2009年12月31日木曜日

2009年の終わりに

大学の本当の年末は3月31日なのでしょうが、12月31日も一応ひとつの区切りなので1年の活動で感じたことをおおよそ振り返ってみたいと思います。

2008年は、05ゼミ生が卒業し、院生の山部さんも同じく大学院を修了し、それぞれガリラボから去っていきました。
代わりに14名の07ゼミ生が3年生となりゼミ長の興梠のもとで本格的なゼミ活動を開始しました。
そして、大学院には吉本さん(八代の小学校の先生です)と伊藤さん(学部卒)が入学しました。
この新しい顔ぶれに加えて、院生の田中と佐藤、そしてゼミ長の松尾率いる06ゼミ生の4年生たちがおります。

総勢31名。この新しい布陣のもとで2008年の活動をガリラボはスタートしました。

活動そのものは例年通りでしたが、やはりそこにいる人間が違います。
やっていることは同じでも、どうも違う!
例年だとうまくいくことがうまくいなかったりして、色々な場面で手こずりました。
もっとも、それ以上に面白いこともたくさんありました。

やはり面白かったのは、ガリラボのメンバーが知的な成長を遂げる瞬間に立ち会っているときです。
「メンドクサイ」はガリラボの禁止語にしますと07ゼミ生のゼミの冒頭で話しましたが、おおよそのゼミ生がそれを守ってくれたように思います。
面倒なことをそのまま受け取り、それにぶつかっていくことが「学ぶ」ということに他なりません。
「メンドクサイ」とのことで手を抜き、一見効率よくやってしまう賢い人は、学びとはほぼ無縁です。

手を抜いたイカサマ的な学びからは感動は生まれないでしょう、きっと。
個人的には面倒くささを厭わず、頑張っている瞬間を一緒に共有しているときが非常に面白いものでした。
夏休みを潰してNHKの映像作品に取り組んでいるゼミ生を見ているときが今思うと一番楽しかった。

10月以降、3年生は自分たちでテーマを決めてProduce Xの活動に向かいましたが、当初は蛇行続きでどこに向かうのだろうと思っていましたが、方向が決まった後はすごかった。
なんだ、やるじゃないか、そんな思いでした。
地元学をちゃんと自分たちの中で消化してやっているんです、これが。
見直しました。
そして感動させられました。
おかげで、年末になって元気もたくさんもらいました。感謝の言葉もありません。

4年生の多くは残念ながら研究室で行う活動が少なかったらでしょうが、感動を共有させてもらう機会が乏しかった。
そうなってしまう卒論テーマだったら仕方ないことではありますが、少し心残りなものになっています。
もっとも卒論だけがすべてでなくて、ガリラボとは関係ないところで、個々人は面白い体験をしてきているでしょうから、それはそれで大変素晴らしいことです。
その体験をガリラボ内にももうちょっとお裾わけしもらうともっと良かったかな、と思います。

院生とはゼミでそれぞれに私自身がたくさん勉強させてもらっています。
特に現在吉本さんと読み進めている「状況に埋め込まれた学習」は、これまでの院生とも読んできており、3回目とか4回目とかですが、何度も読んだ結果、ようやく感動を味わえるようになってきました。
こんな難解な本は一人ではなかなか読めません。
院生のおかげで読むことができてます。
その意味で非常に感謝しています。

これまでの院生とのゼミで私が習得してきた理論は
 状況的学習理論、組織認識論(ワイク理論)、活動理論、記号論、教育社会論(学校と仕事)
などです。
これらすべてが自分の日々の行動のための指針をもらっているように思います。
これまでの院生の方々に感謝の言葉もありません。

さらに、私個人としては正式にキャリアセンターの仕事にかかわるようになったことが大きかった。
その影響で新たな活動を呼びこんでいくことなりました(4月にはそんなことになるとは思いもしませんでしたが)。
6月にキャリアセンターが主催してシンポジウムを行いました。
4年の松尾には大学生を代表してパネリストとして参加してもらいました。
このシンポジウムを行う上で、M2の田中さんと勉強していた若者と仕事の関係を扱った理論が非常に役立ちました。
さらにパネルディスカッションのために読んだ「希望学」をはじめとするキャリア教育関連の本、さらに大学生の学びに関する多くの本は、私の考え方に深く影響し、今年の私の活動のあり方を大きく変えてしまいました。
そして大きかったのが、この仕事の関係で1年の集団に出会ったことです。
今はMOREと呼んでいます。
この元気な集団に大きな影響を受けました。
MOREの連中に大きく私自身がコントロールされながらこの1年を走ってきたように思います。
1年生たちは居場所がないということも幸いして、研究室に集まってきます。
それが大きかった。
かなりの長い時間を同じ空気を吸って過ごしたわけで、それがちょうど良い相互作用を私との間に引き起こし、結果、活動がどんどんと拡張していきました。
ここまでやることが拡張するとは正直思いもしませんでした。
ゼミ生ではありませんが、この面倒なことを何でそこまでやるの?と思うぐらいに素直に、そして一生懸命にやっている学生たちと一緒に過ごせたことは幸運でした。
「学び」の基本を忠実に実践する学生たち一緒に活動できたことは非常に楽しいことでした。

やっぱり、同じ空間にいてナンボ、なんです・・・もっともそれが負の方向にいく危険性もないことないですが、ね。

長くなりました。
いや、1年間を振り返り、わずかこれぐらいで終わるわけなので、むしろ短いのかもしれません。

それはさておき、2010年はどうなるのでしょう。
4月になると15名の08ゼミ生が活動を始めることが分かっています。
また私自身がキャリアの関係からメディアの関係へと仕事の比重をシフトさせる可能性があります。
となれば、活動の方向も大きく変わっていくかもしれません。
たまたま本日、「空間メディア入門」なる本を入手しました。
そういえばコンピュータも空間型コンピューティングへと変貌を遂げました。
同じ形容詞がついてません。
何かの縁を感じます。

では、今後どうなるのでしょう?

ま、とりあえず、明日は明日の風が吹くはずです。
その風をしっかりと愚直に見極めていくしかないかと思います。


まあいろいろありましたが、次の挨拶にて、今年最後のガリラボ通信を終えたいと思います。

この1年、ガリラボに関係したすべての皆様に感謝します。
おかげでたくさんの学びを頂きました。
どうもありがとうございました。
ガリラボは来年も拡張を遂げていきたいと思います。
一緒に同じ空気を吸いながら、良い意味の相互作用を
お互いに与えていきましょう。


それでは、よいお年を!
暖房のない寒い研究室より

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