2016年4月10日日曜日

3月卒業したゼミ生最初の訪問者/新しい塾の方向性

金曜(4/8)夕方、その日のガリラボ通信を書いて投稿した直後に卒業生が顔を出しました。
この3月に卒業した卒業生としては、ガリラボに最初にやってきたゼミ生となります。
そういうと大げさですが、やって来たのは大学の教学IR室に勤務することになった
OG(M14,10)吉村です。 お菓子の差し入れを持参して。


同じキャンパスにいるので、いつでも来れそうですが、やはり一度卒業して、正統性を
失うとなかなか難しい。
正統性というのは想像以上に私たちに強い制限を与えるものです。
同じキャンパスで、しかも午前中は私が勤務していることの多い同じ本部棟に4月1日から
いるわけですが、会うことは殆どなくて、話をすることもありません。
会うことがないから話をしないわけでもなくて、おそらく、キャンパス内ですれ違っても、
話をすることはほぼないでしょう。
4月1日から大学の職員となり、私との関係が変わりましたので。
関係性というのは、強く人に制限を与える権力として機能します。
今、改めて、関係性(それぞれの立場)とは、人の会話をかなりコントロールしていることを
大変具体的に、そして実践的に教えられています。

だけど、ガリラボに来てくれれば、仕事上の関係は消失し、教員と卒業生という関係になります。
一気にざっくばらんな話をすることになります。
関係性って、よくよく考えるとほんとに不思議な性質を持つものです。
 
研究室の関係に戻った瞬間、開口一番、吉村が言ったのは「私に会えなくて寂しいでしょう
だったような・・・(大よそそんな感じでした)。
笑ってごまかしましたが、実際にその通りで、否定できないところが悔しいところ。^^;
6年近くもずっと一緒にいて、特に後半の3年間は同じ目標(学習の問題)に向かって走って
きた仲間であったので、喪失感が簡単に癒えるものではありませんでした。
さらにですね、なまじっか同じキャンパスにいるものだから、ちゃんとやっているんだろうかと
気になって仕方なく、仕事をしている様子を覗いてみたい衝動にいつも駆られています(まるで
父親の心境だと我ながら感じてます笑)。
 
ただ、今はもう話をする機会が激減しているので、今後は「会話の切れ目は縁の切れ目」という
言い方に代表されるような状況になっていくのでしょう。
吉村としては、6年も居たので、早めに縁を切り、新たな世界で活躍していこうと考えているでしょう。
実際そうあるべきだと思います。
ただ、わがままを言うならば、吉村には、卒業生というお客さんの立場ではなく、一定の正統
性を持って、もう少しだけ縁をつないでもらって、ガリラボで培った知識やスキルをガリラボに
還元していってくれると嬉しいなとも思っています。
そして、そのついでに、仕事の関係でない関係で、卒業生と教員というこれまでとは異なる
関係の中で、学生時代とはまた違った話もできるかもしれませんし。
(なかなか子離れできない親の気分です。www)
 

さて話は変わりますが、ガリラボでは今、吉村に2年前にやってもらっていた取り組み「ラーニング
探求塾」を復活させようと動いています。
ラーニング探求塾のキックオフは吉村が4年の夏でした⇒ガリラボ通信2013/8/23
当時M1だったOG(M13)坂口に吉村を支援してもらいながらの活動でした。
それから勉強会を継続し、翌年の3月で塾は閉校⇒ガリラボ通信2014/3/2
吉村の大学院進学、坂口の現場復帰というのが大きかったかと思います。
最後のラーニング探求塾の上記エントリー(ガリラボ通信2014/3/2)に当時は卒業生の立場
であったM1(16)山口が次のコメントをしていました。


やはり何かの縁なのでしょう。それからちょうど2年を経った今、新しく社会人院生と
なったM1(16)山口がラーニング探求塾の続編(シーズン2)を立ち上げようとしてます:
ガリラボ通信2016/4/9
 
昨日の入学式が終わった後、さっそく企画内容をWord2枚、パワポのスライド1枚に
まとめ、昨晩メールで送ってきていました。 
企画は2つあり、検討のたたき台とさせてくださいとのこと。
(メールの返信はしていないけれど、この通信を返信だと思ってほしい)


企画のひとつは、新しい塾の枠組みで、その冒頭は以下の内容でした(一部のみ掲載)。
概ね提案内容でいいかなと思いましたが、名称案の「ネオ・ラーニング探求塾(略称:ネオラン)」
だけは、しっくりとこないので再検討してほしいと思います。
それ以外は、よく練られた内容になっていて、さすがでした。


もうひとつは、ランチの時間を活用して、雑談をしようという会。
イギリスなどの研究機関はティータイムというのがあります。多様な人たちが、その時間に
集い、そこでの雑談の中から新しい研究への飛躍が生まれたりするものです。
東大の国際高等研究所(数学と物理の研究者が集まっているところ)では、研究者は
自分のテーマに沿って自由に研究をやってよいそうですが、たったひとつだけ働く条件を
課しているそうです。
それは、3時のお茶の時間だけは全員、指定された場所でお茶を飲むことだとか。
異なる分野の研究者の交流を通した化学反応を考えてことかと思います。
それは知的領域だけのことだけでもありません。
アスリートの訓練施設「ナショナルトレーニングセンター」も同様の設計思想で作られていて、
各フロアに設置されたリラックススペース「アスリートラウンジ」は、異なる競技のアスリートが
共通で利用するようにしてあるとか。
異なる競技との相互作用によって自分の競技を発展させていくことを狙ってことだそうです。

とりあえずそんな背景の下、ティータイムの頃に集まるのは授業は会議などでガリラボでは
無理ですので、ランチタイムはどうかなと思ったが、今回の企画の始まりでした。
M1(16)山口はCOC推進室から昼休みは抜けてきてガリラボでお昼を摂る予定です。
ところで、「サラめし」は家内が好きで、私もよく夕食の時間に見ていますが、山口が提案して
いる名称「ラボめし」は却下しようと思います。もう少し考えてみましょう。


最後に年間の計画。次が山口が考える年間計画とのこと。
ガリラボの年間計画もあるので、それと整合的になるよう修正をしていきたいと思います。 


 
 
2年前のラーニング探求塾の最後ことを伝えたガリラボ通信2014/3/2で私は
次のことを書いています。
 

吉村と坂口が牽引していたラーニング探求塾が、2年の時間を経て、山口の後輩だった
吉村から新しく後輩となった山口へとその遺伝子を引き継ぎ、新しい姿となって再開する
ことになります。
多くの希望は叶わないわけですが、この希望は、新しい仲間が集い、叶いそうです。
たぶん大丈夫でしょう。

善きことはカタツムリの速度で進むもの。
焦らず、徐々に徐々に進み、最後は全員が今はまた見たこともない新しいステージに
立っておれるといいかなと思います。
 


 

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