2016年3月17日木曜日

卒業式前日に見かけた日常の風景

明日に卒業式を控えた、本日お昼頃のガリラボです。明日が卒業式であるにも
関わらず、4年生の(12)尾堂と坂本がいつものように作業しています。
これまで何度となくガリラボで見てきた光景です。


明日が中学の卒業式という日、東日本大震災に遭遇し、一瞬にして、色々なものが
消えてしまう経験した20歳の仙台高専の女性が、インスタグラムで色々な日常を
切り取って投稿をされています。
その一つが「このままで居られないかな」とのメッセージを添えた次の学校での写真
だそうです。
高専は5年で卒業。
5年前、震災直後に入学してから、今月で卒業になるはずです。「このままで居られない
かな」は、震災を体験した彼女の卒業を前にした思いが込められているように思います。

 
紹介されていた朝日新聞デジタルの2016/3/15の記事「当たり前」の価値、震災で知った 
日々の一瞬を写真に」には、この女性の声が次のように書かれていました。
  2年前、たこ焼き屋でアルバイトをしてためたお金で一眼レフのカメラを買った。
  授業後の教室、夏の花火、砂浜ではしゃぐ姿……。親友5人組でとる集合写真は、
  セルフタイマーにして、できるだけ気づかれないようにシャッターを押す。見返す
  たびに楽しかった瞬間に戻れるのが、写真の魅力だと思う。「震災でいろんなものが
  一気に消えてしまった。だから、日々の一瞬一瞬を残しておきたい」
日常は、当たり前すぎて、その瞬間には重要性をほとんど感じないものです。だから、記録
として残ることも少ないのですが、震災のような深刻な経験をすると、その日常の大切さを
誰しもが深く理解できるのではないでしょうか。
特に色々なことに真剣に向き合ってきた頃の日常は、さらに愛おしいものになるのでは
ないかとも思っています。
 
昨晩、4年(12)尾堂が、私宛に次のメールを送ってきました。
  あと2日で卒業となり、もうゼミ室に行くことができるのもあと片手で数えられるほどに
  なりました。
  最後の最後まで、しっかりと津曲研究室の学生らしく過ごしていきたいと思います。
  また明日からも、残り少ないですがよろしくお願いいたします。
このメールにある通り、冒頭の写真でもわかる通り、最後の最後、ギリギリまでガリラボの
ゼミ生らしいことを淡々と続けている尾堂です。

実は、このメールは、昨晩、一緒に夕食の時間を過ごした後に送ってくれたものです。
メール(の全文)を読み直し、ここまで書いたら、すごく辛くなりました。
どうして鹿児島に帰るんでしょうねぇ。。。。
尾堂がガリラボに居ないときの方が圧倒的に少なかった。居なかったのは、それこそ
鹿児島に帰省している時ぐらいだったですかね。
そうした日常が無くなるのかと思うと、ほんとに悲しいものです(涙)。
長い付き合いでした。

 

お土産
2年(14)秋山からのお土産。大分に旅行にいったようです。今、2年生ですから、
これからガリラボで本格的に活動を始めます。
ガリラボの新たな日常を作っていってくれるでしょう。


 
<参考>朝日新聞デジタル2016/3/15記事
「当たり前」の価値、震災で知った 日々の一瞬を写真に
http://www.asahi.com/articles/ASJ3D4HNXJ3DUEHF004.html
東日本大震災後の「いま」をインスタグラムの写真とメッセージで募集した朝日新聞デジタルの企画「#震災わたしはいま」。震災の年に仙台高専に進学した宮城県石巻市の佐藤奈々絵さん(20)は、この春の卒業までに撮りためた、地元石巻や学校生活の様子を投稿した。
中学3年生だった5年前の3月11日。卒業式を翌日に控えて、自宅で1人、もらったばかりの卒業アルバムを眺めていた。突然、経験したことのない激しい揺れ。気がつくと、自宅はめちゃくちゃになっていた。
両親は仕事、妹は小学校、祖母も外出していた。ちょうど下校途中だった友人をみつけ、一緒に高台の石巻中に避難した。
「20メートルの津波」。友人の携帯電話のワンセグで見たニュースに、「やばい」と思った。その夜、覚えているのは、火災で真っ赤に染まった空、爆発音、体育館に響く泣き声。怖くて心細くて、母親が迎えに来てくれるまで声をあげて泣いた。
 「勉強しろ」と口うるさい親元から離れたくて、中学卒業後は高専の寮で生活すると決めていた。それが一転、5月に学校が始まってからも「家族と離れたら、もう二度と会えなくなっちゃうんじゃないか」と、不安でたまらなかった。週末のたびに自宅に戻り、携帯電話で自宅の周りを写真に撮っては、平日に見返して寂しさを紛らわせた。
 支えてくれたのは学校の友人たちだった。親元を離れ、みな心細かった。テレビで震災報道を見るのが嫌で、夜、勉強が終わると、寮の部屋に集まってたわいもない話で盛り上がった。
 2年前、たこ焼き屋でアルバイトをしてためたお金で一眼レフのカメラを買った。授業後の教室、夏の花火、砂浜ではしゃぐ姿……。親友5人組でとる集合写真は、セルフタイマーにして、できるだけ気づかれないようにシャッターを押す。見返すたびに楽しかった瞬間に戻れるのが、写真の魅力だと思う。「震災でいろんなものが一気に消えてしまった。だから、日々の一瞬一瞬を残しておきたい」
 この春、仙台高専の準学士課程を終え、専攻科に進学する。親友の4人も、進学したり就職したりそれぞれの一歩を踏み出す。「#震災わたしはいま」に寄せた投稿のひとつ、友人の後ろ姿を写した写真には、大好きな言葉を添えた。
 「明日も当たり前が続いていきますように」
 
 
  
 
 

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