午後は、熊本地震を受けて春秋彩に寄稿依頼された原稿の草案作りをしていました。
地震発生から大学にこもり、副学長室の椅子で仮眠をとりながら、24時間業務に
当たっていたわけですが、なぜか、その時の行動について記録は取っておりません。
怒涛のような状況で、記録を取る余裕もなかったということだったのでしょう。
記憶があやふやだったので、なんとか呼び覚まそうと参考にしたのが、ガリラボ通信。
ただ、通信には、ゼミに関係しない私自身の行動を記録することはありませんし、
大学の仕事(特に副学長の立場で行っている業務)について記録することは
一切ありません・・・当然ですが。
が、ガリラボ通信を契機に、そうした仕事のことも思い出すこともあるだろうと、
一応、ざっと読んでみました。
地震に関し、ガリラボ通信には「熊本地震(4/14-16)」と言うタグがあります。
57ほどのエントリーがタグ付けされています。そのほとんどは熊本地震関連のゼミ生のガリボイスですが、幾つか地震の様子を
記述したものがありました。
最初のエントリーは前震の後のもので、
ガリラボ通信2016/4/15
その後の本震のことを考えると、少しのんびりした内容に思えます。
次は、地震関係のガリラボ通信のエントリーの全てです。
参考: 熊本地震関係のガリラボ通信
この中で一つ紹介すると、本震から1週間が経過した4月23日に緊迫した当時に
考えたことを次のように残していました(ガリラボ通信2016/4/23)。
この週、昼夜とほぼ大学の本部棟で過ごしてきて思うのは、緊急時に必要なのは、
次々と出てくる色々なタイプの課題に逃げずに向き合う態度、頭を急速にフル回転
させて問題を解決していく力、それを支える体力、そして大事なのが安全基地を持
っていること、そういったことではなかろうと思いました。
それと人脈(=一緒に何かやってきた人たち)も非常に大事ですね。
緊急時には特にそう思いました。
私の場合、幸いなことに、大学内の教職員そして学生など多くの人を知っていたの
で、情報が集まり、また急な相談をやりやすく、それで課題解決もやりやすかった
ように思います。
ちなみに、外部からの急ぎの物資支援についてもそうした人脈によるものがありま
した。
日頃の<実践を通した>関係、大事です。
すっかりと忘れていましたが、確かにこの通りであったように思います。
改めて読んでみると、当時の状況をリアルに思い出すことになりました。
そしてそれ以上に感じたことが、8月も終わりになり、すでにもう随分と風化している
ものだと思ったことでした。
私自身も、そしておそらくゼミ生も。
熊本地震を受けて、もやいすとはそれまでの計画を全て白紙にして見直すことを決心し、
私のその決断のためにOB(M08)佐藤やM1(16)山口は大変な思いをしており、また大津町と
広報紙で連絡する予定のCoho'zuも別のテーマに変えることになり、苦労させているところです。
でも、この空間、そしてこの時間を一緒に経験した我々が、このテーマ以外のことを
やるのは考えにくいと思ったのでした。
それほどに、特に4月16日未明の体験は強烈でした。
プライベートなことで恐縮ですが、福岡にいる私の息子などは、福岡でも強い揺れで、
私も家内も死んだと思ったらしいのです。
一生に一度出会うこともない、オリンピック開催以上に稀な経験であった地震がなぜか
風化をし始めている。
地震直後、あれほど凛としていた大学の授業の雰囲気が日常へと戻ってしまっている。
日常に戻るのは、当然そうあるべきですが、しかし地震と言う共通の経験を風化させて
いけないように思います。
その生の体験は、普遍的な知識へと昇華させていかないといけない。
一人、振り返りをしながら、そう思いました。
さて、ようやくですが、月曜日から14ゼミ生の中に新しいチームが立ち上がります。
軽い気持ちで参加してほしくなくて、あえて厳しいことを書いて募集したのですが、
それに対して勇気ある4人のゼミ生が応募してくれました。
この熊本という地で、そして平成28年という時間を一緒に過ごし、一生に一回も経験する
可能性のない経験を共有しました。
オリンピックよりもはるかに稀な経験です。
さらにこの時期に熊本県立大の津曲ゼミに所属しているのも何かの縁でしょう。
そうした偶然を全てひっくるめ、Coho'zuとともに、すでに風化を始めたているこの貴重な
経験に真摯に向き合い、新しいチームが大学生としての稀有な体験をしていけるよう、
そして全国でもトップクラス(目標は大きく!)の活動となるようサポートしていきたいと思いました。
平成28年、この熊本の地で大学生として過ごしたことでそのアドバンテージはありますので。
多くの人が経験しようにもできなかったあの経験を無駄にしないために、必死で考え、
そして行動して、大学生としての能力を全てを出して、他に真似のできない活動をやって
いきましょう。
そして、その成果を形にしていこう。
私も持てるだけのパワーで支援していきますので。
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