2009年10月11日日曜日

環境と人とのコミュニケーション回路のデザイン

院生の佐藤君が、地元情報学会のブログでフィールドマイニングのことを書いていました。

いやー、私としたことがうっかりしていました。
忘却は毎度のことなので慣れていたつもりでしたが、この忘却はまずかった。
リマインドしてもらい、感謝の言葉もありません。

周囲に積極的に働きかけて、環境がぼくらにもたらすアフォーダンスを変化させ、
環境とぼくらとの間に新しいコミュニケーション回路をデザインしていく、そんな
ことがもともとはガリラボの大事なテーマでした。

なにを隠そう私の本籍は「工学」です。設計(デザイン)を生業にする分野です。
そこで16~24歳まで教育を受けたわけですから、骨の髄まで設計ということが
しみ込んでいます。

「環境(モノ)」と「人」とが新しくコミュニケーションしていくための回路をデザインする。
具体的には、ナイキがゴミ箱の上にボードをおくことで、ゴミを捨てるという行為を
ゴミをゴミ箱(バスケット)に上手に入れるというスポーツへと変化させたようなことです。
環境と人との関係は、デザインのあり方によって大きく変化します。
ガリラボでは、そんなデザインもやっていきたいですね。

ゼミ新聞(4号)で紹介した隈研吾さんなどの建築の本を何で読んでいたか、今はっきり
自覚しました。
情報のアーキテクチャを考えていく上で、建築のアーキテクチャを読んでいたと
いうよりも、デザインという自分に本籍に訴えかけていたので、それで無意識に
読んでいたのかもしれません。
無印良品のデザインを手がけた原研哉さんの本に夢中になったのも同じ理由
なのでしょう、きっと。

「環境」と「人」とをつなぐコミュニケーションデザイン。
これは面白いのに違いありません。
環境に内在する潜在的なアフォーダンス(遺伝子)を顕在化(発現)させる試みといえます。
デザインは、眠っていた遺伝子を発現させる仕組みともみなせます。
まるでジュラシックパークのようですが、こんな方向でのチャレンジもやってみたいと、
本日買い物にいった「きくちのまんま」横の田舎道で、阿蘇方面をぼんやり眺めながら
考えていました。

写真は、その田舎道で阿蘇方向を眺めたものです。Photoshopでちょっと修正してみました。



ともあれ、
コミュニケーションデザインのためには、周囲をじっくりとよく見る訓練が不可欠に
なるだろうと思います。
意識の感度をいっぱいに上げて周囲を見ていきましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿