2013年5月12日日曜日

未来の教室~講義のない教室「反転授業」

2030年の学びというのを4月の時限的プロジェクトとして、ガリラボでやって
きたわけですが、あれはイノベーターを生み出すという観点で議論をして
きました。
未来の学びのあり方について考えてきたわけですが、実は未来の学びの
あり方の種子はすでに蒔かれているようです。
これまでの常識だと、教室で授業を受けて(知識を入手して)、それを自宅で
復習する(知識を定着させる)ということでした。
ネットとコンピュータはその概念を反転させることができるのです。
反転授業(Flipped Classroom)と呼びます。
その革新的な授業を塾が導入したようです。


ネットを使って講義を受講させようというのはe-Learningということで、ずいぶんと
前から行われていて、私もその方向での研究をやったことがありますが、定着ま
でには今一つというところでした。
e-Learningが通常の講義の補助という思想的枠組みで捉えていたからでは
ないかと思います。
補足的というスタンスでネット上の講義を90分も受けるのは非常にきついこと
ですから。
反転授業は、この概念を反転させ、e-Learningというサイバー空間をメインに
して、リアル空間を補助に使うという、思想的枠組みを逆転させたものです。
実に斬新です。
言われたら簡単なことで、誰でも発想できそうですが、だけど実際はそうでは
ないですね。難しい。

この発想は医学教育の分野でC.G.Proberというスタンフォード大学医学部の先生が
2012年の論文で示したものでした。
Lecture Hall without Lectures(授業の無い教室)
意訳すると休講となりそうですが、もちろん違います。

知識が増え続ける医学教育において従来と同じように、教室というツールを使って
知識の伝達をやっているだけでは間に合わない、となると授業のスタイルを根本的
に変えないといけないだろうと、そういうことから、ネットを使ったこういう発想に至っ
たようです。
逆転の発想! Project Xみたいです。^^
昨年、この論文の存在を知り、この手法がすごく気になっていました。
こういうものが実現できるようなコンピュータ+ネットの仕組みを導入して、大学の
授業をあり方を変えていけないかなと、、、、
気になっていながらも、キャリアセンターの仕事の方が超多忙になり、そのまま、、
忘れてました・・・orz
熊日の記事で思い出させてもらいました。

2030年の学びデザインの中にも組み込めば良かったなぁと今更ながら後悔。
まあでも、4年(10)卒論チーム「たまな」のテーマは「学び」。
柔軟であるはずのみんなの脳をフル活動させて、こういった発想を随所に盛り込んで
行ってほしいと思います。

脳と言えば・・・・
話題は飛びますが、茂木健一郎さんの今朝の連続ツイートで面白いものがあった
ので紹介します。

どこで勉強するの? 居間でしょ!」 http://togetter.com/li/501484

読んでみるとわかりますが、環境を立派にすることだけが良いことではないことが
わかります。
繊細な脳(温室で使える脳)というよりも、大胆な脳(現場で使える脳)にしていくには、
ノイズのある環境で鍛え、そういったところでも思考をトップスピードにもっていけるよ
うにしていった方がいいのだと。
確かにそうかもしれません。
鍛えられるのは間違いありません。
ガリラボは学生たちがワイワイとやっています。なので、私は「あそこで、よく仕事
がやれますね」と言われることがあります。
極度に集中しないといけない、たとえば新しい企画を文章に起こしてまとめる作業
のようなときには確かに土曜日の静かな時を使いますが、それ以外は、ワイワイは
ほとんど気になりません。
だいたい、イヤホンをしてなくても、周囲の音が聞こえなくなることがよくあります。
ガリラボのゼミ生のおかげで、前頭葉の集中回路を鍛えさせてもらっている
ように思います。
ということで、ガリラボはひょっとすると勉強するのに適した環境であるのかもしれません。
邪魔が入っても耐えながら勉強しないといけない。笑
極めて現場的なところですね。
そうすると、茂木さんを真似させてもらいますが、ガリラボのゼミ生の皆さん、
  どこで勉強するの? ガリラボでしょ!
です。適度な騒音が充満している学習空間が実は目の前に広がっています。
大いに利用しましょう。
 

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