2018年1月31日水曜日

ビットがアトムから独立し、受容され始めている

最近、「dマガジン」という週刊誌電子版読み放題サービスを知り、早速、
加入しました。
月々400円(最初の1カ月は無料)。その購読料で200誌ほどの週刊誌を
読むことができます。
dマガジンのサイトをみると次のように多数の雑誌が紹介されています。
検索機能を使え、膨大な雑誌記事を検索し、読むこともできるようです。
これは便利だと思いつつ操作を色々とやっていたら、横にいた家内が「何するの、
そんなの」という顔をしておりました(怒)。


ところが、その家内、次を週刊誌リストを見たとたんに豹変しました。
つ先ほどまで「そんなもの」と否定していたはずが、「これは便利」「この雑誌、
買おうと思っていたのよ」と別人になってます。
ちなみに、その感想は、「オレンジページ」を見ての感想でした。


少し前に契約したのですが、今は家内の方がよく読んで(というか、料理の
写真を見て)いるのではないかと思います。
 
こうなったら新聞も電子版にしてしまおうと思って家内に提案してみました。
検索もできるでしょうから。
そうしたらそれはダメだと、かなり強く反対されました。

理由は、チラシの情報が欲しいということと、それ以上に紙自体が必要だという
のです。

ゼミ諸君、理由がわかりますか?
紙の上に書かされたビットとしての情報でははなく、紙自体、アトムとしての
新聞やチラシが必要だということでした。





その理由は・・・・








料理に使うのだとか。。。
新聞やチラシの情報よりも紙自体が重要で、新聞を使うというのは、わざわざその
ために買ってきたわけではなく、「再利用」しているという感覚が重要なようです。
私にはまったく知る由もなかったそうしたニーズが世の中にはあることを知りました。
少し、勉強になりました。^^

新聞に関する調査とか実施すると、たいへん立派な、いかにもそれらしい見栄えの
よい結果はたやすく得られるでしょうが、家内のような生活に密着した意見を発見
するのは難しいのではないかと思いました。
やはり、まずは何を聞けばよいかを知るために、徹底した密着が不可欠であることを
教えてくれます。
卒論などが始まると「アンケートを取って」というのがよくありますが、そういう
簡単な話ではないのだということをよく知っておくべきです。


話を戻すと、家内の反対意見がなければ、電子版を出している新聞を購読し、現在、
電子版のない「地方紙」は解約するつもりでした。
当初かなり貧弱だった電子版が非常に充実してきて、その価値が高まってきている
ように思います。
私はの意識はかなり電子版に移行を始めています。電子ペーパーなるものを購入して、
その移行はさらに進行しております。
それに、地方紙にあまり魅力を感じなくなってしまったせいもあるかもしれません。
しかしながら、とりあえず、それが提供する情報(ビット)ではなく、それが持つ
物質性(アトム)によって解約をわが家では免れました。
 
これまで優位な立場にあったアトムですが、ここに来てビットが凄まじい攻勢をかけて
います。
アナログ時代、情報は親和性の高いアトム(物質)に付着していましたが、ここ最近は、
そうでなくなり、情報(ビット)は独自性を発揮して来たように思います。
ビットがアトムからの独立運動に勝利しつつあるということでしょうか。
そうした独立に、しばらくは懐疑的でしたが、一般のユーザーがこの独立を受容し
始めている。
今、そんな時代になっているように思います。
 
アトムとビットという表現は、前のMITメディアラボ所長のネグロポンテ氏がベスト
セラー「ビーイング・デジタル」の中で使った言葉です。私も10年ほど前に
 地域情報化と熊本における実践〜ビットとアトムが分化を始めた時代に〜
という論考を書いて、それから好んで使っていますが、ビットのアトムからの独立
運動は、もうしばらく続いていくのでしょうが、徐々に終盤にさしかかっているよう
にも感じています。


たまにはこういったことを書かないと、ゼミ生たちが、自分たちは何をやっている
研究室にいるのかよくわからなくなっているかもしれないと思い、少しだけ情報分
野の色に染めた文章を書いてみました。^^;

 


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