのは無理そうです。
ギブアップし、チームメンバーにバトンを渡そうと思います(丸投げ)。
  


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