2016年11月23日水曜日

もやいすとジュニアの1日授業/14ゼミ生の次の課題・・・

祝日の非常に天気の良い朝、本日はもやいすとジュニア育成プログラムの
1日ワークショップの日でした。


朝8時に、本日の裏方となるもやいすとシニアの2年生とSAの3・4年生がアリーナに
集合し打ち合わせ。

本日のプログラムは最初に、ジュニアの課題について考えてもらうフューチャーセッションと
その後、3つのプログラムに別れて3種類のワークショップを行いました。
フューチャーセッションの準備。9時にはアリーナに260名のもやいすと(地域)ジュニアが
集合し、ここで大規模なフューチャーセッションを行います。

広いアリーナに260名の学生が集います。
マイクとBGMは不可欠かと思い、音響機器を準備してもらいました。


冒頭あいさつの後、9:10からもやいすとシニアの2年生の司会(ひとりは2年(15)宿利)で
フューチャーセッションが始まりました。


ところで、もやいすと(地域)ジュニアに与えている課題は
  「地域コミュニティ」の観点から、仮設住宅の暮らしに対する課題を設定し、
  課題を解決する具体的な道具(「もの」)を考案及び製作した上で、それを
  利用した改善プランを発表すること。なお、具体的な道具(「もの」)は千円
  以下の費用で制作可能なものとする。
というものです。この課題に、これまで学んできた知識を用いて挑みます。
そして、その結果は12月24日に発表することになっております。
この日のセッションは、そのためのアイデアの種を創造することを目的としました。


グループの活動支援をするSA(ファシリテーター)の4年(13)飯沼。

同じくSAとしてジュニアの意見にコメントしている3年(14)塚田。

そして、男子学生も。SAとして指導する3年(14)谷口です。


入念に準備してきたシナリオと司会の進行によって90分ほどのフューチャーセッションは
無事に終了しました。
最後、ジュニアから出てきたアイデアに対し、ファシリテーターがコメントする形成的評価も
組み込まれており、いい感じで終われたと思います。
この後、ジュニアのチームはシニアに連絡を取りながら、自分たちのアイデアを洗練させて
いき、12月24日の発表に臨むことになります。

県大というキャンパスの中で、1年生500人から成る100チームが、これから1ヶ月ほど、
学部学科を越えてシニアの2年生とコミュニケーションを取って、あちこちで相談をしている
と考えると、非常に楽しくなりますね。
アカデミックなキャンパスにふさわしい状況ではないかと思います。
今回のプログラムには、そうした考え方も組み込んで企画しました。
あちこちで、アカデミックな話題で議論が起きているキャンパスって魅力的ですよね。
 

フューチャーセッションが終了した、260人は3グループに別れて異なるワークショップに
参加してもらいました。
(1)クロスロードゲーム
確か、阪神淡路大震災以後に考案されたもので、ダブルバインド的な厳しい判断を迫られた
ときにどう対処していったら良いかをトレーニングする、防災教育用の教材です。

今回、このゲームをもやいすとシニアの学生たちが県大学生用にアレンジしてくれ、
それを80名ほどの1年生に1番教室で実践してくれました。
ということで、司会も2年生。ファシリテーターも2年生です。

クロスロードゲームに挑むもやいすとジュニア。

ファシリテートするもやいすとシニアの2年生(15藤川)。

これは午後の防災ジュニアの時のものです。午後はわかりやすいように、
シニアは大学ロゴ入りの上着を着てもらいました。

クロスロードゲームが全て終わって、最後に、このゲームの意図が発表され、
意味が解説されました。他者がどういった意見を持っているのか、特に多数派になる
意見とはどういったものかを、ゲームを通して知ることが狙いであったと種明かしを
シニアの2年生がしております。


(2)救急法(AED等の活用ワークショップ)
日赤熊本県支部の協力を得て開催した、緊急時対応について学ぶワークショップです。

まずは講義。映像等をみながら、救急法の基礎を学びます。

その後、声を出してひとつづつ確認していくトレーニングをしてから、救急法の
演習へ。

心肺停止状態になった方に遭遇したときの蘇生法訓練です。

この後、AEDを使った救急法も学びました。今日1日で160名以上の1年生が
短時間ですが、救急法というものを体験しました。全くそういうものを見たことも、聞いたことも
ない人が、緊急の場合に迅速に対応できるということはあり得ません。この意味で、この体験は
将来的に大きい意味を持つのではないかと思います。


(3)避難所設営・運営訓練等
熊本YMCAの協力を得て実施した災害時の対応について学ぶワークショップ

まずは座学。熊本地震の際のボランティアの話、避難所の運営のあり方などの
レクチャーがありました。

YMCA神保さんは、この日、このレクチャーを合計6回行ってもらいました。
震災の<語り部>という雰囲気でした。^^;


避難所設営についてのワークショップ。プライバシーの問題の大切さ力説される
YMCAの中村さん。そしてもう一人はHope+に協力してもらった丸目さん。お二人で
避難所の実際を紹介してもらいました。

板の間から、段ボール、そして最後は畳と、徐々に下にするものが変わるところでの
体験と段ボール間仕切りの効果などを体験しています。

段ボールで作った支柱で避難所を設営しているところです。

避難所の個室部屋を再現したものです。確かに、益城町総合体育館には、
このタイプの避難所が整然と並んでいたことを思い出します。

次はサバイバル体験コーナー
色々なサバイバルグッズを紹介してもらいました。
学生が着ているのは、寒さ防止のサバイバルシートだそうです。

パラボラアンテナ風の道具は、太陽光を集めて煮炊きするのに使うものだそうです。

毛布と物干しざおを使った簡易担架づくり。


これは上着を使って作る簡易担架ということでした。物干し座を握ったままの
状態で上着を脱ぐとそのまま担架になる。なるほどでした。

ペットボトルとろ過用のいろいろ材料(布、砂、石、炭?)を使って汚水を浄化する簡単な
道具も紹介してもらいました。

3つのコーナーをローテーションし、全員すべてのコーナーを体験しました。
午後は防災ジュニアに対して同じことをやってもらったので、YMCAの皆さんには
同じ内容を6回もしていただきました。感謝です。



 
アリーナで開催した260名の地域ジュニアが参加したフューチャーセッションの全景(午前)。
(午後は、防災ジュニアが同じようにアリーナ内でフューチャーセッションを行いました)


この光景を見ながら、あることを思いました。

熊本県立大学では、「もやいすと育成」というプログラムを1年生は必修として受講する
わけです。
それは、全学生が、アリーナで同一の課題に挑むという体験を共有したことになります。
500人全員です!
熊本県立大学の学生は「もやいすと」という体験を共有するため、この共通体験は、
県大生のアイデンティティとして非常に大事なものになるのではないか、と。
もやいすとという共通のプラットフォーム上で、県大の学生たちは共通言語で話ができる
可能性が生れます。
例えば、「もやいすとは誰と一緒だった?」とか、「あれ大変だったよね」とか、「フィールド
ワークは大変だった」とか、こういったことを共通に話せるようになるわけで、共通言語の
存在は、県大生同士の親和力を強めていくはずです。
1,2年実施しただけで、そう成果が出るものではないでしょうが、これがもしも長く続いて
いくようであれば、この共通言語を持つ卒業生が社会のあちこちで働いていることになります。
そうした状況に至ると、県大に新しい文化が生まれているのではないかと思うのは、私だけ
ではないか、と。
県大という大学の色がさらに濃くなっていくようにも思えます。
これは恐らく良いことではないかと思います。
そのためには、このプログラムを安定化していかねばなりません。
そして、そのためには解決すべき課題に向き合っていかねばと思っているところです。
頭が痛いところですが。
 

長い1日が終わり、18時過ぎ、もやいすとシニアとSAの学生たちがCPDセンターに集合。
全てが終わり、「お疲れ様」、「ご苦労様」の声が多いようでした。
8時から18時まで10時間ですから当然です。
ただ、それを聞いたからでしょうが、特にシニアの学生たちの感想を聞いてからですが、
あえて私からは辛口のコメントを。
伸びようとしている学生たちなので辛口のコメントしました。
(司会をした2年(15)宿利には午前中が終わってすぐに厳しい指摘をしておきました)
次の改善につながるような言葉で経験を記述していかないと結局は、経験しただけに終わ
ってしまいます。
そうでないと経験学習のサイクルが回らない。
ゼミでもよく話しますが、振り返りの仕方があまり良くないですねぇ。
深い振り返りに少々欠けている。
ならば、どうすればよいか。
私にも良い答えがあるわけではありません。
最近思うのは、もっと知的な振り返りの言葉を聞いてみたいということですね。

私のコメントについて、そしてその後の堤先生のコメントについて、シニアとSAでメモを取って
いたのは2年生の男子学生が1人だけでした(確か)。orz

 

14ゼミ会議
昼休みに14ゼミ会議を行いました。
興津会が終わって何をやっていこうかという非常に重要な課題を議論しました。
HOPEプロジェクトがあまり進んでいないで、これをそのまま14ゼミとしてやることは
非常に難しいだろうというのがゼミ幹部の大方の意見。
されば何をやるか。
とりあえず、私からひとつの提案をしました。
議論する中でその提案は没になりましたが、しかしそれが踏み台になって非常に
面白いテーマが見つかりました。
企画は来週までに固めることになりますが、14ゼミ生みんなやろうと言ってくれるのでは
ないかと思います。







<おまけ>
ファシリテーターとして奮闘していたゼミ生たち。(たくさんいたので、全員は写って
ないような。。。申し訳ない)
14園田
13岩坂
14塘添
14山本
14廣木14古谷
14秋山
14島田
15藤川14岩崎



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