ある報告書の作成作業しながら、途中さぼっていたら、二つの映像を
見つけました(さぼった甲斐がありました!)。
ひとつはガリラボ通信でも度々紹介しているフォルクスワーゲン社が
やっている「The Fun Theory」の新しい(?)バージョン。
The Fun Theoryとは、「楽しいことが人々の行動をより良く変えるもっとも
簡単な方法」というテーマを掲げ、それによって人々や環境も良くなる
とする考え方です。
ピアノ階段とか、世界深いゴミ箱とかほんと楽しいアイデアで、人々の
行動を変えて行きました。
今日見つけたのも頭の手術を受けたかのような衝撃を受けました。
違反者を取り締まるのではなく、法定速度をちゃんと守っている車を
オービス(自動速度違反取締装置)で調べて、その人たちに、抽選で
違反者からの罰金をプレゼントするというものです。
オービスを逆に使っているわけです。
スウェーデンで2010年に行われた実験では、平均速度が22%も減少
したのだそうです。
逆転の発想。ほんとに素晴らしい。極めてクールなアーキテクチャだと
思いました。
もうひとつはフラッシュモブ。
フラッシュモブとは、
インターネット、特にEメールを介して不特定多数の人間が公共の場に
突如集合し、目的を達成すると即座に解散する行為
ということですが、たぶん最近はeメールよりもFacebookなどのソーシャル
メディアによってフラッシュモブは生まれるだろうと思います。
さて、このフラッシュモブによる行動もやはり逆の発想です。
違反者を糾弾するのではなく、落ちているゴミを拾ってリサイクルボックスに
入れた人をフラッシュモブがスタンディングオベーションで称賛するというも
のです。
通りすがりの女性がゴミを拾った瞬間、フラッシュモブの方々の突如変身し、
頭が変化するのをご覧ください。
突如、フラッシュモブが出現する状況は驚きです。
この例では2000人のフラッシュモブが関わったそうです。
人は誰しも褒められると嬉しいものです。
この例はそこを徹底してやろうとしているわけです。
ソーシャルメディアに「イイネ!」ボタンしかないこともこれと同じです。
「イマヒトツ」とか「サイテイ」ボタンなんてあったら、自発的投稿はぐっと
減ってしまうでしょう、たぶん。
ガリラボではガリボイスの投票とかが「イイネ」ボタンに相当するかと
思います。
さて、このイベントはカナダで行われたようですが、ほんと楽しいそうです。
ゴミを拾った人だけでなく、フラッシュモブとしてこれに参加した人たちへ
のリサイクルの教育にもなったのではないでしょうか。
大学もこんなことをやれば学内の色んな問題は解決していくかもしれませ
んねぇ。
素晴らしいアーキテクチャは、人々の行動を良い方向に変えて行く底知れ
ぬ力があります。
そういうものをデザインしていける研究室でありたいと、ガリラボはそういっ
たクリエイティブ集団の集うところにしたいと常々思っています。
みなさん、こんなアイデアについての雑談をしていきましょう。
ガリボイスも、それを表彰することも、ゼミ新聞もすべて雑談の中から生ま
れてきました。
ガリラボでの無駄な雑談って重要なんです。
話す内容にその瞬間は目的を持ってはいけません。
目的をもった瞬間にそこは会議に変わります。
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