以前のブログに隈研吾の「制約は創造の母」ということを書いたことがあります。
不自由さ、不便さこそが創造には必要だということです。
3年生の水俣チームが越小場地区をストップモーションで表現しようとしています。
単純に、写真(ペーパー)を並べながらワンカットづつ撮影していくものと漠然と考えていました。
たぶん誰もその方法のことを疑っていなかったと思います。
ところで、本日夕方のこと。
そのチームが600枚の写真の印刷をコンピュータ室に依頼に行ったとのこと。
常識のレベルを越えているので一応注意しました。
私自身も考えが及んでいなかったのですが、枚数が増加した時にどう対応するのかというのは大問題です。
で、注意しながらも、頭の中は別のことを考え始めました。
600枚の印刷が難しいという「制約」のせいです。
そこで思い当りました。
あのモデルにしている「オオカミとブタ」も実際には紙の写真は使っていないのではないかということです。
実際に多量の写真を並べながら、それをワンカットずつぶれずに撮影していくのは相当なカメラ技術が必要になるはずです。
そこまで思い至ったとき、閃きました。
Photoshopでやればいいんだと。
ワンカットの写真を変化をレイヤの変化に変換すればいいわけです。
極めて単純なことでした。
こんな簡単なことにそれまで思い至りませんでした。
高度なカット写真撮影も不要になります。
そしてこれならばメンバーが並列に作業できて効率は良いし、さらには驚くような場所でのストップモーションも簡単に実現できるはずです。
600枚の印刷が無理という制約から生まれた発想です。
印刷が簡単に許されていたら(自由であったら)、この発想には至らなかったでしょう。
制約は創造の源泉です。
隈研吾はあえて制約(不自由さ)がなければ、自分でそれを探しにいくんだといいます。
現在まだ、卒論の添削で苦しんでいます。
ゼミ生からこれほど大きな制約をもらっていますが、「早く終われ!」と想うばかりで、残念なことに創造には至っていません。
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