2012年4月17日火曜日

学びはヨコだけじゃない、タテもある。

午後から大学を不在にしたので、ガリラボの様子はうまく
伝えられません。
4年(09)本多、谷、村中、市川、そして3年(10)保坂が顔を
出していましたが、私は読書していたのでほぼ関知せず・・・・

読んでた本は教育効果測定に関する本なのですが、この中で
佐伯さんによる学習理論のことに触れてあり、かなり久しぶりに
この理論と再会し、ちょっと感激しました。

学びにヨコの学習タテの学習というものがある。
ヨコの学習とは個人があるテーマについて習熟していくことで
あり、ある意味で、わかっていることをより詳しく分かろうしていく
プロセスと言えます。
これは個人的レベルでも可能です。
一方、タテの学習とは、自分は何を学べばいいのかを学ぶような
学びです。
まるで未知のこと、それまで想像も、考えたこともないようなこ
とがあり、そしてそれは学ぶべきことなんだということを学ぶ
ことを指します。

学びには両方がないといけない。

ここで重要なことは、ヨコの学びが成立する前提がタテの学びの
存在だということです。
自分は何を学ぶべきなのか、そのテーマを知り、そして設定していく
ことがタテの学びですから。

いったんテーマが設定されてしまえば、それからは人は、例えば図書
館のようなところで、個人的に黙々と勉強していける。
ヨコの学びとはそういった種類のものです。

ところがタテの学びは全く違います。
個人でそれが起きることはありません。
自分と他者との関係の中で定まっていくものです。
(ヨコの学びより、その意味で高度で難しい。ここで、昨日書いた高橋
尚子さんの「素直であること」というのが重要になります)。

ガリラボとは、教員、卒業生、社会人、先輩、後輩が入り乱れていま
すが、この場は、そうした何を学べばいいのかを学ぶ場、タテの学び
を育む場と言えます。
グローカルセンターにLLCというラーニング・コモンズを意識した場ができましたが、
これもタテの学びが生まれるといいなということで、検討されたものでした。

そうした場でタテの学習を行い、その後は自分でヨコの学習を展開
していけばいい。
そしてまた再度、改めてタテの学習を行う。
この繰り返しの過程が人を大きく成長させていきます。

場の持つ意味を理解し、その視点でガリラボを眺めると、他とかなり
異なる空間であることが、そこで過ごした人には、体の芯でわかるの
ではないかと思います。
タテが少なくなってしまったキャンパスに、タテが埋め込まれている場所、
それがガリラボです。

10年ほど前、佐伯さんの論文を読み深く納得し、明確な意図のもとガリ
ラボという場のデザインを行ったのがつい最近のようです。
10年前のこのちょっとした思いと行動の結果が今のガリラボへとつなが
りました。
その結果の善し悪しを判断してくれるのは、やっぱり卒業生でしょうねぇ。
みんながみんな良いとは思っていないでしょうが、それでもガリラボには
たくさんの卒業生が顔を出してくれます(お菓子を持参して)。
なので、少なくとも落第点はもらっていないだろうとは思います。^^;





1 件のコメント:

  1. 読まれていた本は、たぶん、私が長いことお借りしていたものですよね。

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