2013年7月8日月曜日

風立ちぬ

ジブリ映画「風立ちぬ」がもうすぐ公開されます。

映画がどういった内容なのかよく知りません。
が、主人公の堀越二郎が持つに至った美意識がどう描かれているのか、
非常に気になります。
エンジニアを目指してた頃、何度も読んだ本に描かれていた堀越二郎の
設計における繊細な思想に、強い影響を受けました。
私だけでなく当時の多くの人がそうだったと思います。
当時、ゼロ戦にはうっとりするほどの美しさを感じていました。
そうした機械(人工物)について、機能性を徹底的に追求していった結果産み出
されていく美しさは、設計者の持つ美意識が強く関係しているものでしょう。
私自身、美しい人工物自体が大好きです。
しかしそれ以上に、そういった優れた人工物を生み出している人間の美意識の
方に強くあこがれています。
風洞実験を繰り返し、空力性能を追求して現れる曲線美はもちろんのこと、
高速性を獲得した結果、ゼロ戦の操縦に対しパイロットが感じる違和感を
吸収するためのマン・マシンインターフェースについての斬新な方法など
堀越二郎の持つ美意識に興奮しながら本を読んでいた記憶があります。
 
美意識は、その領域の推進の方向を定めていくジャイロのようなものです。
著名な物理学者ファインマンがノーベル賞につながる理論研究を行っていたとき、
自分たちは今良い方向に向っていると直感していたそうですが、これなどは
自然に対する美意識が強く影響していたのに違いありません。
(大学の学部時代、ファインマンの本で物理を勉強しました。物理の本当の
面白さに目覚めさせられた優れたテキストでした)

優れた美意識を持つことが優れた方向に自分を導いていく、と信じています。
そうした美意識はどうやって醸成されていくのでしょう。
物事に対する真摯な態度、そして畏敬の念とかそういったことは必要条件には
なりそうですが、どうもそれ以上はよく分かりません。

風立ちぬを観た後にでもまた考えてみたいと思います(時間があれば)。^^:

私の妙なこだわりを察し、M2(12)大塚がこんな絵を描いてくれました。^^


今日は珍しく夜ひとりで静かな研究室にいます。
その環境のせいで、つい昔を懐かしむスイッチがオンになったようです。
さらにスイッチをオンにしたもうひとつの理由は、昨年の今ごろのガリラボの活動を
調べていて「この世界は美しい(2012/7/17)」なるエントリーに辿り着き、河瀬直美
さんの次のTEDのプレゼンを見たからです。


一人静かにプレゼンに聞き入りながら、改めて(強く)感動しました。
この世界は美しい。
その美しさを感じることが出来る人が優れた美意識をもつことになるのでしょう。
そういった美をキャッチできるアンテナをしっかりと立てておかねばと思います。
 
 

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