2010年12月24日金曜日

クリスマス・エクスプレスを巡って

私一人研究室にいるので何の実感もわかないのですが、今日はクリスマスイブなんですねー、世間は。
 
もっともガリラボでは一足早くクリスマスパーティを行いました。
3年(08)の今年最後のゼミで、です。
ゼミ費を有効活用したパーティを企画担当の岩本が演出してくれていました。

 
このパーティには色々な工夫が取り入れてありました。
そのひとつが500円という条件でのプレゼント交換。
全員が持ち寄った500円プレゼントをそれぞれ机の上におき、その周辺を曲に合わせて回りながら、曲が停止した時点で自分の目の前にあるプレゼントをもらうというもの。

500円という条件でみな知恵を絞りプレゼントを買ってきていました。
それにしても色々なものがあるもだのと感心しました。
引き当てたプレゼントに一喜一憂しているゼミ生たちです。

 
さらに別の企画として・・・
他のゼミ生に聞いてみたい質問を書いた紙を箱に入れます。
ゼミ生は順番にそれを引いて、その質問に回答しなければならないという企画。
いや、これも盛り上がりました。
坂本と矢田がなぜか私の前に並び、ふたりで挨拶をしないといけなくなるような、そんな質問もありまりました。
ちょっと私の文章力ではそれを表現できないほど、これは爆笑に包まれた。
いや、愉快な企画でした。
  
  
さて、そんなクリスマスパーティを開いたガリラボでしたが、世の中ではさらにもっとクリスマスについて様々なことが行われているようです。
もっともそれは日本的な味付けをされたものが多いのではないかと推察します。
実は3年生のパーティでの質問で最も多かったのが、「クリスマスの夜はどう過ごすか」というタイプのものでした。
 
その時はあまり不思議さを感じませんでしたが、しかしよく考えてみると私が若かりし頃であれば、そういった質問がでることはまずなかった。
なんででしょう。
不思議なことです。
時代が変わったからなのでしょうが、それにしても何が時代を変えたのでしょうか?
 
そんなことをぼんやりと考えていたら、ほんとに偶然ですが、昨日4年生(07)との打上げの前に少し時間があったので書店にいていくつかの本を衝動買いしたうちの一冊「電通とリクルート」にその秘密の一部が書かれていました。
  
 
私が愛知県のある町の新幹線沿いのアパートに住んでていた80年代末、JR東海があるCMを流していました。
東京発の最終新幹線を「シンデレラ・エクスプレス」と呼び、遠距離恋愛中のカップルがその最終で別れるシーンが描かれれていました。
当時、私自身新幹線を毎日見ていたこともありますが、日本中にこのCMは受入れられ、新幹線の人気をぐっと押し上げたのでした。
 
YouTube映像「シンデレラ・エクスプレス
 
この広告で新幹線という固いイメージのビジネス列車が、シンデレラ・エクスプレスという魅力的なコピーによって、若い世代に受け入れられたのでした。
 
それから少ししてJR東海は、「X'mas Express」という山下達郎の曲をBGMとする、あのあまりに有名なCMを世の中に出しました。


このCMもあってJR東海は就職人気企業の上位にランキングされ、そして山下達郎の曲は、これ以後、クリスマスでの定番ソングになったのでした。
この様子が「電通とリクルート」には、

広告による意味の書き換えの一つの頂点が、JR東海の「クリスマス・エクスプレス」だろう。身も蓋も無い言い方だけれど、新幹線自体は昨日まで同じように、東京と大阪を行ったり来たりしていたのだ。それが、一夜にして「恋人たちを結ぶ列車」となった。

と記述されています。まったくその通りの状況だったと記憶しています。
ちょうど私の上の子どもが1歳で、新幹線のよく見ていたころでした。
 
さて、同じ本にさらにこうあります。
 
「クリスマス・エクスプレス」が、遠距離恋愛カップルのクリスマス移動需要をどれだけ拡大したかはわからない。それよりも大きな影響は、若い男女全般に及んだはずである。
「クリスマスに好きな人と一緒に過ごす自分」という姿に、多くの若い女性が納得してしまったのである。この納得がもたらした影響は計り知れない。
「クリスマス・エクスプレス」は新幹線の定義を書き換えただけではない。キリスト教のイベントのはずの「クリスマス」の日本的定義を作ってしまったともいえるのだ。
 
見事な分析にうっとりしてしまいました。
このCMから20年以上経て、日本式クリスマスが定着してきたのです。
私たちが若い時に出てくる質問と今の若い世代の質問とが異なるはずです。
先日のゼミのパーティで出てきたたくさんの質問の意味がようやくはっきり理解できました。
要するに、クリスマスの意味が異なっているのですね。
こういうのはジェネレーション・ギャップというのでしょう、きっと。orz

さて、価値観が比較的一様で、そのためにマスメディアがうまく機能していた時代の広告の力とは凄いものですねぇ。
しかし、もちろん今は違います!
今の時代は、大衆に向けて同質の情報を流すのではなく、ターゲットを見極めた形でのコミュニケーションデザインが求められている。
メディアニュートラルな視点に立ったコミュニケーションのデザイン、そういったものが必要とされている。
ガリラボでの活動のいくつかは実はこういったことを志向しております。
目標は、上手なコミュニケーションデザインの結果、コミュニティが、さらには時代が変わるようなそんな大それたことを考えているわけですが、もちろん、私の能力では無理。
なので、ゼミ生から活動の楽しいアイデアがクリスマスプレゼントとしてもたらされることを期待しております。
クリスマス・エクスプレスでも見ながら知恵を色々と巡らしてみてください。
で、思いついたらメールを。
明日の朝、私宛にプレゼントのメールが届いていることを楽しみにしてます。
どうぞよろしく。(^^)

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