2014年6月15日日曜日

進化し続ける人は謙虚にならざるを得ない

いつものごとく日曜早朝は情報収集の時間。
そのとき、千葉県にある街「ユーカリが丘」のことを知りました。
千葉県佐倉市にあるこの街は、エリア内の人口が現在17,000人ほど。
未来の見える街とのキャッチコピーのついたこの街にはポータルサイトもあります。
これを見ていると、素敵な街だなと思います。
街の住民みんなで楽しいイベントをたくさん行っている(こちら)。

この街を作り出したのは山万という企業。もちろん、住民と行政も協力してでしょうが。
ここの特徴は、カンブリア宮殿のバックナンバー(2010/9/13放送)で紹介されています。
その紹介を引用させてもらいます。
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1962年に入居が始まった千里ニュータウン、1971年に入居が始まった多摩ニュータウン。
高度成長の時代、人々が希望に胸を膨らませ新都市計画が遂行された。あれから40年・・・。
今や限界集落となってしまったニュータウンも少なくない。高度成長期に一斉に入居した
住民は一斉に高齢化し、子供世代は新たな土地へと巣立っていた。
その結果、町は老人たちばかりが住むゴーストタウンと化してしまった。
そんな中、一線を画するのは、千葉県佐倉市にあるユーカリが丘ニュータウンだ。
1979年の入居開始以来、街は発展を続けており、人口も増え続けている。
さらに高齢化率は全国平均の22%を下回る17%。今も若年層の入居希望者が後を絶たない。
売ってしまえば撤退が常識のディベロッパー業界にあって245ha(東京ドーム52個分)もの
広大な土地を「発展し続ける街」として40年経った今日も、家やマンションが売れ続ける
この町、行政ではなく、いち民間企業、山万が作り上げた。
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山万という企業を重要な役割を果たしている。
だけど、この企業を初めて知りました。
この街の上記ポータルサイトもこの山万によって運営されているようです。
山万という会社、どういった会社なのでしょう。

カンブリア宮殿のサイトの編集後記で村上龍さんが、山万の社長さんについてこう書かれています。

ユーカリが丘は、地域社会のモデルとなり得る奇跡の街だ。
「こんな街、他にありますかね」と聞くと、「いや、ないと思います」と小さな声で、しかも照れた
ような表情で、嶋田さんは答えた。
どうしてこんなに謙虚なのだろうと思った。
真の事業家は決して威張らない。成功しても常に改善点を探し続ける。進化し続ける人や
企業は、謙虚にならざるを得ないのだ。
本物は謙虚だ 村上龍

進化し続ける人は謙虚にならざるを得ない。
これを読み、自分はどうだろうかと振り返りました。胸に突き刺さる言葉です。

今、M2(13)坂口とM1(14)吉村と状況に埋め込まれた学習をテキストに院ゼミをやっていますが、
新しい学習観を提示したこのテキストによれば、成長し、維持されていく共同体というのには
中心はないことを教えてくれます。
共同体のトップが中心ではなく、トップも成長を続け、共同体メンバーと同じく十全的参加へと
向かっていく。
そういう共同体を可能にするのが、トップの謙虚さであるのもしれません。
謙虚でないトップは成長は終え、それまでの価値観(=成功体験)だけで生きているでしょう。
そうなるとトップが共同体の中心を作ってしまう。
で、共同体メンバーはその停止したトップに向かって中心的参加をしようとしていく。
そうなった共同体は必ず滅亡します。

昨日、結婚式を挙げた04ゼミ長井口(現・平野)は在学中および卒業後も、よく私を叱って
おりました。
後、6月27日にアドミニ入門で1年生に向けて話をする09ゼミ長村中もよく私を叱って
いたように思います。
私が多少なりとも謙虚で、成長への歩みを止めていないとしたら、井口や村中らのゼミ生が
叱ってくれていたからかもしれません。
ガリラボ通信2013/6/28で紹介した「人生を無駄にするための10の方法」の8番目に
  「スゴイですね!」「さすがですね!」と言ってくれる人ばかりの環境で長く働く
というのがあります。
大学教員はほとんど怒られることがありませんので(笑)、井口のようなゼミ生は謙虚さを
失っていくことを防いでくれる大変貴重な存在でした。

ついでにもうひとつ。
6月2日のもやいすとジュニアのガイダンスで、受講の意気込みを書くよう課題として
出したわけですが、約300名ほどいた登録者は激減し、全部で92名がこの講義に挑戦する
意思表明をしました。
92名中2人の2年生がいました。そのうちの1人がこんなことを書いております(一部)。

  今年は担当教員が津曲先生に変更になった事を知り、以上のようなある意味特殊な立場で
  今回の講義のガイダンスに出席してみて、再度この講義を受けたいと強く思いました。
  ガイダンス中に津曲先生も仰っていましたが、去年と比べてかなり内容の濃いものになっていると
  実感しました。
  入門云々ではなく、ジグソー学習などの本格的にリーダー育成を目的としたある程度厳格な
  システムや個人への責任を組み込んで、リーダーとして必要なスキル・心持を実践の中で
  学ばせていく、受講者の本気度を試す構図には武者震いのようなものを感じました。
  おそらくこの講義をしっかり受けきった人間は学年を問わずかなりの成長をみせると思います。

これは怒られているわけではありませんが、こんなのを読むと私の方も大変強いプレッシャーを
受けます。感動さえしました。威張ってなどとてもおれません。
良い講義をデザインし、強い意志で挑戦してくる92名の学生たちの期待に応えなければと
強く思った次第です。
もやいすとジュニアに関わるガリラボのみんなも是非とも一緒に頑張ってほしい。
  
話がずれました。^^;
戻します。
ユーカリが丘のことを知り、その発展に驚いたのですが、その発展は、山万の社長さんの
謙虚さが大きな原動力になったのに違いないと村上龍さんの編集後記を読み、思いました。
となると、ガリラボの成長そしてゼミ生の成長を考えるのであれば、私自身が成長しないといけない。
サボってなどおれませんね。

発展を続ける街の存在、そしてその社長さん、勉強になった日曜の朝でした。

  

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