2013年6月20日木曜日

2030年の学びデザインプロジェクト(その後)

新年度冒頭から、ガリラボ関係者有志が集まっての「2030年学びデザインプロジェクト」を
展開してきたわけですが、完了報告を2013/5/6に行い、プロジェクトは解散しました。
当然、それでこのプロジェクトは最後だと思っていましたら・・・・・、
なんと、
5月31日に次のメールが届いたのです!!!



4年(10)吉村が担当した「西遊記モデル」が電通・博報堂が主催する
MIRAI DESIGN AWARDで入賞したのです。拍手!
驚愕でした。
驚きでした。
まさか、でした。
ほんとに目が飛びでるほど驚きました。
(幸い目が細いので辛うじて飛び出るのは防げましたけれど)
だって、AWARDの審査員は、
  審査員
    永井一史 HAKUHODO DESIGN  (MDL.共同発起人)
    池永忠裕 電通 (MDL.共同発起人)
  特別審査員
    増田寬也 野村総合研究所 顧問 / 東京大学公共政策大学院 客員教授
      (総務大臣、内閣府特命担当大臣、岩手県知事など要職を歴任)
    津田大介 ジャーナリスト/メディア・アクティビスト
ということで、凄すぎる方ばかりです。そんなコンテストで入賞するとはですねぇ。
ほんとに驚きました。
 
しかしながら、その驚きがまた不安に変わってしまいました。
入賞者には電通本社でのワークショップへの参加が義務付けられて
いたからです。
しかもそれから9月下旬まで何度かワークショップが行われ、それに
参加していくことになるのです。
学生GPで、近畿日本ツーリスト九州と連携して、ラーニングキャンプの
開発に取組んでいる吉村の場合、とてもではないですが、それに関わる
時間はとれそうにありません。
吉村と共に熟慮した末、大変残念ですが、入賞を辞退することとなりました。
愚かな判断だと思われる方が多数かと思います。
卒論よりもMIRAI DESIGN AWARDの方を取るべきだと思われる方の方が
多かろうと思います。
しかしながら、卒論で現在もアップアップしている状態で、また吉村の場合、
卒論に留まらず、それをさらに発展させないといけない状況にもあります。
それ以外にも色々と考えた末での結果です。
だいたいが入賞するとか予想もしてなかったので、それへの準備をまったく
していないことが、今になって考えてみると反省点でした。
せっかく与えられたチャンスを手放すことになり、2030年の学びデザイン
プロジェクトに関係したガリラボの全ての皆様にこの場を借りてお詫びを
いたします。
吉村共々この場を借りて深くお詫び致します。
  
MIRAI DESIGN AWARDで評価された吉村によるアイデアをここに再掲して
おきたいと思います。
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西遊記モデル
1)2030 年、日本をイノベーターの活躍であふれる国にするために、あなたは何が課題だと考えますか。
 イノベーターとは、現状に満足せず、常に新しいものを求め挑戦していく。また、そういった行為自体に“わくわく感”を持てることがイノベーターの要素でもある。所謂イノベーターという存在が、少ないのは“失敗”を認めない社会の現状があるからと言っていい。「失敗は成功の元」という諺があるように“失敗”を経験することで、人は何かしらの学びを受け成長していく。しかし、日本では学歴などの競争社会で成長していく中で“失敗”を恐れて新しいことにチャレンジしないようになってしまう。つまり、今の日本において失敗を恐れず挑戦していく人材が必要だと言えるだろう。また、イノベーターに欠かせない要素として賛同者となる“友人”の存在がある。現代の代表的イノベーターとして挙げられるような人々(ザッカーバーグやジョブズなど)も、ひとりではイノベーションを起こすことは出来なかった。すなわち“友人”を作る能力も必要になるといえる。
2)その課題を解決する、「学び」のアイデアをおしえてください。
 私たちは成長の過程で幼少期を必ず経ている。幼いころ「失敗」を咎められただろうか。もちろん生死に関わるような重大な事は別であるが、大抵の場合、挑戦と失敗の反復はセットであり、これらは周囲の環境から容認され、失敗によって学び、次の挑戦が促進されている。挑戦とは、現状の打破と言い換える事もできる。子供の時分のまま失敗を恐れず、あらゆることに疑問を抱き、常に挑戦することを忘れない人材を育てるためには“学ぶ”ことが楽しいと自然と感じる必要があるだろう。そこで、物語「西遊記」をモデル化したワークショップを提案する。「西遊記モデル」の特徴は以下の二つである。
①多様性
 孫悟空、猪八戒、沙悟浄、三蔵法師のように人種、国籍、性別、世代を超えた様々な人と行動する中でそれぞれの能力や知識などを生かし、多様な活動や経験ができる。また、多様な人々がいる場合、すべてが異質の存在となるため(同質の中から異質を排除しようとする)いじめのようなことは起きづらい。そして、半強制的に行動を共にすることで、半自発的に“友人”を作る(興味関心が近い、年齢が近いなど)ようになり、多様な人々と“友人”になる能力が身につくようになる。
②自由に学ぶ
 中国(スタート)から天竺(ゴール)までの決まりはあるが、その過程での規則や決まりはなく、三蔵一行は“自由に”行動し、様々な出来事に出会う。その中で、失敗、挑戦、成功を繰り返し、様々なことを学びながら成長していく。また、机の上でただ勉強して学ぶのではなく、様々な活動を通して知らないうちに学びを体験していき、常に楽しさをもって学んでいくことができる。
3)あなたの考えたアイデアは、どのように実現したらいいでしょう。
 西遊記と同様に中国(スタート)と天竺(ゴール)を設定し、ゴールへの着き方(交通手段など)や着くまでの間の行動を自分たちで考えてもらう。例えば、熊本から博多を設定し、その間の交通手段(自転車、鉄道など)、何をするかも自分たちで考え、自由に行動してもらう。そして、ゴールに着いたら自分たちの行動を発表してもらいリフレクションをする。また、これを集団登下校に当てはめることもできる。家から学校まで、という決まりはあるがその間は自由に行動していい(公園に寄り道するもよし、林の茂みに入り昆虫採集をするもよし)。多様な学年構成により、上級生が下級生に様々なことを教え、逆に下級生の考え方や行動は上級生に刺激を与える。このように、西遊記をモデルとして、制限された自由な枠組みが設定されれば、その中で多様な人々と出会い、多くのイノベーションの種子が埋め込まれ、失敗を恐れることなく様々な挑戦が繰り返されるだろう。

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辞退はしましたが、4月にプロジェクトメンバーで熱く語りあったアイデアが、
一定の評価を受けたことは大変嬉しい限りです。
これによって、ガリラボでの議論は、国内的に一定の水準を持っていることを
証明できたわけです。
ゼミ生も自信を持てるのではないでしょうか。
 
今日もガリラボではたくさんの、たくさんの議論が行われていました。
MIRAIに向け、ガリラボは着実に前進していきたいと思います。


MIRAIへ

 


 

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