3年(15)生がワイワイとNコンに向けた映像を作っている横で、午後私は10月の
八代中学校の1年生向けの特別講義を準備をモクモクとやっておりました。
その中で、写真についての話を取り上げます。
カメラという技術開発によって、それまで無意識の領域であった瞬間を切り取って
固定できるようになりました。
カメラ以前だと、意識では捉えられなかった瞬間ですが、カメラ以後は、人間が本来
知覚できなかった瞬間(時間)を思い出とするようになりました。
(無意識の領域が、意識の領域で顕在化されるようになったとメディア論として
捉えるようです。)
写真の思い出としての大事さを伝えるのに、何を題材に選べばわかりやすいだろうかと
パソコン前でしばし固まっていたところ、東日本大震災の時のことを思い出しました。
あの時、津波による人的被害についての悲しみはもちろんですが、同時に生存した
人たちにとって祭りなどの無形文化財を失うことはコミュニティにとって非常につらい
ことだったようです。
そんな記憶がよみがえるのと同時に、有形ですが、個々人にとって津波で家族の写真
アルバムを消失したことは悲しみをさらに助長させることになったということも思い
出しました。
これを題材にして話をしていこうと思い、写真にまつわる東日本大震災のことを
ネットで色々とキーワードを入力しながら調べていたら、偶然、次のページを
発見しました。
思い出サルベージ
http://jsis-bjk.cocolog-nifty.com/blog/
次は、その紹介動画です。
この取り組みで、この方たちは、2014年度のグッドデザイン賞金賞を受賞
されているのです。
受賞のページに、この方たちの背景が次のように紹介されていました。
宮城県山元町は東日本大震災の津波によって町の半分以上が流されました。
震災当初の混乱を抜けたとき、被災者の方がまず探したのは写真でした。
津波ですべてを奪われた後、生きていくため必要だったのは、ここで暮らし
てきた証。「写真をなんとしても取り戻したい。もう思い出は写真にしかな
い」その声を聞いたボランティアと、捜索の合間に被災写真を回収していた
自衛隊・行政と出逢い、思い出サルベージははじまりました。
そしてデザインコンセプトが、
津波で途切れてしまった被災者と地域の過去と未来。“思い出”を救済して、
未来への礎を取り戻します。
ということです。
特別講義の準備をしていて、偶然にこのページを発見し、改めて、写真の大事さを
理解しました。良かった。
またそれ以上に感慨深かったのが、この受賞された方々の「受賞対象名」が
受賞対象名:災害ボランティア[思い出サルベージ]
となっていたこと。”災害ボランティア”ですよね、やはり、こういう取り組みは。
単純であってはいけない、と強く思いました。
そんなことを考えながら続けたせいでしょうか、八代中の生徒用の特別講義の
準備はとりあえず最後までたどり着きましたが、果たしてこれで1年生が理解できる
ものだろうかと思うような代物になってしまいました。
これから約2か月の間に、隙間時間に、徐々にブラッシュアップして、中学生に話せ
る内容に洗練していきたいと思います。
今週末は、ガリラボの夏の合同発表会です。
今年は学内なので、2年生にも声をかけようと思っています。ガリラボのゼミ生は
もちろんすでに発表準備は終え、現段階では発表練習や内容を洗練させるのに努力
しているでしょう、もちろん。
昨年までは、事前に発表内容を見てほしいと依頼してくるチームもありましたが、
今年は皆無。ちょっとそのあたりが気がかりですけど。
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