2009年11月7日土曜日

県立宇土中学校での授業

これまでのブログにも何度か書いていましたが、今年新設された県立宇土中学校の
総合的な学習「宇土未来探究講座」の講師として昨日(11月6日(金))行ってきました。
この講座は、中学校3年間という長期的視点にたって子どもたちに豊かな感性と探究
心を育む目的で考案されたものです。

壮大な理念とその内容の豊富さに、私などが参加するのはちょっと気後れしましたが、
学生の協力を得ることを念頭において依頼を受諾しました。
この日の授業はワークショップ形式で、

   タイケンをコトバにしてまとめよう
   ~ 知識の整理(分類)の先にあるもの~

というタイトルの授業を展開してきました。要するに体験を内面に固定化する言語化
作業とその体系によって概念地図をつくることで、体験が意味づけられていくことを
わかってもらうことを目指していました。
数学的には頭の知識構造が知識を単に持っているという離散的な位相構造から知識の
獲得と整理によって概念の演算を可能にしていく距離空間に発展するということなのですが、
そのことをできるだけ直感的にわかってもらおうと計画した授業です。

中1の生徒たちが菊池市での農業体験を部品としての言語化、そしてそれを抽象概念化、
さらにそれを説明カードして記録していく(下)。そういった体験の整理の仕方をしていきました。

総勢80名を10名づつ8班に分けて、それぞれにファシリテーターとして学生(4名)と
宇土中の先生(4名)をつけて作業が始まりました。

13:35開始。
チーム「ただっち」


チーム「めぐ」


チーム「あっきー」


チーム「みほどん」


トラブル発生時のスペシャルサポーター「吉本さん」
 
付箋紙への言語化作業(部品作り)、それに対する第1段階の分類とカード化、
さらに第2段階の分類とカード化、最後にそれを概念ツリーとして描くというかなり
ハードな作業量を必要とするワークショップとなりました。
概念ツリーを描くのに意外に手間取ってしまったのは計算違いでしたが、それ以外は
ファシリテーターのみなさんの頑張りがあっても割合すんなりといけました。
15:25終了
 
概念ツリーが完成できずちょっと残念でしたが、それは後日教室で完成させてくれる
ことを祈り、宇土中を引き上げてきました。
それにしても2時間、休憩時間を設けていても誰も休憩することも無く熱心に作業に取り
組んでいる子どもたちには驚かされました。
集中力が高く、今後大いに伸びていくことを予感させるものだったように思います。
 
大学に戻った後、私はそのまま2年生の授業にでかけましたが、学生たちは研究室で
早速反省会を開き、問題点をリストアップ(言語化)していたようです。これにも驚きました。
プラスαを自主的にできることは大変すばらしく、どうしてこれほどまでに成長したのでしょう。
謎です・・。
学生たちからもらった問題点のリストを参考に、今後もしこんな機会があれば、授業を組み
立てなおそうと思います。
  
その後、吉本さんは授業のため不参加でしたが、残り5人での夜のリトル・キッチンでの打ち
上げは静かに盛り上がり、18:30-23:00まで居座り、ワークショップの反省やゼミのこと
で色々と語り合いました。大勢のコンパとはまた違ってじっくりと話ができこれまでのことを反
省していくのに良い時間でした。
  
まったくのボランティアで、準備の時間まで入れると膨大な時間を付き合ってもらった4人の学生
たちには感謝の言葉もありません。
この場を借りてお礼を言いたいと思います。
 
 
そにしても初めての試みで、到着後見た80名の生徒の数に驚き、中学生のパワーに負けまいと
必死の思いでワークショップの進行をしていたら、終了後、すべての力が抜けてしまいました。
本日もまだ力が戻らない感じで、少し燃え尽き症候群気味になっています。

0 件のコメント:

コメントを投稿