2016年11月20日日曜日

アルバイトで経験を消費しているかもしれないゼミ生へ

随分と仕事に拘束され、自由な時間を取れないでいたのですが、かなり久々に
日曜日の午前中、自由時間ができました。
いつも焦って慌ただしく仕事をしている雰囲気との違いに家族も驚いておりました。

仕事とは直接関係しない本を読みながら、合間には、色々なブログで情報収集して
いたましたら、中原さんのブログ
 学生時代の「アルバイト選び」のときに意識しておきたい、たったひとつのこと
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaharajun/20161027-00063744/
に目が留まりました。
アルバイトには次の2種類があるのではないかというのが中原さんの仮説です。
 (1)自分の経験値を伸ばすアルバイト
 (2)自分の経験値を消費するアルバイト
それで、できれば「伸ばす」方のアルバイトを心がけた方が良いでしょうとの提案でした。
当然ですね。
経験値を「伸ばす」アルバイトとは、中原さんによれば、
   社会人になって必要になるスキルを伸ばすことができ、かつ、教育世界から
   職業世界への移行時に、そんじゃそこらの他人にはない貴重な経験として
   他者に語りうるアルバイト
であり、こうしたアルバイトは、
   「Talkability(他人が興味をもち話題になりやすい)」が高く、他者が興味を
   持ちそうな仕事の世界
だとも書かれていました。
興味深いですね。

アルバイトの話といえば、私はよく4年(13)松崎のアルバイトの話を聞きます
(聞かされるというのが、正しいかもしれません。笑)。
松崎のアルバイトは、かなりトーカビリティが高く、「あー、経験値を伸ばして
いるなぁ」と感じます。
経験をしながら松崎自身が色々なことをよく見ているからでしょう。

私も学生時代にアルバイトをしました。
大学に進学してのアルバイトのメインは、日曜日の「穴掘り作業」でした。
これは、早朝から夕方まで、道路や学校校庭をスコップでひたすら穴掘りをする
アルバイトでした。
1日働くと5千円ほどの報酬がもらえ、当時、大学の学食であれば、1週間分の
毎日の食事をこのアルバイトで喰いつなぐことができました。
アルバイトは、この日曜だけ(食費以外の必要経費は奨学金で補ってました)。
穴掘り作業は、非常に原始的で、スコップによる手作業でした。
朝からずっと、自分の背丈ほどの穴をスコップでひたすら掘り続けるのです。
その際、学校の校庭の土の硬さを嫌というほど味わいました。
雇い主さんは、アルバイトが掘った穴に、最終的に重機を使ってブランコ、ジャングル
ジム、滑り台などの遊具を設置していかれました。
(雇い主さん、設置する重機は持っているのに、穴を掘る重機がどうして持ってなかったのか、謎です)
バイトした日の夕食は、穴掘りの疲労で手の握力が消失していて、箸を持てなかった
記憶があります。

1週間の食費を稼ぎ、生活のためのアルバイトだったので、経験値として何か役に立った
のかはかなり疑問。
部活で鍛えてきた自分の体を消費していたアルバイトだったかもしれません。


中原さんのブログにあるような良質な考え方を、その当時、しっかり入手していれば、
もうちょっと考えていたのかもしれません。
ただ、当時は、ほとんどが正規職で、非正規という職種が発展していなかったので
アルバイト自体が多くありませんでした。
なので、選択すること自体が無理だったという事情はありますが、それ以前に、中原さんの
ような良質な考え方を知る機会がなかったので、選択肢があっても、1週間喰いつなげる
魅力に惹かれて同じようなことをしていたかもしれません。

ほとんどのゼミ生がアルバイトをしているかと思います。
何らかの機会に、その意味を考えてみるのも良いかもしれませんね。
そうした行為を、リフレクションと呼びます。

最後に、中原さんのブログ内の最後の言葉を引用したいと思います。
 「アルバイトを選ぶ」という非常にありふれた日常的な瞬間にでも、少し意識を
 していれば「将来のこと」「キャリアのこと」を考え得るのだ、と思うのです。

ぼんやりとしていて消費を繰り返していくことは避けましょう。
自分が消費されていくことに抗うには単に勉強ができるという知性ではなく、もう少し
野生的な、実践的な知性が必要だと思います。
今日も3年(14)児玉、塚田、早瀬と3年生の一部が興津会の準備を自主的にやっていた
ようです。
こうした機会を通して、ゼミ生には、そうした知性をトレーニングしていってほしいと
思います。
 

1 件のコメント:

  1. 穴掘りの仕事なら「なぜ校庭の土は硬いのか」とか「なぜ機械で掘ったらだめなのか(多分理由があるはず)」なんてことを考えながら掘るともっと面白かったのかもしれませんね(*´ω`*)

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