2017年8月5日土曜日

テクノロジーによる職業の栄枯盛衰

台風5号。
本日、私は鹿児島にいました。鹿児島はかなりの強風で、そして朝は強い雨も降り、
台風5号が接近していることを強く実感し、急ぎ足で鹿児島を後にしました。
夕方、熊本に戻るとなんとのどかな天候であることか。驚きました。
このまま熊本は台風の影響がなく、過ぎ去ってくれると良いのですが。
 
金曜日、私の試験は終わり、幾分ほっとしながら、用事の合間に講義の受講生に
お願いしたアンケートを読んでいました。
15回の講義の中で興味を持った回とその理由を教えて下さいというアンケートです。
その中で、次のような意味のことを書いている学生がいました。
 AI等の進歩で人間の仕事が奪われるというネガティブなことを聞くことが
 多かったが、この講義では逆に新しい仕事が増えるのだと知り、気持ちが
 ポジティブになりました。
表現は変えていますが、だいたい上記の内容でした(ように思います)。

昔から、人間は保守的。
新しいものが出てくるとどうしてそれに抵抗しようとする勢力が出てくる。
有名なのがラッダイト運動。産業革命期に機械の導入で職を失うと心配した
労働者たちが破壊行動を起こした事件です。
コンピュータとネットワークの普及の頃にも同様な論調が多くありました。
(破壊行動は起きませんでしたが)
教育面ではCDが使えるようになってCAIが盛んになった頃に同じような
議論が起きました。
今だと、AIがそれにあたるでしょう。
歴史を振り返ると、新しいテクノロジーが生まれると、これまでと全く同じような
構造の議論が繰り返されているようです。

新しい道具が出てきて、それで完全にやられてしまうほど人間はヤワではありません。
確かに保守的な面もありますが、新しさを乗り越えようとする人たちもたくさん
いて、現に、これまでの歴史はそうした人たちによって新しい機械や道具を使いこなし
てきたことを教えてくれます。

AIも一部の職業はなくしていくでしょうが、それはAIに限ったことではなく、
これまでの新しい道具の多くがそうでした。
電卓は、銀行での仕事のスタイルを一変させたようです。また、自動車の登場も、それ
までにあった無数の仕事を無くしてしまったでしょう。しかし、それ以上にたくさんの
仕事を増やしたはずです。
 
同じく本日、用事の合間に、次の記事が目に留まりました。
  ダイヤモンドオンライン 2017/8/5
さっと読みましたが、未来はなんだか楽しそうです。
この記事にある「フロントエンドエンジニア」とは私も初めて聞きました。
ドローンで家を作る「3Dプリント建築家」とか、ロボットに仕事を教える「ロボット
インストラクター」とか、前者は実現するものか私にはよくわかりませんが、後者とか
は十分にあり得そうです。その他にもネットのコミュティを活用した新たな価値創造は
当然にあり得て、そのための職業がどんどん増殖していくのに違いありません。

新しいテクノロジーは、従来のスタイルに変革を迫ります。
それは、これまで歴史が教えてくれます。
そこで必要なことは破壊行動ではなく学習行動です。
環境変化に対応する最強の武器は、ダーウィンが言うように、学習しかありません。
そして、その時代を飛び交うホットな言葉に、単純に熱狂することなく、理性でもって
対応していくことも必要だろうと思います。
 
それにしても、未来のことをあーだこーだと考える(想像する)のは面白いでしょうね。
ガリラボは京都大学の昔の人文研みたいにほら吹きな集団のようでありたいと思って
います。
しかし、最近はほら吹きとは縁がなくなり、現実的なことの対応ばかりに追われて
いる気がします。
もちろん、それは大事でそれができないとダメですが、その上でさらに、想像の
幅を思いっきり振るダイナミックな思考も忘れないでいたいものです。
 
 




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