観光PR動画は、無数にありますが、そのほとんどは「ある」もの紹介する
ものです。「ある」から可視化しやすく、PR映像として作りやすい。
ところが、田舎とは何もない(と、そこに住む人たちは思っている)。
ならば、その「ない」ことを積極的に使おうではないかと考えられたようで、
出来上がったのは次のPR映像です。
映像を見ると、「ない」ではなく、たくさん「ある」ことがわかります。
「ない」とは単に見えていないだけのことが多く、日常の中に溶け込んでしまうと
それを私たちは知覚しにくくなるものです。
何が前提になって今の日常が成立しているのかということを立ち止まり深く考えると、
色々なものが見えてくるはずです。
このことの大切さは、先日の通信(ガリラボ通信2017/5/4)でも書いた通りです。
また、昨年の熊本地震は、見えなくなってしまった前提の重要性を強烈に教えてくれ
ました。多くの人の記憶にまだ鮮明に残っているのではないでしょうか。
地域について、こうした見方をしていこうという行動を「地元学」と呼びます。
「ない」ことを嘆くのではなく、「ある」ものを探そうという思想です。
ガリラボではずいぶん前に07ゼミ生の頃にこれを学んでいました。
→ ガリラボ通信2009/10/29
また、地元学の提唱者・吉本さんとは一緒に玉名でフィールドワークしたこともあります。
→ガリラボ通信2012/7/15
吉本さんとコンタクトを取り、フィールドワークできたのは、玉名市の平野さんが
動かれたからでした。
地元学がガリラボの現在のゼミ生にはほぼ伝承されていないかもしれません。
地域の人たち(土の人)に学生たち(風の人)が加わることで新しさを見出していく
地元学をまた少し勉強する必要があるかもしれません。
自分たちの地域での行動の意味を再考するためにも。
空が美しすぎて眠れない!そういう「ない」の表現、素敵ですね。
返信削除昨年、生徒とともに訪れた島根県海士町でも、「ないものはない」と、何もないけど、生きていくことに必要なものは全てあるという理念に加えて、様々な取り組みを地域、行政、Iターンの方々が協力して行われていました。
地域の無限大ですね!