2009年11月21日土曜日

雑用肯定論-VFXを操る日本人を例に

2012という映画が話題になっているようですね。
たぶん、私は見ないままに終わると思いますが。。。。


このVFX(ヴィジュアル・エフェクト)を担当して、アカデミー科学技術賞を受賞した
坂口亮(31)さんを特集したクローズアップ現代をたったいま見ていました。
就職の氷河期が現在やってきていますが、坂口さんが卒業するときも同じく、
というか今以上に氷河期の時期でした。
慶応大学の環境情報学部(←わがゼミは密かにここに対抗のしようとしてます。
ProduceXもこの学部のある研究室を意識したものです)の3年のときに大学を休学して、
映像技術を扱う専門学校に入学、その後、インターンとしてロサンゼ
ルスの視覚効果映像制作会社デジタル・ドメイン社に出かけたそうです。

その後、この会社に入社したものの、当初は雑用ばかり。
クローズアップ現代では雑用を否定的に捉えていましたが、たぶんそうでは
ありません。
坂口さんはその雑用があったからこそ、その雑用をうまく利用したからこそ、
そこで徐々に力をつけて いったのだと思いました。
正統的周辺参加による学習過程がうまく機能していったのだと思います。

雑用の意味が、その重要性が理解できるでしょうか?
雑用は負担が少なく、しかし高度な仕事の場に密着できる非常に優れたポジ
ションなのです。
高度な知識や技術にアクセスできる極めて優れたポジションです。
もっともそれでもボンクラであれば、単なる雑用にしかなりません。
しかし、そうでない人にとってはこのポジションは本人も気づかないほどに
自分を成長させていける極めて優れたポジションに変化させることができます。
雑用に参加を表明しそれを活用する人、そうでない人でその後の成長は
大きく変わるように思います。
ガリラボという場でも同じことが起きているように感じます。

さて、坂口さんは、雑用の中で周辺参加を果たしつつ、その当時最も難しかった
水の映像作りを挑戦することに焦点を絞り勉強を開始したとのこと。
この目標設定自体が雑用をしていたから可能であったはず!! (と私は思います)

さて、水の理解には「流体力学」という学問の理解が必須になります。
ナビエ・ストークス方程式という高度な微分方程式を扱う分野ですが、数学が
苦手で文系に進んだ坂口さんですので、中学校の教科書から勉強しなおし、
休日はすべてその勉強にあて、これを3年間ほど続けたとのことでした。

石の上にも3年

とはよく言ったものです。水の表現が得意な人間がいることが徐々に知られ、
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」に抜擢され、それから彼はブレークしていっ
たようです。

この映画で巨大な滝を表現するのに、ナイアガラの滝の映像を3ヶ月に渡って
分析して、そこから滝を構成する部品(要素)のようなものを見つけ出し、この組
合せでリアルな巨大な滝の表現が可能になることを発見したとのことでした。

以上、ハリウッドに渡った一人の青年のキャリア形成の話でした。

目標を掲げて、そこで集中して地道に勉強して、細かい作業を繰り返すことが
成功の大きなポイントのようです。

しかしこれがまた普通の人にはなかなか難しい。
日記だって3年なんてとんでもない、3ヶ月、いや3日ぐらいしか続かないわけですから。

ところで、このガリラボ通信は9月中旬から初めたので、本日で2ヶ月、前身の
研究室ダイアリから数えれば1年2ヶ月ほど継続していることになります。
実はmixiの日記は、飲み会などで年に数回は抜けているものの、もう3年ほど
毎日書き続けています。
Twitterもだいたい毎日書いている気がします。

石の上にも3年を続けているわけです。
われながら頑張っているとは思いますが、しかし、残念なのは高い目標がない、
ということでしょうか。継続だけではダメなようです。
継続だけでは何も生み出さないことを証明するために、今後もせっせと書き続けて
みようかと思います。^^

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