2014年7月13日日曜日

忙しいということ

次は、Facebookページ「2030年、そのとき日本は?未来はどうなる?」に、偉人の言葉として
紹介されていたものです。

暇が無い、というのは気分であって、
 必ずしも事実ではない。
 結論を急ぎすぎて経過を楽しまない。
 それが忙しいということである。
     by 養老猛司(日本の解剖学者、東京大学名誉教授、作家)

忙しいとは、ほんとに忙しいのではなく、気分だといいます。これについては
引き続きこう解説されていました。

  忙しい現代社会において、時間がない、暇がない、
  だから、これはできない、とはよく言われています。
  これはまるで、当たり前のようになっています。
  しかし、本当にそうなのでしょうか?
  時間というのは、捻出するものなのです。
  そして、あることに対して優先順位を上げれば、
  必ず取り組むことはできるのです。
  また、あることに取り組む時に、結論を急ぎ過ぎると、
  経過を楽しむことができません。
  経過を楽しむことができないから、忙しいと感じるのです。
  逆に、経過を楽しむことができれば、そのことでどんなに
  忙しくても、本人は忙しいとは感じません。
  そのことに夢中になっているからです。
  気が付いたら、1日が過ぎていた
  ということもあるでしょう。
  何事も、楽しんで取り組むことができるかどうか?
  これが鍵になるのですよね。

如何でしょう。
この忙しさとは時間意識とも深く関係しているかと思います。
ガリラボで、雑談をする機会があると、たまに小学生の時の時間意識と
例えば大人になったときの時間意識はまるで違うことをゼミ生に話を
することがあります。
小学生の時には、夏休みというと無限の時間があるように感覚になって
いたのではないでしょうか。
それが歳を重ねるのに従って、あっという間に過ぎるようになっていく。
その感覚が進行すると、1年とかもあっという間だという話も聞きますね。

これらはすべて今現在の時間を主体的に生きているかどうかにかかっているの
だろうと思います。
人間の生きている時間とは、時計が刻む時間と同じではありません。絶対に。
人は、それとは異なる時間を生きています。
豊富な経験をして、その経過を楽しんでいるとき、小学生がそうだと思いますが、
人は密度の濃い時間を生きる。
それと逆のパターンで過ごす人は、時間は消滅してしまい、すべてがあっという間に
過ぎ去っていく。
年齢を重ねると時間が過ぎるのが速くなるということを聞きますが、これは嘘です。
もしそうなっている人がいたら、その人は、目の前のことをすべてルーチン化してしまって
いて時間を消滅させてしまっているのでしょう。
新しいことに何も挑戦せず、今この瞬間を楽しんでいない人たちだと言って良いでしょう。
常に忙しい、忙しいといっている人たちとかがその部類に入っている。
小学生が忙しいと言う言葉を発することはまずないでしょう。
人は、どんな年齢になっても、小学生と同じような時間を生きることは可能だと
私は思っています。
常に新しいことに積極的に取り組んでいる人などがそれに該当します。
人間国宝になった三味線の奏者の方が毎日三味線に触っていても、全く飽きない
といったことを言われているのを聞いた記憶があります。
きっと毎日新しいやり方で三味線と向き合っておられるからでしょう。

そういった人たちは忙しいは言うことはありません。
何事にも前向きにプレイフルに活動している人は、時間をねん出=創造できる。
豊かな時間を時間を生きていくことができる。
いつも子どものような新鮮さで仕事をしていける。
できればそうなっていきたいですね。
そのためには、創造力がいる。
創造性とは、仕事にも必要ですが、それ以上に豊かな人生を生きていく上で必要な
大事な能力と言ってもよいかもしれません。
コミュニケーション能力以上に。

先日のキャリア形成論(ガリラボ通信2014/7/12)でM1(14)吉村が次の言葉を
1年生に紹介していました。
上で書いてきたことが凝縮されている言葉だと思います。
1年生にうまく伝わったでしょうか?
このメッセージをうまくキャッチできた1年生は、きっと豊かな時間を生きていくことに
なるでしょう。


明日から、大学院の講義では「自分と未来のつくり方」という岩波ジュニア新書を
読んでいきます。

情報産業(メディア業界)をテーマにした本なのですが、冒頭で、ミヒャエル・エンデの
有名な「モモ」が話題として取り上げられています。
モモに出てくる時間泥棒たちは、人間の時間を奪い、忙しさをもらたす人たちとして
表現されています。
現代ではこの時間泥棒たちは、メディア産業であり、それが私たちをかなり忙しく
させてしまっている。
院の講義で取り上げたテキストは、そういったことを読み解いていくものです。
本のサブタイトルは「情報産業社会を生きる」というものです。
午前中に、(ちょっとした忙しい)仕事の休憩中に読みましたが、非常に面白い本です。
 
時計が作る線形時間の中で、受け身的に生きていくことも別に悪いことではないですが、
今現在を主体的に生きていくことで、人間本来の非線形時間を生きていくことができ、
それが豊かな人生へとつながっていくのではないかと想像しています。
そのためには必要なことは、創造力と思慮深さでしょうか。
そうしたスキルをトレーニングするには、ひとつの方法は、対話の中で深く考えていくことでしょう。
たまに開講されるガリラボでの夜の哲学談義などがそれにあたるように思います。

ただ、なかなかそれが開講される機会はめっきりと減ってしまいました。
私の忙しさのせいでしょうか。。。  (。-_-。)
 

中途半端な内容になってしましたが、以上で終わります。
これから「軍師 官兵衛」を見ますので(私が唯一リアルタイムで見る番組です^^)。

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